




「海外の大学に行ってみたい」
──そんな思いが芽生えたとき、ワクワクする反面、どうやって進めばいいのか分からず、不安になることもあるかもしれません。
英語のこと、お金のこと、出願の方法、そして何より、家族になんて伝えたらいいか。
周りに同じ道を目指している人が少ないと、余計に一歩が重く感じられるものです。
でも、今の時代、海外進学は特別な人だけのものではありません。
実は、海外の大学に進むための「ルート」は複数あり、英語に自信がなくても、出願がギリギリでも、自分に合った方法でチャレンジすることができます。
このガイドでは、
- どんなルートで海外大学に行けるのか?
- 高1〜高3、それぞれの時期に何をすべきか?
- お金・英語・親との話し方など、実際の壁と向き合った先輩たちの声
──といった、進学までの道のりを丁寧に整理しています。
迷っている段階でも大丈夫。大切なのは、「今できることから始めてみる」ことです。
この記事が、あなたとご家族の最初の一歩を支える地図になりますように。
目次
高校生が海外の大学に行く4つのルートとは?
「海外の大学って、どうやって行くの?」
実はその方法は1つではありません。
英語力、準備を始めた時期、家族との話し合い――それぞれの状況に合ったルートがあります。
ここでは、海外進学を目指す高校生にとって代表的な4つの進学ルートを紹介します。
正規出願(学部に直接出願)
高校を卒業して、海外の大学の学部に直接出願するもっともオーソドックスなルートです。
書類審査が基本で、TOEFLやSATのスコアに加えて、成績、エッセイ、課外活動、推薦状などが評価されます。
このルートの魅力は、自分の想いや努力をトータルで見てもらえること。日本の一発勝負の入試とは異なり、過去の積み重ねや将来への意欲が評価の対象になります。
一方で、出願までに時間と準備が必要なため、高1〜高2のうちから動き始めるのが理想です。出願先によっては、秋〜冬に締切が来ることもあるため注意が必要です。
こんな人に向いているかも:
- 高1・高2のうちから留学を考えていた
- 英語の勉強やテスト対策をちゃんと積んできた
- 難関大学やトップ校を目指したいという気持ちがある


パスウェイ・ファウンデーションプログラム
英語力や学力がまだ足りていなくても、大学進学に向けた準備期間を経て入学できるのがこのルート。
大学付属のプログラムで1年ほど学び、一定の成績を収めると、そのまま学部課程に進級できます。授業は大学のキャンパス内で行われることが多く、サポートも手厚いのが特長です。
「いきなり大学の授業に入るのは不安…」「準備が間に合わなかったけど諦めたくない」という人にとっては、今からでも間に合う、現実的で安心なルートです。
出願時期が柔軟で、英語力のハードルも比較的低く、TOEFL50〜60点台でも受け入れてくれる学校が多くあります。
こんな人に向いているかも:
- 高3や卒業後に海外進学を考え始めた
- 英語力やテストのスコアがまだ不安
- いきなり大学の授業に入るのがちょっと怖い


コミュニティカレッジ → 編入(主にアメリカ)
まずはアメリカの2年制公立大学(コミュニティカレッジ)に入り、そこでの成績と英語力をもとに4年制大学へ編入するルートです。
「まずは費用を抑えて海外に行きたい」「学びながら将来を考えたい」という人に選ばれています。
ただしこのルートは、「最初は安くても、編入後の学費が高くなる」点に注意が必要です。
また、どの大学に編入できるかは在学中の成績や条件次第なので、先が読みにくい面もあります。
そのため、学費をしっかり払える家庭向けのルートである点も理解しておくことが大切です。
こんな人に向いているかも:
- いきなり有名大学に出願するのは不安
- まずは海外の環境に慣れながら、あとで進学先を決めたい



日本の大学と海外大学を併願するルート
「海外も気になるけど、日本の大学も選択肢に残しておきたい」
そんな人にとって現実的なのが、国内大学との併願ルートです。
出願時期をうまくずらすことで、共通テストや推薦と並行して海外大の出願も可能。
「奨学金が取れたら海外に行く、難しければ日本の大学に進む」という戦略をとる人も多くいます。
さらに、学費の安いヨーロッパ(ドイツやオランダなど)の大学を“保険”として組み込むケースもあります。
このルートの強みは、「どちらかを捨てる」のではなく、進路の選択肢を最大限に広げながら、本当に自分に合った進学先を選べること。
家族と相談しながら、現実と希望を両立させるアプローチです。
こんな人に向いているかも:
- まだ迷っていて、国内も海外もどちらも気になる
- 家族と相談して「まずは両方受けてみよう」という話になっている
- 奨学金がもらえたら海外に行きたいと思っている


今どんなタイミング?進路準備は「今から」で決まる
「海外の大学に行ってみたい。」
「でも今からじゃもう遅い?」
「どこから何を始めたらいいかわからない。」
そう感じているあなたへ。大丈夫です。
海外進学には、どのタイミングで気づいたとしても、今からできることがあります。
ここでは、高校生の「今」の状況に応じた準備の進め方を、時期別にご紹介します。
まずは、あなたが今どのタイミングにいるかを選んでみてください。
【高1・高2の人向け】これからじっくり準備できるあなたへ
この時期の強みは、なんといっても「時間」。
進路がまだ決まっていなくても、「海外大学に行けたらいいな」という気持ちがあるなら、今のうちから少しずつ土台をつくっておくことで、後から慌てることなく選択肢を広げていくことができます。
最も大切なのは、学業(GPA)をしっかりキープしつつ、自分の関心や将来像を探ること。
TOEFLなどの英語試験対策や、課外活動・リーダーシップ経験の積み重ねは、実際の出願に直結する要素になります。
また、正規出願で奨学金を狙いたい場合には、この時期からの準備が特に重要です。難関大学やリーダーシップ奨学金などを視野に入れるなら、高1・高2が勝負の分かれ目になります。
この時期にやっておきたいこと
項目 | 内容 |
自己分析 | 将来やりたいこと・学びたいことを言語化していく(モヤモヤでもOK) |
英語の土台づくり | TOEFL・IELTSの勉強スタート(目標スコアまで1〜2年) |
夏の体験 | 短期留学・オンラインの海外講座で「海外の学び」に触れる |
大学調べ | 専攻/入試方式/奨学金/卒業後の進路などの情報収集 |


【高3春〜夏に気づいた人向け】まだ出願に間に合う可能性あり
高3になってから「やっぱり海外も選択肢に入れたい」と思った人も、まだ間に合う可能性はあります。
ただし、時間が限られている分、戦略的な絞り込みと集中投資がカギになります。
特にTOEFLやSATなどの試験対策は、初受験でハイスコアを取るのは難しいため、「試験ありの大学」「試験不要の大学」「条件付き入学(パスウェイ)」など、出願ルートに応じた現実的な見極めが必要です。
国内大学との併願も並行しつつ、「志望理由」や「将来像」が伝わるようなエッセイを準備すれば、納得感のある進路選択が可能になります。
この時期にできることと戦略
タスク | ポイント |
英語・SAT対策 | 短期集中が必要/初挑戦はリスクあり |
エッセイ/推薦状 | 早めの着手必須/内容よりタイミングが重要 |
出願校の絞り込み | 無理に難関大を狙わず、Test-optionalや締切が遅い大学を優先 |
リカバリープラン | 国内大学との併願で安心感を確保 |
- 条件付き入学(Pathway/Foundation)制度がある大学
- 締切が1〜4月に設定されている海外大学
- 日本の総合型選抜・推薦入試との併用
【高3秋以降に知った人向け】今からでも間に合う進学ルートとは?
「海外の大学に行きたい」と思ったのが高3の秋以降。出願準備の時間が足りない…と感じている人も、まだ諦める必要はありません。
この時期からの進学は、“正規出願で一発勝負”ではなく、ステップを踏んで進学するルートを検討することが現実的です。
実際、多くの海外大学では「入学前に英語や基礎学力を整える準備コース」が用意されており、英語力がまだ足りていない人でも受け入れの門戸が開かれています。
また、出願時期も日本より長く、翌年の春(1〜5月)まで受付している大学も多いため、今からでもしっかり進路を作ることが可能です。
「学力や英語力はまだ不安だけど、海外の学びに挑戦してみたい」
——そんな人にとって、土台をつくりながら進めるルートは、大きなチャンスになり得ます。
今からでも間に合う3つのルート
ルート名 | 内容 | メリット |
パスウェイプログラム | 英語+1年次の一部を履修。一定条件で学部進級 | 英語に不安があってもOK。出願時期も柔軟 |
ファウンデーションコース | 大学1年の前に、基礎学力と英語を準備する1年 | 英語・成績を整えてから本進学へ。奨学金チャンスも |
コミュニティカレッジ → 編入 | 2年間の短大→大学3年次に編入 | 学費を抑えられ、編入先の選択肢が豊富(UC系など) |






奨学金と併願戦略から学費負担や進路をデザインしよう
「うちは経済的に難しいかも」
「結局はお金のある人が行くんでしょ?」
そう思うのは自然なことです。
でも実際には、奨学金や併願戦略を活用して、理想と現実のバランスをとりながら進学している高校生がたくさんいます。
本気で目指す人こそ、「現実」をきちんと見つめた上で、自分にできる方法を探し、前に進んでいます。
基本戦略|奨学金 × 併願 × 家庭との話し合い
海外進学を考えるなら、まずこの3つをセットで考えてみてください。
観点 | 内容 |
大学からの奨学金 | 成績・エッセイ・課外活動などをもとに支給される給付型。アメリカの私立大では全額支給(フルライド)のチャンスも |
日本や民間の奨学金 | JASSOや財団など、出願時に申請可能な給付型 |
家庭の負担可能額 | 年間でどの程度までなら出せそうか、保護者と共有。「いくらまでなら出せるか」を具体的にしておくと、大学の選び方がぶれにくくなります。 |
リスクヘッジ型の併願戦略|「奨学金が取れなかった場合」も見据えて
海外大学を志望するとき、「取れたら行く、取れなかったら日本」というプランBの存在はとても重要です。
- アメリカの私立大学(奨学金狙い)+
- 学費が安い欧州の大学(オランダ・フィンランドなど)+
- 日本の国公立や私立(共通テスト利用)
このように出願先を組み合わせておけば、選択肢を最大限に残しながら、最終判断を奨学金や合格結果を見て決めることができます。
最近では、英語圏以外でも、国際プログラムが整ってきており、「学費を抑えながら英語で学ぶ」ことが可能。
親御さんにとっても、リスクを抑えた設計は安心材料になります。
コミュカレ・パスウェイは「費用を払える人」向けの選択肢
「コミカレ=安い」は半分本当で、半分誤解です。
ルート | 現実的な注意点 |
コミュニティカレッジ | 1〜2年目の学費は安め(年80〜150万円)だが、編入先の大学では州外扱いで学費が跳ね上がる/進学先が読めず、将来の費用が確定しにくい |
パスウェイプログラム | 英語+学部授業で、現地大学にスムーズに入れるが、年間300〜400万円以上かかることが多く、寮費・サポート費用も高額 |
つまり、どちらも最終的には800〜1000万円以上かかることが多く、「費用の全体像が見えていて、ある程度出せる家庭」でないとリスクが高くなります。
家庭の予算に合わせて選ぶべきであり、「安いからおすすめ」という単純な話ではありません。
親にどう伝える?海外大学進学のリアル
「海外の大学に行きたい」って、どう切り出せばいい?
なんて言えばいいんだろう。
「いきなり何言ってるの?」って思われないかな。
費用のこともあるし、真剣に考えてるって伝わるだろうか……。
海外の大学に興味を持ったとき、多くの高校生が最初にぶつかる壁は、「親にどう伝えるか」という問題です。
でも、これはあなただけではありません。実際に海外に進学した多くの先輩たちも、最初はうまく言えなかったと話しています。
そして、ここを超えてきた人たちには、ある共通点があります。
それは――「自分の言葉で、想いを伝えようとしたこと」です。
Case 1|反対されると思って言い出せなかったけど…
「日本の大学に行くつもりって言ってたのに、突然海外?」
って言われるのが怖くて、ずっと黙ってました。
でも、思い切って「どうしても海外で学びたい理由」を話したら、
「そんなふうに思ってたんだね」って。
最初は驚かれたけど、ちゃんと聞いてくれました。
ポイント:
最初から完璧に説明しようとしなくて大丈夫。
「本気で考えてる」気持ちが、ちゃんと伝われば、親の反応も変わってきます。
Case 2|一番不安だったのは、やっぱりお金の話
「海外ってお金がかかるでしょ?」って、やっぱり最初に言われました。
でも、「コミカレ→編入ならトータルで抑えられる」とか、
「給付型の奨学金もあるんだよ」って、
ネットや説明会で一緒に調べていったら、
「思ったより現実的かもね」って。
それからは家族で、どうすれば行けるかの作戦会議になりました。
ポイント:
「費用の話」は、ただ不安をぶつけ合うのではなく、一緒に調べて、考えて、選択肢を共有することが何より大切です。
数字とともに、「自分も頑張る」姿勢が伝わると、空気が変わります。
Case 3|親と一緒に説明会に出たら、空気が変わった
最初は「英語ムリでしょ」「治安とか心配だし」って空気でした。
でも、現地サポートのある大学や、実際に進学した先輩の話を
親と一緒に説明会で聞いてみたら、
「ちゃんと準備してる人もいるんだね」
って、少しずつ信じてくれるようになって。
最後には、
「じゃあ一回、相談してみようか」って。
一緒に考える“味方”になってくれました。
ポイント:
学校やサポート団体、経験者などの第三者の声を一緒に聞くことで、親の心にも「知らなかっただけ」という壁があることが見えてきます。
そこから、“一人で説得する”のではなく“一緒に理解する”関係に変わっていきます。
子どもは、自分なりに真剣に考えて、悩んで、でも「うまく言葉にできない」こともあります。
親御さんも、最初は驚いたり不安になったとしても、本気の気持ちを感じたとき、心が動きます。
海外進学は、親と子が初めて“本音で未来を話す”機会にもなります。
だからこそ、緊張するし、勇気がいるのも当然。
でも、そこに向き合った先に、「一緒に進路を考える」というあたたかな時間が生まれます。
最初の一歩は、「完璧に説明しよう」じゃなくて「聞いてほしい」
「ちょっと話したいことがある」
「今、気になってることがあるんだ」
そんな言葉からで、十分です。
まずは伝えてみてください。
きっとそこから、道は少しずつ、開いていきます。
最後に|海外大進学は、大きく成長するチャンス
海外進学は、単に「合格できるか」「うまくいくか」という話ではありません。
本当の価値は、その準備を通して、自分と向き合い、家族と話し、将来を考えた“時間そのもの”にあります。
- エッセイに取り組みながら、「自分は何を学びたいのか」「どんな人生を歩みたいのか」を深く考える
- 親と初めて、将来やお金のことを本音で話す
- 不安や迷いを抱えながらも、自分の意思で選び、動いてみる
その一つひとつが、たとえ海外大に進学しなかったとしても、人生の大きな糧になるはずです。
私たち「There is no Magic!!」は、そうした成長のプロセスに並走する出願サポートを行っています。
「まだ何も決まっていない」「英語に自信がない」「情報をどこから集めたらいいかわからない」
——そんな状態からでも、メンターと一緒に、あなたの歩幅で進める設計です。
自分らしい進路を見つけたい。海外進学を、選べる選択肢のひとつにしたい。
そう思ったら、まずは一歩、相談してみてください。
進路を考えることは、とてもパーソナルで、孤独になりがちな道のり。
でも、その道を一緒に歩む人がいることで、少しだけ前に進めることがあります。
あなたの挑戦に、静かに寄り添える存在でありたいと、私たちは本気で思っています。



