



多民族の都市国家シンガポールは、目覚ましい経済成長を遂げ今やアジアのビジネス・教育の中心地。他の東南アジアとは一線を画す、近代的で洗練された街並みが魅力です。
特に教育にかける国籍予算は膨大で、国内には世界トップレベルの大学が集結。中でもシンガポール国立大学(NUS)は、アジアNo.1の座を不動のものにしています。
「NUSへの留学はどのくらい難しい?」「学費は高いイメージがあるけど実際は?」
今回の記事では、そんな疑問を持つ方に向けて、シンガポールの最高峰「シンガポール国立大学(National University of Singapore、以下NUS)」を徹底解説。
最新の偏差値レベル、学費、奨学金事情から、合格を勝ち取るための出願戦略まで、詳しく見ていきましょう。
- 立ち位置:QS世界ランク8位(2025)。東大や京大を凌ぐ「アジア絶対王者」。欧米トップ校に引けを取らない教育水準と国際性が武器。
- 難易度:日本基準なら「偏差値75〜80」相当。IELTS 7.0 / TOEFL 100程度は最低ラインで、世界中のエリート学生と競う超難関。
- 費用の裏技:政府の「Tuition Grant(学費助成金)」を使えば、留学生でも学費が半額以下(年200万円台〜)に。ただし、卒業後3年間の現地就労義務が発生する。
- 結論:「学費を抑えて世界トップレベルで学びたい」かつ「そのまま海外で働きたい」人には、欧米以上にコスパ最強の選択肢。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
シンガポールの名門校:シンガポール国立大学(NUS)とは

シンガポール国立大学の基本情報と歴史
基本情報
基本情報
- 名称:National University of Singapore(NUS)
- ホームページ:http://nus.edu.sg/
- 所在地:21 Lower Kent Ridge Road Singapore 119077
- 電話番号:+65 6516-6666
- 創立年:1905年
- 学校形態:大学・大学院
- 学生数:学部生:約32,000名 大学院生:約14,000名

歴史
NUSの歴史は古く、海峡植民地・マレー連合州政府の医学学校(Straits Settlements and Federated Malay States Government School)が設立された1905年までさかのぼります。
その後、1913年にはキングスエドワード7世医学学校(Kings Edward Ⅶ Medical School)へ改名。
シンガポールでの最初の高等教育機関として認識された後の1921年にはキングスエドワード7世医科大学(Kings Edward Ⅶ College of Medicine)へと再び改名。大学としての地位を高めていきました。
1928年には文理学部を提供するためにラッフルカッレジが設立され、1949年にはキングスエドワード7世医学大学と合併。本格的な大学であるマラヤ大学(University of Malaya)を設立しました。
その後、シンガポール政府とマラヤ連邦の決定により、マラヤ大学のシンガポール部門とマレーシア部門はそれぞれの国による独立した大学として運営。
1962年にシンガポール大学(University of Singapore)が誕生しました。
1955年にはシンガポール政府の「英語を公用語にする」という政策の下、シンガポール在住の華人のために設立された中国語で学べる大学、南洋大学(Nangyang University)と合併。
1980年に現在のシンガポール国立大学が設立され、ほとんどの学科の授業を英語で行うようになりました。
また、2013年にはアメリカのイェール大学と提携し、リベラルアーツ・カレッジYale-NUS Collegeを開校しましたが、2025年をもってその歴史に幕を下ろしました。
現在は、Yale-NUS CollegeとUniversity Scholars Programme (USP)が統合され、2022年に新設されたオナーズ・カレッジである「NUS College」が、そのリベラルアーツ教育の精神を引き継いでいます。
シンガポール国立大学の特徴と学部紹介
特徴
シンガポールは世界的に見ても教育水準がトップクラス。国をあげて教育に力を入れており、国民の教育への関心が高いことで知られています。
そんなシンガポール最高峰の大学といわれているのがNUS。
アメリカやイギリスなど海外の大学同様、卒業するのが難しいとされており、当然のことながら学生たちの勉学に対する意欲はかなりの高さです。
NUSは国際化に力を入れており、東南アジア諸国はもちろん、中国、欧米、アフリカを含む100ヶ国以上からの留学生を受け入れています。
しかしその数は制限されており、半数以上の学生が現地シンガポールの学生となっています。
また留学生を積極的に受け入れるだけではなく、シンガポール出身の学生にもグローバルな経験を積むことを推奨。
そのため海外大学との連携にも積極的で、世界各国およそ190校もの大学との学部課程の学生交換プログラム(Student Exchange Programme : SEP)を実施しています。
3つのキャンパス
NUSは3ヶ所にキャンパスを構えています。
メインキャンパスは、シンガポール南西部ケントリッジ(Kent Ridge)エリアに位置し、学部課程のスクール、研究所、図書館、学生寮、食堂、病院などの建物やスポーツ、レクレーション施設などが緑に囲まれた広大な敷地に点在。
オープンキャンパスとなっており誰でも自由に出入りができます。
アウトラム(Outram)キャンパスにはDuke-NUS Medical School(Duke大学と共同で設立した医学部/大学院)、ブキットティマ(Bukit Timah)キャンパスにはFaculty of Law (法学部)Lee Kuan Yew School of Public Policy(大学院)があります。
また、NUS College(旧Yale-NUS Collegeの施設含む)はメインキャンパスに隣接したUniversity Town(通称UTown)に拠点を置いています。
学部
NUSは総合的な研究大学であり、近年の大規模な再編により、より学際的な学びが可能になっています。
現在は以下の主要なカレッジ・学部で構成されています。(※2022年以降、工学部と設計環境学部はCDEに統合されました)
- College of Humanities and Sciences (CHS)※人文社会科学部 (Faculty of Arts & Social Sciences) と 理学部 (Faculty of Science) の統合プログラム
- College of Design and Engineering (CDE)※工学部 (Faculty of Engineering) と 設計・環境学部 (School of Design & Environment) が統合
- NUS Business School(経営学部)
- NUS Computing(コンピューター学部)
- Faculty of Dentistry(歯学部)
- Faculty of Law(法学部)
- Yong Loo Lin School of Medicine(医学部)
- Yong Siew Toh Conservatory of Music(音楽学部)
- Alice Lee Centre for Nursing Studies(看護学)
- NUS College(オナーズ・カレッジ / 旧Yale-NUSの精神を継承)
この他、Double Major Programmes(ダブルメジャー)やDouble Degree Programmes(ダブルディグリー)など特別学部プログラムも充実。
自分の目的に合わせた学習スタイルを選択することができます。
世界大学ランキングとその評価

アジア圏の大学の中でも、各種高等教育ランキングにおいて常に上位ランク付けされているNUS。世界でも教育レベルの高い大学としてその名を馳せています。
以下は、大学のランク付けとして世界的に権威のある英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education: THE)が発表している「THE World University Rankings 2026」 と「QS World University Rankings 2026」のデータとなります。
THE世界大学ランキング
| 世界ランキング | 大学名 | 国 |
| 1 | オックスフォード大学 | イギリス |
| 2 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
| 3 | ハーバード大学 | アメリカ |
| 4 | プリンストン大学 | アメリカ |
| 5 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
| 19 | シンガポール国立大学 | シンガポール |
QS世界大学ランキング
| 1 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
| 2 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | イギリス |
| 3 | オックスフォード大学 | イギリス |
| 8 | シンガポール国立大学 | シンガポール |
| 15 | 南洋理工大学 | シンガポール |
また、シンガポールには30を超える大学やカッレジがあり、そのうちの6つが国立大学です。
アジアの中でもトップクラスという国際評価を得ているNUSと肩を並べているのが南洋理工大学(Nanyang Technological University : NTU)。
シンガポール最大の工学系大学で理工系分野において高く評価されています。
またシンガポールにおいてビジネス、経済など商学系の最高峰ともいわれているのがシンガポール・マネージメント大学(Singapore Management University ; SMU)。
より専門的な科目を提供するシンガポールで最も有名な高等機関の1つであり、会計学、コンピューターサイエンス、経済学、ビジネスなどの分野で世界をリードする大学の1つです。
シンガポール国立大学の著名な卒業生
NUSは世界をリードするリーダーや著名な卒業生を輩出。
卒業生の多くは行政、官界、実業界、国際機関などの分野で活躍しています。
Goh Chok Tong(ゴー・チョクトン)
1941年5月2日シンガポール出身。元首相であり「名誉上級相」の名誉称号を保持しています。
NUS経済学部をファーストクラスという優秀な成績で卒業。1967年にはアメリカのマサチューセッツにあるWilliams College(ウィリアム大学)へ進学。
その後開発経済学の修士号を取得し帰国。政治の世界でのキャリアを積んだ後、シンガポールの父とも呼ばれるLee Kuan Yew(リー・クアンユー)が31年間努めていたシンガポール首相の地位から辞任後の1990年11月に次期首相に任命され、その後2004年8月まで13年間シンガポールの首相を務めました。
Tony Tan(トニー・タン)
1940年2月7日シンガポール出身。
シンガポール政府から奨学金を受け、NUS物理学部をファーストクラスで卒業。その後アジア財団の奨学生として、アメリカのマサチューセッツにあるMassachusetts Institute of Technology :MIT(マサチューセッツ工科大学)で理学修士号を取得。
さらには南オーストラリアのアデレードにあるUniversity of Adelaide(アデレード大学)で応用数学の哲学の博士号を取得しました。
帰国後はNUSの数学教授として教鞭を取り、1969年に大学を離れ銀行へ転職。1979年に政治のキャリアをスタートし、2011年9月にシンガポール大統領に就任。その後2017年8月まで大統領を務めました。
NUSの学費は高い?留学費用と奨学金・助成金を解説
学費と生活費の目安
ここでは学部留学生として1年間留学する場合の費用について説明。
学費、滞在費、生活費などの目安は以下の通りです。学生はシンガポールでの滞在先を確保する責任があり、滞在スタイルにより費用は異なります。
キャンパス内の寮についてはHostel Admission、その他の滞在先についてはOther Accommodationを参考にしてください。
NUSの学費は、政府の助成金(Tuition Grant)を受けるかどうかで大きく異なります。以下の表は2025/2026年度入学生(AY2025/2026)の最新データに基づきます。
| Budget Item (Per Year) | Cost (SGD) |
| Tuition Fees (Subsidised with Grant) | S$17,950~S$80,850 ※1 |
| Tuition Fees (Non-Subsidised / Full) | S$33,050~S$181,150 ※1 |
| On-Campus accommodation (Approx.) | S$5,400~S$8,400 ※2 |
| Miscellaneous Student Fees (MSF) | S$400~S$600 |
| Meals | S$3,000~S$4,800 |
| Personal expenses | S$2,500~S$3,000 |
| Transportation within Singapore | S$800~S$1,000 |
| Average cost of books/supplies | S$400~S$800 |
| Total estimated costs (Subsidised) | S$30,050~(約345万円~)※3 |
- ※1 AY2025/2026の確定学費データです。・文系・工学・IT系:助成金あり S$17,950 / なし S$39,200・ビジネス:助成金あり S$21,050 / なし S$33,050・医学・歯学:助成金あり S$73,550~80,850 / なし S$181,150(すべてGST込みの金額です)
- ※2 寮のタイプ(エアコン有無・部屋タイプ)により異なり、民間アパートの場合はさらに高額になります。
- ※3 2026年2月現在の為替レート(1SGD=約115円)で計算。助成金適用後の目安です。為替変動や生活スタイルにより日本円での負担額は変わるため、余裕を持った資金計画が必要です。


留学生向けの奨学金制度
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NUSでは、①奨学金(Scholarships)②助成金(Financial Aid)と大きく分けて2種類の補助金制度を用意しています。
奨学金は、学業成績、芸術、リーダーシップなどの功績者に与えられるもので、NUSが入学審査を通じて対象者に提供するものと、各国政府や外部の関連団体または機関により提供されるものがあります。
助成金は学資困難者へ支給されるもので、一般的にシンガポール市民を対象としています。
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また、留学生でも申請可能な助成金制度にシンガポール教育省(MOE)が提供しているTuition Grantというものがあります。
これは学生がシンガポールでのフルタイムの大学の費用を支援する助成金のことで、NUSを含む国立大学へ通う学生が対象です。
なお、シンガポール国民は自動申請となりますが、留学生または永住者は学費交付金制度に基づき受給資格を申請する必要があり(MOEの承認が必要)、契約書への署名が求められています。
その他の注意点として、
- 国立大学へ通う学生は、政府による学費減免を受けることが可能だが、国民、永住者、留学生で支給額が異なる。
- 受給した永住者、留学生は卒業後3年間シンガポールでの就業義務がある。
などがあります。
なお就職先は自分で探す必要があり、また万が一途中で退学、就労を中断などとなった場合にはペナルティが発生することも。
優遇を受けるためは各種条件をクリアする必要もあるため、興味がある方は積極的に情報を集めてみることをおすすめします。

さらなる詳しい情報は、Eligibility Guidelines for MOE Tuition GrantまたはTuition Grand (TG) onlineウェブサイト上のMore Information on Tuition Grantを参照してください。
また、日本の機関が提供する留学奨学金制度もチェックしておきましょう。
フルタイムの学部生として入学をした留学生には、Immigration&Checkpoints Authority (ICA) と呼ばれる学生パスが与えられます。
このパスを所持することで、就労許可を申請することなく週16時間以内の就労(学期休暇中を含む)が可能となります。
詳しくはInternational Students : Working in Singapore during stayをご参照ください。

» 【シンガポール国立大学MBA】NUSの難易度・学費から留学方法まで
シンガポール国立大学へ進学するメリット・デメリット
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そして留学を決めたら気になることはメリットとデメリット。いざ決めたとは言え、わからないことも多く不安を感じてしまうかもしれません。
メリットがあればデメリットもあるもの。それらを理解することで少しでもNUS留学のイメージを作っていきましょう。
シンガポールの教育制度について
国が主体となって厳しい選抜を行うシンガポールでの教育制度の特徴の1つが「PSLE (Primary School Leaving Examination)」。
これは、日本でいう小学校にあたるプライマリースクール卒業時に受験する全国統一テストのことで、セカンダリースクール(中学校)のレベル分けを実施。
このテストでの結果により大学進学へ向けたクラス、また特に優秀な一部の学生はエリートコースへと進学します。
そんな現地の優秀な学生が進学を目指すシンガポール国内でトップ校ともいわれるNUS。
教育方針や国の教育制度の違いによる学生の勉学に対しての熱意が日本の大学や学生とは異なります。
NUSを卒業するためには単位修得がすべてとなっており、これは日本の大学も同様。しかし、各科目にかける勉強時間や単位修得のための基準が大きく異なります。
日本の大学では主に試験のスコアを中心に成績が判定されますが、NUSでは、
- 試験による成績
- 宿題や課題
- グループで意見を述べ合うディスカッション
- 自分の調べたことを発表するプレゼンテーション
なども成績評価に大きく反映。
またシンガポールの学生たちは、卒業時の成績が就職に大きく影響するということを明確に理解しているため、全てにおいて好成績を修めようと必死。
このような学習環境が勉学に対しての意識を高めています。
メリット
① 英語が公用語である
語学力が身に付くということは、留学最大のメリットといっても過言ではありません。
学校ではほとんどの授業を英語で実施しているシンガポール。
英語が第一言語として広く浸透しており、英語を耳にする機会、また外国人も多いために英語を使うチャンスがたくさんあります。
シンガポールにはバイリンガル教育政策というものがあり、公立学校すべての生徒が第一言語として英語を学びます。
また、文部科学省により第二言語の習得を義務化。中国系、インド系、マレー系と多民族国家であるシンガポールでは、それぞれの母国語を学びます。
そのため、英語以外の言語を学べる環境にいるということも魅力の1つ。英語以外の言語を習得することも可能かもしれません。
② 教育水準が高いため学習環境が整っている
教育制度の違いから現地の多くの学生は勉強熱心。
また早い時期から自分の進路について真剣に考えており、勉強に対する意識が高い傾向にあります。
NUSはアジアの中でもトップを誇る非常にレベルの高い大学で、優秀な留学生の受け入れにも積極的。
優秀な現地の学生だけではなく留学生からも刺激を受けながら、勉強に対してのモチベーション力が上がる環境に身を置くことができます。
③ さまざまな文化に触れることができる
多様な民族がうまく融合しながら生活しているシンガポールでは、日本とは全く違った文化や習慣を味わうことができます。
NUSで学ぶということは、これら多様性を直接肌で感じることで刺激や新たな発見となり、自分自身の世界観や価値観を広げてくれる。という大きな魅力があります。
これら多様性という意味を実体験から理解しグローバルな感性が磨かれるということは、グローバル化が進む今、大きなメリットとなることでしょう。
デメリット
① 物価が思ったより高い
他の東南アジアの国々と比べても物価が高いシンガポール。
狭い土地にたくさんの建物が立ち並ぶシンガポールでは、特に住居費が高いため長期滞在となると費用が高額になってしまうことも。
そのため留学生の多くはルームシェアや学生寮に滞在。プライベートの空間で過ごしたいという場合には厳しい住宅事情となってしまうかもしれません。
ただし、食費や交通費は日本よりも安く費用を抑えることが可能です。
② 英語に独特のなまりがある
さまざまな民族が独自の言語(母国語)を持つシンガポールでは、これらの言語が互いに融合しシンガポールの英語「シングリッシュ」へと進化。
文法の簡略化、クセのあるイントネーションといった独特のなまりがある英語を話します。
そのため、いわゆるアメリカ人が話すようなネイティブ英語の発音とは違った英語を耳にする機会が多くなります。
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【難易度】NUSの入試要件と合格に必要な英語力・スコア

偏差値や入学難易度
海外の大学では、日本の大学のような偏差値による大学間の明確なレベル分けはありませんが、1つの指針となるのが大学ごとに設定している入学要件。
IELTS6.5以上、TOEFL92点以上が推奨されており、日本の公立高校出身の高校生にとっては英語スコアの獲得が最初のハードルになるでしょう。
NUSへは「学部留学」と「交換留学」いずれかの方法での留学が一般的。
アメリカの大学などへの留学方法としてよく耳にする「編入」は、NUS / Yale-NUS / NTU / SMU/ SUTD / SUSS / SITの現学部生、およびシンガポール市民 / 海外大学の現在の学部生であるシンガポール永住者のみに適用されます。
では、日本からの留学方法として一般的な「学部留学」と「交換留学」についての情報を具体的に説明していきましょう。
まず1つ目の「学部留学」。これは日本の高校卒業後に直接進学する方法です。
正規の学部生としての入学を目指すためには、アメリカ留学やイギリス留学の出願同様、大学所定の方法で提出。
NUSのウェブサイト上で直接申請を行います。主な出願の流れは以下の通りです。


入学条件と出願プロセス
ここから、NUSに出願するプロセスをご説明します。
① 希望する学部/専攻をリサーチ
NUSでオファーされている学部を確認。自分が何を学びたいのか、どの学部がいいのかなどを詳細にリサーチします。

② 入学要件を満たしているかを確認
NUSでは、世界各国からの留学生を受け入れるために様々な入学要件を設けています。
日本からの出願は一般的に以下の4つが必要になります。
- 日本の高校の卒業資格
- 高評価の成績証明(GPA)
- Standardised Test (Advanced Placement, ACT with Writing, SAT)
- TOEFL又はIELTS(必須ではないが確認必要)
その他、インターナショナルスクール等を卒業して国際バカロレアのディプロマ(IB Diploma)を取得した場合には別枠での受験となり出願方法が異なります。
詳細情報はInternational Baccalaureate (IB) Admission Requirementsをご参照ください。
③ 必要なテストスコアを取得
アメリカなどの大学への入学要項にはテストスコアについての明確な情報は記載されていない場合がほとんどですが、NUSでは、出願の際に提出を求めている全てのテストスコアに、出願可能となる最低ラインのスコアを設定、情報を公開しています。
これらスコアはあくまでも最低ライン。このスコアを取ったらとりあえずオーケーというわけではありません。
が、目標を設定するためには目安を把握しておくことが欠かせず、また明確に目指すべきスコアがわかっていればモチベーションも上がるものです。
詳しいテストの科目などは学部によって異なるため、自分が希望する学部が決まっている場合には早めに調べておくのがよいでしょう。
以下はそれら目安となるスコアの一覧です。
- ACT with Writing
ACTのスコアを提出する場合には、ライティング(Writing)セクションのスコア提出が必須となります。
| ACT Total Score (Minimum) | 29 (36満点) |
| Writing Component Score (Minimum) | 8 (Range between 2 to 12) |

| SAT Evidence-Based Reading/Writing | 600 (800満点) |
| SAT Mathematics | 650 (800満点) |
- AP (Advanced Placement) Test Scores
SAT Subject Testsが2021年に廃止されたことに伴い、アメリカの高校カリキュラムで学ぶ場合、SAT/ACTに加え、APスコアの提出が強く推奨、あるいは必須となる場合があります。
具体的な必要科目(Calculus BCや各理科科目など)は志望学部により異なるため、必ず最新のOffice of Admissionsの要項を確認してください。
その他、テストスコアの提出方法などについての詳細は、NUSウェブサイトStandardised Test Requirementsにて確認することができます。
- TOEFL, IELTS
NUSでは授業を英語で行うため、最低限の英語能力を備えていることが求められています。
日本からの留学の場合には「TOEFL」または「IELTS」の英語能力テストのスコアを提出することが一般的です。
※参考出典:https://nus.edu.sg/oam/docs/default-source/nus-publications/intlprospectus.pdf



④ 成績以外の課外活動
NUSでは、申請プロセスにおいて高校での高い学力やテストスコアを重視する傾向にありますが、その他の課外活動などについても広く考慮します。
ただし、ちょっと経験しただけというものというより、深く関わり結果を残した課外活動が評価されます。
オンライン出願ステップ

オンライン出願ステップ
- NUSに出願するためには大学の公式ウェブサイトにアクセスし、Apply to NUSというリンクをクリック。
- ここではNUSへ出願するための各入学要件を確認することができます。 - 次にApply Nowをクリック。 ここから自分が出願をする方法を選択します(受付開始の方法から順次表示)。
- 日本の高校を卒業後に出願する場合には「International Applicants」を選択します。
- ここでは、国別の高校卒業資格の中から「OTHER HIGH SCHOOL QUALIFICATIONS 」を選択。 - 「Proceed」をクリックするとオンライン申請書のページとなり、ここから画面の指示に従い記入を始めます。
- この申請書には、基本情報、成績、テストスコア、エッセイ、課外活動の報告を含む14つの項目があり、該当する場合にはすべての項目に記入する必要があります。 - 申請料を支払い申請書を提出後、問題がない場合には8桁の「Application Number(申請番号)」が届きます。
- 申請後には、Undergraduate admissionページから必要に応じてSATなどのテストスコアや成績証明書などのサポートドキュメントのアップロードを行います。
ここで注意点ですが、セキュリティ上の理由から申請書に記入をするのに30分の時間制限を設けています。
そのため記入内容を前もって確認し、あらかじめ記入内容を準備しておくことをおすすめします。
ログインするためには、申請書を提出後に届いた8桁の「Application Number (申請番号)」と申請の際に作成した「Personal Identification Number : PIN (個人識別番号)※注」を入力。
連絡先の変更や入学状況の追跡などもここで行うことができます。
※注 個人識別番号(PIN)の作成は申請書の入力項目の1つに含まれています。
その他、出願に関する詳細はApplication Guide for International Studentsでも確認することができます。



シンガポール国立大学への交換留学について

シンガポールの厳しい教育制度の中で勉学に励んできた現地の学生との競争を勝ち抜くためには、優れた成績はもちろん、ハイレベルな英語力が必要。
日本の高校を卒業後に入学を目指すとなると、そう簡単にはいかないかもしれないと躊躇してしまう学生のみなさんもいるだろうと思います。
そんな時に検討したいもう1つのNUSへの留学方法が「交換留学制度」の利用。NUSでは積極的に海外の大学と協定を結び、世界各国から大勢の交換留学生を受け入れています。
もちろん日本のいくつかの大学とも提携。
NUSのウェブサイトには、各大学に対して求めている交換留学のための入学要件や出願方法などが詳しく記載されているので、まずはそこをチェックしましょう。
また、参加できるプログラムの内容や期間などは大学により異なるため、あらかじめ調べておくことが大切です。
また日本の大学から交換留学に応募する際には大学内で選考が行われる場合がほとんどですので、応募資格の基準をクリアできるためにもしっかりと下調べをし準備をしておくとよいでしょう。
交換留学制度が利用できる国内の大学は以下の通りです。
- 慶応大学
- 京都大学
- 九州大学
- 名古屋大学
- 大阪大学
- 東京大学
- 東北大学
- 東京工業大学
- 早稲田大学
「交換留学」の場合には、基本シンガポール国立大学の学費はかからず日本の大学の学費のみとなりますが、その他滞在費や諸費用が必要となります。
詳細は日本の各大学の募集要項を確認してください。
シンガポール国立大学(NUS)留学に関するよくある質問
制度としては存在しますが、NUSへの編入は非常に狭き門です。一般的にシンガポールの大学は1年次からの入学(4年間)が主流であり、編入枠は極めて限定的です。交換留学制度を利用するか、大学院からの進学を目指す方が現実的な選択肢となる場合が多いです。
厳しいのが現実です。NUSの授業はすべて英語で行われ、世界中から優秀な学生が集まるため、入学時点で高い英語運用能力(IELTS 6.5〜7.0以上、TOEFL 92〜100以上目安)が求められます。まずは語学スコアをクリアすることがスタートラインとなります。
NUSの卒業生は、シンガポール国内の多国籍企業や金融機関、政府機関などで高い評価を得ています。また、Tuition Grant(学費助成金)を利用した留学生には、卒業後3年間シンガポール企業での就労義務が発生するため、現地就職をするケースが一般的です。
海外大学のため単純比較はできませんが、世界ランキング(アジア1位、世界トップ10前後)や入学者層を考慮すると、東京大学や京都大学と同等、あるいはそれ以上の難易度と捉えておくと良いでしょう。特にIB(国際バカロレア)やA-Levelなどの国際試験で満点に近いスコアを持つ学生が多く出願します。
最後に
シンガポールは子供の頃から学力のレベル分けを行っているという、いわば厳しい学歴社会。
NUSは、そんな厳しい競争を勝ち抜いてきたエリートが通う大学として認識されているといっても大げさではありません。
NUSの学習環境は厳しいと感じるかもしれませんが、留学への高い目標を持ちしっかりと学びたいという学生にとっては、勉強に集中しやすい環境ともいえます。
仲間と切磋琢磨しながら自分のスキルを高め、将来につなげたいという学生にはおすすめの留学先でもあるNUS。
留学先に悩んでいる学生のみなさんは、選択の1つとしてぜひ検討してみては、と思います。

この記事の著者:Antie やや
タイ在住。語学力を生かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。










高専卒でも行けますか⁉︎
日本の高校の卒業資格に相当するような学歴であれば良いはずだよ!
非常に勉強になります。
助かる情報が盛りだくさんで、熟読させていただきます。
カレンダーがあればいいなと思いました。
確か日本ともアメリカとも入試スケジュールが異なっていたと記憶しています。
その辺も比較してわかるとありがたいです。
コメントありがとう。
入試スケジュールの比較だね!
どこかで補足または記事化できるか考えてみるね〜!!
すごくわかりやすいご紹介、ありがとうございます。2022年にSAT subject が廃止されたため、現在、日本の一条校に通う高校生は出願要件を満たせません。IBやAPを取らない限り、日本の高卒資格では出願できなくて、とても残念に思っているところです。アドミッションに嘆願メールを出せばいいのかな?などと思っています。