



「今の大学、なんだか物足りないな…」
「本当は海外の大学で学びたかった」
高校まで全力で頑張って入った大学なのに、授業がつまらない、周囲と話が合わない、将来が見えない——
そんな気持ち、実はあなただけじゃありません。
そして最近では、「やっぱり海外で学び直したい」と考えて、日本の大学に在籍しながら海外進学に挑戦する大学生も増えています。
大丈夫。今の場所が合わなかったとしても、そこからもう一度、自分に合った学び方を見つけることは十分にできます。
このページでは、そんなあなたに向けて、「日本の大学から海外に進学する道」を、実例や方法と一緒にわかりやすく紹介していきます。
目次
日本の大学生が海外大学に進学する4つの代表ルート
「今の大学から海外の大学に進学したい」と考えたとき、実はその道のりにはいくつかの選択肢があります。
ここでは、日本の大学に在籍中または在籍経験のある人が海外大学に進む際の代表的な4つのルートを比較し、それぞれの特徴や向いている人、英語力の目安などを整理して紹介します。
ルート | 概要 | 向いている人 |
① ファウンデーション経由 | 大学進学前に1年程度の準備課程を履修 | 英語力や学力に不安がある人 |
② 新規出願(再入学) | 大学1年生として再出願し、出願時は高校の成績で評価 | 専攻変更やリスタート希望の人 |
③ 大学1年終了後の出願 | 日本の大学で1年履修後、大学1年生として再出願 | 高校卒業資格だけでは出願条件が不足する人 |
④ 編入(Transfer) | 日本の大学で取得した単位を活用して2・3年次に編入 | GPAが高く、学部や内容を継続する人 |
ファウンデーション経由
ファウンデーションコースとは、大学に入学する前の「準備課程」です。
英語力や学力にまだ不安がある生徒が、進学先の大学の入学要件を満たすために設けられている1年程度のプログラムです。
英語圏の多くの大学では、英語スコアや高校のカリキュラム(例:日本の高校卒業資格)だけでは入学要件に達しないケースがあり、こうした場合にファウンデーションが推奨されます。
主な実施国と特徴
国・地域 | 特徴 |
イギリス | 最も制度が整っており、大学併設型のファウンデーションが多い(例:UCL, King’s, Manchesterなど)。修了後、同大学または提携大学への進学が可能。 |
オーストラリア | 同様にファウンデーションが一般的。医療・看護・ビジネス系に進学するケースが多く、大学進学に直結する制度が整備されている。 |
オランダ | 日本の高校卒業資格だけでは学士に出願できないため、ファウンデーション経由が基本ルート。進学先の大学に付属するプログラムが主流。 |
アメリカ | 「ファウンデーション」という名称は使わず、Pathway Program(パスウェイ)が主流。ESL+大学準備のカリキュラムで構成されており、修了後に2年次編入や正規入学できる場合も。 |
修了後はどうなる?進学の流れ
ファウンデーションコースを修了すると、提携大学の学部課程(Bachelor’s degree)に進学できます。
ただし、「1年次からの入学」が基本の大学が多い中で、2年次からの進学が可能なプログラムも一部存在します。
これを活用すれば、日本の大学を辞めて留学しても、最短3年で学士号を取得することが可能です。
- アルバータ大学では、「International Year One(IYO)」というプログラムを設けており、修了後は2年次に編入扱いで進学が可能。
- 必要な成績と英語力(例:IELTS 6.0〜6.5)を満たすことで、最短3年で学位を取得できる進学ルート。
- エッセクス大学は社会科学・国際関係・データサイエンスなどの分野で評価が高いイギリスの公立大学。
- 公式のファウンデーションプログラム(International Foundation Year)を通じて、幅広い学部に2年次進学が可能と明記されています。
- 高校の成績と英語スコア(例:IELTS 5.5〜6.0)を満たせば、ファウンデーション1年+学部2年=最短3年で学位取得が可能です。
一方、すべてのファウンデーションコースが2年次からの進学を保証しているわけではありません。
進学先の大学や専攻、成績、英語力などによって条件は大きく異なります。
そのため、「2年次からの編入が可能」と明記されているプログラムを選ぶことが、学位取得までの期間を短縮するうえで重要なポイントとなります。


新規出願(再入学)
「今の大学や専攻が合わない」「完全に新しい環境で学び直したい」という場合に選ばれるのが、新規出願(再入学)のルートです。
これは、現在の大学を中退して海外大学の1年生として出願し直す方法であり、高校卒業時の成績や活動実績を軸に選考されます。
特徴とメリット
- 高校の成績や課外活動が評価対象
大学での成績や単位は評価されず、あくまで**高校時代のGPA、課外活動、志望動機(エッセイ)**などが重視されます。
- アメリカ・カナダなどホリスティック評価の国で主流
特にアメリカやカナダなど、試験だけでなく人物像を総合評価する国ではこのルートが有効。SAT/ACTが不要な大学も多いため、選択肢が広がります。
- 専攻やキャリアの方向転換に適している
たとえば、日本の経済学部に在籍していたが、海外でコンピュータサイエンスを学び直したいというような完全な方向転換にも対応できます。
日本の大学から海外大学に進学する際、現在の大学で取得した単位は原則として引き継がれないことが多く、その場合は海外大学で再び1年次からスタートし、卒業までに4年間を要する可能性が高いです。
また、新規出願や1年次終了後の再出願の場合、評価対象となる高校の成績や課外活動の実績が数年前のものになるため、説得力が弱まることがあります。
そのため、ギャップ期間中の学びや活動を明確に記録し、出願書類で積極的に補うことが重要です。


編入(Transfer)
日本の大学で取得した単位を活用して、海外大学の2年次や3年次に編入するルートです。
ただし、日本と海外ではカリキュラムや単位の互換性が異なるため、実際にはハードルの高い選択肢となります。
特徴と注意点
項目 | 内容 |
編入先 | アメリカやカナダの一部大学(4年制)で受け入れ実績あり |
単位互換 | 認定の可否は大学ごとに異なる。専攻や科目内容の一致が求められる |
編入可能時期 | 通常は2年次または3年次の入学(受入枠が少ない) |
評価基準 | GPA・エッセイ・英語スコア(TOEFL/IELTS)に加え、履修した科目内容も重視される |
応募難度 | 海外大学間(例:コミュニティカレッジ → 州立大)よりも難易度が高い |
よくある誤解と現実
海外大学への進学において、「Transfer admission(編入制度)」があるから、日本の大学からも編入できるはず──という認識は、誤解に近いケースが多く見られます。
たしかにアメリカの大学では編入制度が広く存在していますが、その多くはアメリカ国内のコミュニティカレッジや州立大学間の移動を前提としています。日本の大学からの編入は対象外であることが多く、仮に出願できても単位が認定されないことも多いです。
「途中から海外大学に移ればいい」と気軽に考えると、取得済みの単位がほとんど活かされず、結局は1年生から再スタートになるという現実に直面することになります。
実際には、「新規出願」や「ファウンデーション経由」での進学の方が成功事例が多く、現実的なルートとなっています。まずはそこから検討するのが得策です。

大学1年終了後の出願(日本で1年 → 海外大学に再入学)
ヨーロッパの一部の大学(特にオランダ・ドイツ・北欧など)では、「13年相当の教育課程修了」が入学条件とされており、日本の高校卒業生(12年課程)はそのまま出願できないことがあります。
そのため一般的にはファウンデーション(予備課程)を経由することが多いですが、日本の大学に1年間在籍して単位を取得していれば、それが“13年目”とみなされる場合があります。
この場合でも、実際には海外大学の1年次に新規出願することになるため、単位の引き継ぎによる編入ではなく、「再入学」という扱いになります。
つまり、学部課程は改めて1年生からスタートすることになりますが、ファウンデーションを経由しない分、トータルの学習年数を抑えることも可能です。
実例のある大学(オランダ)
- アムステルダム大学(UvA)
- フローニンゲン大学
- マーストリヒト大学 など






いつから準備すべき?出願スケジュールと必要期間
ルート | 入学時期の目安 | 特記事項 |
ファウンデーション | 最短で今年9月も可能 | 英語スコアがあれば短期決戦可能 |
新規出願(再入学) | 来年9月入学が基本 | GPA・エッセイ・推薦状など多くの書類 |
大学1年後の出願 | 来年9月 | 編入でなく新規扱い、準備は同様 |
編入(Transfer) | 学校により異なる | 高いハードルと制度調査が必要 |
「海外の大学に行きたい」と思ったとき、まず気になるのが「いつから動けばいいのか?」というスケジュールの話。
特に、すでに日本の大学に在籍している人にとっては、「もう遅いのでは?」という不安もあるかもしれません。
でも、今が大学1年生の前半〜中盤であれば、まだ十分に間に合います。
ただし、選ぶルートによって準備期間やタイミングは大きく異なります。
ファウンデーション経由(最短で今年9月入学もあり得る)
ファウンデーションコースを活用する場合、英語スコア(IELTS 5.0〜5.5程度)が既にある程度取れていれば、春〜初夏からの準備でも、同年9月入学が可能なケースがあります。
- 必要な書類:高校の成績証明書、志望理由書、英語スコア
- 特徴:出願締切が遅め(5月〜7月受付の大学も)
- 適している人:英語スコアがすでにある/学び直しを意識している


新規出願(再入学)・大学1年終了後の出願は来年9月が基本
「アメリカ・カナダなどへの新規出願」や、「日本の大学1年終了後にヨーロッパの大学へ出願する」場合は、来年の9月入学を見据えたスケジュールが基本になります。
- 出願のピーク:毎年10月〜翌年1月頃
- IELTS/TOEFLのスコア提出、推薦状、成績書類、エッセイなど、準備に6〜9か月は必要
- 今秋〜冬に出願完了を目指すには、すでに高い英語力と成績が求められる
つまり、今から本格的に準備を始める場合、今年中に英語スコアを取りきるのは厳しいことも。
そうなると、大学1年を終了した後、来年の9月入学を目指す流れがより現実的です。






実例紹介:日本の大学から海外進学を実現した2人のケース
「日本の大学に入ってしまったけど、やっぱり海外に行きたい」
そんな思いを抱えている人にとって、今からでも遅くないということを伝えてくれる実例を紹介します。
どちらも、日本の大学に入学後に気持ちが変わり、そこから現実的な方法で海外進学を実現したケースです。自分の状況に近い方をぜひ参考にしてみてください。
Case 1:地方国立大学 → イギリスのファウンデーション → 3年で卒業
背景:
Kさんは地方の国立大学(理系)に進学したものの、大学の授業が思っていたより座学中心で、「本当にやりたいことは、もっと実践的な研究なのでは?」と疑問を感じ始めました。
そんなとき偶然見つけたのが、イギリスの大学でのラボ主導のプロジェクトベース学習。「ここで学びたい」と思ったのが、海外進学を考え始めたきっかけでした。
当時の課題:
- TOEFL iBTは54点と、出願基準には届かず
- 編入は受け入れてくれる大学が少なく、時期的にも難しい
- でも、今の大学を辞めてしまうのは怖い…
選んだルート:
彼女は「無理に編入や新規出願を目指すより、一度立ち止まって確実なルートを選ぼう」と考え、イギリスのファウンデーション(1年)に出願。必要だったのは、高校の成績、志望理由、面接のみ。英語スコアはIELTS 5.0レベルでOKのコースでした。
在籍中の大学はすぐに退学せず、「休学扱い」にしておくことで、「もし何かあったら戻る」保険も確保していました。
結果:
その年の9月にはファウンデーションに入学し、翌年同大学の2年次(学士課程)に進学。合計3年で卒業予定。
日本の大学を辞める覚悟は簡単ではなかったけれど、「最短で、自分がやりたい分野に挑戦できる環境に飛び込めた」ことが、いまの自信につながっているそうです。
Case 2:有名私立大学 → アメリカ大学に“新規出願”で再スタート
背景:
Aさんは、日本の有名私立大学の国際系学部に進学。「英語で専門科目を学べる」と期待して入ったものの、いざ始まってみると、授業は大人数の講義中心で、双方向の議論も少ない。
「高校のときに想像していた“海外っぽい学び”とは違う」と、1年生の秋頃から違和感を抱くようになりました。
悩んだ末の選択:
「せっかく入った大学を辞めるのはもったいない」と迷いながらも、「4年間このままでいいのか?」という気持ちが拭えず、アメリカの大学に新規出願することを決意。
高校時代の成績をもとに、TOEFL iBT 96点を武器に出願。志望エッセイでは、現在の大学で感じた違和感や「なぜ自分にはアメリカの学びが合うのか」を、自分の言葉で丁寧に綴りました。
結果:
翌年の秋、東海岸のリベラルアーツ大学に1年生として再入学。「もう一度1年生からやり直すのは勇気が要ったけれど、今は心から納得できる学びができている」と語っています。
どちらのケースも、「今の大学を辞めるべきか?」「どのルートが現実的か?」と悩みながらも、自分にとって無理のない方法を選び、行動したことで道が拓けた例です。
迷っている方は、焦って決断する前に、まずは情報収集から始めてみてください。
迷っているなら、「There is no Magic!!」の並走型サポートに話してみて
「このまま今の大学にいていいのかな…」
「やっぱり海外の大学も気になるけど、もう遅いよね?」
「英語力もまだ自信ないし、自分にできるのか不安…」
そんなふうに悩んでいた大学1年生が、春から準備を始めて、その年の9月にイギリスの大学へ進学した例もあります。
There is no Magic!! の並走型出願サポートは、明確な目標がなくても、英語に不安があっても、大丈夫。
今のあなたの状況から、どんな可能性があるかを一緒に考える場所です。
✔ 「将来の方向性がまだはっきりしてない」→OK
進路や国選びも、一緒に整理していきます。
✔ 「英語力に自信がない」→大丈夫
TOEFLやIELTSの対策も含めて、現実的なスケジュールを設計します。
✔ 「今の大学を辞めるか迷っている」→焦らなくてOK
在籍をキープしたまま動き出すことも可能です。
✔ 「一人で考えるのがつらい」→あなたのチームがつきます
現役の海外大学生や経験豊富な社会人が複数でサポート。
進路に迷いがあっても、大丈夫。
「なんとなく違和感がある」「今の道でいいのか少し不安」――そんな気持ちのままでも構いません。
無理にすぐ答えを出さなくても、誰かと話すことで少しずつ見えてくるものがあります。
まずは気軽に話してみませんか? 今のうちに動き始めておくことで、あとから選べる道が広がるかもしれません。

終わりに:いまの選択が、これからの進路を変えるかもしれない
すでに大学に入っていると、「いまさら海外大学なんて無理かな…」と感じるかもしれません。
でも実際には、「大学に入ってから気づいた」からこそ、本当に自分に合った進路に出会える人もいます。
- 英語力がまだ足りなくても、ファウンデーションコースという道がある
- 今の大学をすぐに辞めずに、休学という選択肢を残すこともできる
- 単位が引き継げなくても、新しいスタートが人生を前向きに変えることもある
大事なのは、「こうすべきだった」と後悔することではなく、いまの自分の気持ちに正直になること。
そして、その気持ちをもとに情報を集め、少しずつ行動していけば、あなたに合った道がきっと見つかります。
進路の軌道修正は、恥ずかしいことではありません。むしろ、本気で将来を考えたからこそできる勇気ある選択です。
少しでも「海外大学、やっぱり挑戦してみたい」と思ったなら、まずは動き出してみてください。小さな一歩が、大きな未来につながります。



