


「IELTSって何時間くらいかかるの?」「スピーキングはいつ実施される?」「試験中トイレ行ける?」
IELTSを初めて受ける方なら、こんな疑問や不安を抱えるのも無理はありません。
IELTSはリスニング・リーディング・ライティングの筆記試験だけで2時間45分、さらにスピーキング試験も11〜14分あり、全体としてはかなりの長丁場です。
受験形式(コンピューター or ペーパー)によって時間や流れも異なるため、事前の把握がスコアアップのカギとなります。
この記事では、IELTSの試験時間と全体の流れをはじめ、
- 各セクションの所要時間と流れ
- スピーキングの実施タイミング
- 当日の集合時間とタイムスケジュール
などをわかりやすく解説し、安心して当日を迎えられるようサポートします!
目次
IELTSの試験時間は何時間?
IELTSは筆記試験(リスニング・リーディング・ライティング)で約2時間45分、スピーキングを含めると全体で3時間前後かかる試験です。
IELTSの筆記試験の試験時間:約2時間45分
筆記試験は「リスニング」「リーディング」「ライティング」の3セクションで構成されており、合計で約2時間45分かかります。
これらは連続して実施され、途中休憩はありません(体調不良など特別な事情を除きトイレも不可)。
セクション | 試験時間 |
---|---|
リスニング | 30分 |
リーディング | 60分 |
ライティング | 60分 |
合計 | 約2時間45分(休憩なし) |


IELTSのスピーキングの試験時間:約11~14分
スピーキングテストは面接形式行われ、試験時間は11〜14分程度です。
以下の3つのパートに分かれています。
- Part1:自己紹介・身近な質問(約4〜5分)
- Part2:1分準備 → 1〜2分のスピーチ
- Part3:スピーチ内容に関連した質疑応答(約4〜5分)
スピーキングは筆記試験と同日または前後7日以内に行われ、試験日程・集合時間はマイページや受験票で通知されます。

2つのモジュール(アカデミック/ジェネラル)の試験時間は同じ
IELTSは試験目的に応じて「アカデミックモジュール」と「ジェネラルモジュール」の2つのモジュールから選択して受験します。
出題傾向は異なりますが、どちらも構成(セクション)や試験時間は同じです。
【参考図:アカデミックとジェネラルの違い】
項目 | アカデミック・モジュール | ジェネラル・トレーニング・モジュール |
主な目的 | 大学・大学院留学、MBA取得などの学術用途 | 海外移住、就労、永住権申請など実生活での使用 |
特徴 | 学術的・抽象的なテーマが中心 | 実用的で身近なテーマが中心 |
出題傾向 | 図表やグラフの読み取り、教育・研究に関する文章 | 日常会話、職場でのやりとり、生活情報の読解 |


受験形式(コンピューター/ペーパー)で試験時間や流れに違いはある?
IELTSの筆記試験は、「コンピューター試験(CDI)」または「ペーパー試験」のいずれかの形式で受験できます。
どちらの形式でも問題構成・各セクションの試験時間そのものに違いはありませんが、試験当日の流れや操作方法には違いがあるため、事前に特徴を理解しておくことが重要です。
なお、ペーパー試験では、各セクションの合間に問題用紙の配布や回収の時間があるため、開始から終了までの全体所要時間はコンピューター形式よりやや長くなる傾向があります。
【参考図:コンピュータ試験とペーパー試験の違い】
比較項目 | コンピューター試験(CDI) | ペーパー試験 |
出題順序 | リスニング → リーディング → ライティング | ライティング → リーディング → リスニング |
回答方法 | タイピング入力 | 手書き(鉛筆) |
リスニング終了後 | 2分の見直し時間 | 10分のマーク転記時間 |
試験会場の設備 | パソコン、ヘッドフォン | 紙と鉛筆、スピーカー |
結果通知までの期間 | 約3~5営業日 | 約13日後 |
向いている人 | タイピングが得意な人、短期間で結果が欲しい人 | 手書きに慣れている人、紙で考える方が得意な人 |
※コンピューター試験の場合、試験開始前にヘッドフォンの音量調整の時間があります。
※スピーキングはどちらの形式でも対面式で実施されます(コンピューターを選択した場合も、録音形式ではありません)。
IELTS試験当日の流れ・スケジュールを完全ガイド
IELTS当日は受付・本人確認・荷物預けなど、試験前の手続きがいくつもあります。スムーズに試験を受けるために、集合時間と持ち物は必ず事前に確認しておきましょう。
必要な持ち物
試験当日は、必要なものを忘れないように事前に準備しておきましょう。下表が必要な持ち物の一覧です。
持ち物 | 必要性と注意点 |
パスポート(原本) | 申し込み時に登録したものを持参。忘れると受験不可。 |
水 | 無色透明・ラベルなしのボトルに入った水のみ持ち込み可能。 |
パスポートのカラーコピー | 英検協会主催の試験のみ必要。指定形式で準備。 |
筆記用具(鉛筆・消しゴム) | 英検協会主催の試験のみ必要。黒鉛筆(キャップなし)と消しゴム(カバーなし)を持参。 |
試験当日の持ち物は、受験する運営団体によって異なります。受験票や公式サイトで事前に確認し、必要な持ち物を準備してください。
なお、スマートフォン、腕時計、参考書類などの電子機器や記録物は持ち込み禁止です。持ち込みが発覚した場合、不正行為と見なされ、試験が無効になる可能性があります。
何分前に会場に着くべき?集合時間と注意点
IIELTSでは、一般的に試験開始の30分前から受付が始まり、5分前には締め切られます。
当日あせることのないよう、試験開始の40〜45分前(=受付の10〜15分前)には会場に到着しておくのがおすすめです。
受付前に会場の建物に入れないケースもあるため、あまりにも早く到着しすぎるのは避けましょう。


受付~入室までの流れ
STEP①荷物の預け入れ
パスポート、水、筆記用具(英検協会のみ)を除く全ての荷物を預けます。
遠方からの場合はスーツケースなど大型の荷物も預かってもらえます。
万が一、腕時計やスマートフォンなどを試験会場に持ち込んだ場合、失格となり試験結果が無効になる可能性があるため注意しましょう。
STEP②本人確認
本人確認ではパスポートの提示、指紋登録、写真撮影を行います。
ここで撮った写真は成績証明書に使用されます。
STEP③試験会場への入室
席に着いたら、机上にある受験者情報(ディスクラベル)に記載に間違いがないことを確認しましょう。
加えて、腕時計やポケットの中にスマートフォンがないかも確認しておきましょう。
スピーキングが同日の場合の流れ
IELTSでは、スピーキング試験が筆記試験と同日に行われる場合があります。
その場合、スピーキングの集合時間は、事前に受験票やマイページ上で案内されます。会場によって異なりますが、開始予定時刻の15〜30分前の集合が一般的です。
筆記試験のあと、昼食休憩を挟んで午後にスピーキングが行われることが多いため、1日がかりのスケジュールになることを想定しておきましょう。
※筆記試験の前の午前中に行われることもあります。
【スピーキングが同日実施の場合のスケジュール(例)】
時間帯 | 内容 |
8:30 | 会場到着・受付開始 |
9:00〜12:00 | 筆記試験(リスニング・リーディング・ライティング) |
12:00〜14:00 | 昼食・休憩(会場内または周辺で待機) |
13:30〜15:30 | スピーキング試験(個別に呼び出される) |
スピーキング終了後 | 解散(順次) |
- スピーキングの開始時間は受験者ごとに異なるため、事前通知で自分の時間を確認しておきましょう。
- 昼休憩中はスマートフォンや教材の使用は制限されることがあるため、軽食・水・静かに過ごせる準備がおすすめです。
- スピーキングの直前にもパスポート確認があるため、引き続き手元に持っておきましょう。


目指せスコアアップ!「時間が足りない」を防ぐ時間配分のコツと対策
IELTSで目標スコアを獲得するためには、時間配分が非常に重要です。
ここでは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのセクションごとに時間配分のコツを紹介していきます!
リスニング:先読みとメモで精度アップ
リスニングテストは試験時間が30分+見直し時間が2分(ペーパー試験の場合は10分)で、4つのセクションと40の問題で構成されています。
セクション | 時間(目安) | 話し手 | 内容 |
1 | 6~8分 | 2人 | 日常生活に関する内容(会話) |
2 | 6~8分 | 1人 | 日常生活に関する内容(説明やアナウンス) |
3 | 6~8分 | 2~4人 | 学術的な会話(教授と学生の議論や学生間の話し合い) |
4 | 6~8分 | 1人 | 大学の講義や講演、スピーチなどのモノローグ |
リスニングでは各問題に入る前に説明の時間があるため、その時間に問題を先読みしておくことが重要です。
音声は1度しか流れないため、メモの取り方を練習しておくことで多くの情報を拾えるようになります。
最後に回答を見直す時間が設けられているため、分からない問題があっても固執しすぎず、流れている音声に集中しましょう。
リーディング:時間と難易度のバランスを取る
リーディングの試験時間は60分で、3つのパッセージと40の問題で構成されています。
アカデミックの場合、パッセージ1が最も易しい傾向があります。しかし、パッセージ2と3の難易度は同程度のことが多いため、パッセージ1になるべく時間をかけず、パッセージ2・パッセージ3に時間を使いましょう。
ジェネラルの場合、後半に行くほど問題文が長く、難度が上がるためパッセージ1に15分、パッセージ2に20分、パッセージ3に25分のように時間配分することが理想的です。
アカデミック | ジェネラル | ||
大問1 | 語数 | 900~1000語程度の長いパッセージ | 300〜500語程度の短いパッセージが2つ |
内容 | 仕事に関する内容 | 日常生活に関する内容 | |
大問2 | 語数 | 900~1000語程度の長いパッセージ | 300〜500語程度の短いパッセージが2つ |
内容 | 仕事に関する内容 | 仕事に関する内容 | |
大問3 | 語数 | 900~1000語程度の長いパッセージ | 900〜1,000語程度の長いパッセージ |
内容 | 仕事に関する内容 | 仕事に関する内容 |
リーディングは時間に対して分量が多いため、必ず問題を先読みし、問われている箇所を拾い読みしていきましょう。
その他の対策としては、分からない問題は潔く飛ばして次の問題に進んだり、スキャニングやスキミングスキルをつける練習をしたりするなどが効果的です。


ライティング:Task2重視で時間を配分
ライティングの試験時間は60分で、2つの設問があります。
Task1ではグラフや図表について150字で説明する問題が、Task2では与えられた問題に対して賛成か反対か論理的に説明する問題が出題されます。
語数 | 内容 | |
Task1 | 150語 | 棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、表、地図、図、プロセスについて説明する |
Task2 | 250語 | 与えられた問題に対して、議論に賛成か反対か、利点と欠点について、解決策を提示するなど |
どちらから取り組んでも問題ありませんが、Task2は文字数が多く配点も高いため、Task1に20分、Task2に40分の時間配分が理想的です。
時間を節約するために、1行に書く単語数を決め文字数を数える手間を省く、日頃から社会やテクノロジー分野のトピックについて自分の考えをまとめておくなどの対策が効果的です。
スピーキング:パート別に時間間隔を身につける
スピーキングテストの試験時間は11~14分で、3つのパートに分けて出題されます。
パート1は日常的なトピックに関する質疑応答、パート2は定められたトピックに関するスピーチ、パート3はパート2に関連した質疑応答が出題されます。
各パートの理想的な回答時間として、パート1は1問につき10~20秒、パート2のスピーチは1分40秒~2分程度、パート3は1問につき30秒~40秒程度が目安です。
回答時間 | 問題数 | 形式 | |
パート1 | 1問につき10~20秒 | 3つのトピック 12の質問 | インタビュー形式 |
パート2 | 1分40秒~2分 | 1つのトピック | カードを引き、そのテーマに関するスピーチ |
パート3 | 1問につき30~40秒 | パート2のトピックに関して4~6の質問 | ディスカッション形式 |
各パートの練習として、パート1は聞かれた質問に対して結論ベースでテンポ良く答えることを意識してください。
一方でパート3に関しては、結論だけでなく、それを補強する論理的な説明も加えることを意識しましょう。
パート2に関しては、最初から長いスピーチをする事は難しいので、短い秒数から徐々に時間を伸ばしていけるよう練習しましょう。
IELTSの試験時間・タイムスケジュールに関するよくある質問
ここでは、IELTS試験の試験時間や当日のタイムスケジュール、受験前後の流れに関して、よくある質問とその回答をまとめています。
スピーキングの実施タイミング(日程・時間)はいつわかる?
スピーキングの試験時間は、試験日直前または申し込み後にマイページ上で通知されます。
メールでの案内や受験票に記載されることもあるため、確認を忘れないようにしましょう。
当日は何分前に到着すればいい?
IIELTSでは、一般的に試験開始の30分前から受付が始まり、5分前には締め切られます。
余裕をもって、試験開始45分前〜40分前の到着を推奨します。
試験に遅刻するとどうなる?
受付時間に遅刻した場合は、試験を受験することができません。
試験開始時間5分前に受付が終了するため、それ以降に到着した場合は受験不可です。
交通機関の遅延や渋滞など不測の事態に備えて、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。
途中退室はできる?トイレに行きたくなった場合は?
IELTSの筆記試験中は基本的に途中退室・トイレ休憩は不可です。
どうしても体調不良や緊急時で退室が必要な場合は、試験官に申し出ることで途中退出が認められることもありますが、その間の試験時間は止まらず、残り時間の延長はされません。
試験結果はいつ出る?
IELTSの結果が出るタイミングは受験形式によって異なります。
コンピューター試験の場合は試験日から3~5営業日後、ペーパー試験の場合は試験日から13日後にマイページにて閲覧可能です。
正式な結果として使用できる成績証明書は、上記日程からさらに1~3日後に自宅に配送されます。
早急に成績証明書が欲しい場合は、速達(要別料金)での配送も可能です。
スコアの確認方法は?
スコアはオンラインまたは書面にて確認できます。
コンピューター試験の場合は3~5日後に、ペーパー試験の場合は13日後にマイページなどの各Webサイト上で確認できます。
また、上記日程から1~3日後に郵送される成績証明書でも確認可能です。
スコアの有効期限は?
スコアの有効期限は筆記テスト実施日より2年間有効です。
2年以上経過した成績証明書は、有効な証明として受理されないため注意しましょう。
もし2年経過後に成績が必要となった場合は、再受験が必要です。
まとめ
IELTSの試験時間は想像以上に長丁場です。本記事では、各セクションの所要時間や受験形式ごとの違い、当日の流れまでをわかりやすく解説しました。
初めての方は、試験当日のイメージを掴み、時間配分のコツを押さえることで、自信を持って本番に臨めます。ぜひ事前準備に役立ててください。



