





イギリスの大学進学を考え始めると、避けて通れないのが「ファウンデーション」という選択肢です。
- イギリスの大学には行きたい、でも、直接学部に入るのは現実的ではなさそう
- ファウンデーションが必要だと聞くけれど、できれば遠回りはしたくない、1年余計にかかるなら、他の国の方がいいのでは?
そんな気持ちを抱えている方は、決して少なくありません。
日本の進路には存在しない制度だからこそ、ファウンデーションは分かりにくく、不安に映りやすいのだと思います。
ただ、イギリスにおいてファウンデーションは、例外的な救済策ではありません。
海外生が名門大学へ進むために、最初から制度として組み込まれている正規ルートです。
この記事では、「なぜイギリスなのか」「なぜファウンデーションなのか」を、制度の仕組みだけでなく、時間・費用・進学難易度・将来設計という現実的な視点から整理していきます。
目次
なぜ「イギリスのファウンデーション」なのか? 3つの戦略的メリット

なぜ多くのアジア人留学生がイギリスのファウンデーションコースを選ぶのか、その決定的な3つの理由を解説します。
英語力や成績が直接進学の要件に未達でも「計4年」で卒業可能
アメリカやカナダの大学は通常4年制で、英語力が足りない場合は語学講習が追加されるため、卒業までに5年以上かかることが珍しくありません。
対してイギリス(イングランド・ウェールズ)の大学学部課程は、一般教養課程がなく専門科目を集中的に学ぶため、基本的に「3年制」です 。
そのため、「ファウンデーションコース(1年)」+「学部(3年)」を合わせても、トータルの在籍期間は計4年で済みます 。結果的に、日本の大学に通う同級生と同じ「4年間」で卒業できます。
「1年遅れる」どころか、日本の友人と同じタイミングで就職活動(新卒採用)に臨むことができ 、学費や滞在費も余分な1年分を支払わずに済むため、経済的なコストパフォーマンスも非常に高いのが特徴です。
名門「ラッセルグループ」への正規入学ルート
イギリスには「ラッセルグループ(The Russell Group)」と呼ばれる、24の研究型トップ大学群が存在します。
マンチェスター大学、ブリストル大学、エディンバラ大学などが名を連ね、米国のアイビーリーグや日本の旧帝大に匹敵するブランド力と就職力を持っています。
ファウンデーションコースは、このラッセルグループへの「正規の入学ルート」として機能しています。 特筆すべきは、「過去の成績のリセット」です 。
もしあなたが日本の高校での評定平均(GPA)に自信がなくても、ファウンデーションコースに入学さえできれば、そこでの成績次第でこれらのトップ大学への進学が可能になります。
日本の偏差値システムでは手の届かなかった大学へ、現地での努力で再挑戦できる「敗者復活」の仕組みが、どの国よりも明確に制度化されています 。
学部(専攻)選びの「猶予期間」がある
イギリスの大学出願(UCAS)は、原則として入学前に細かな専攻(学部・学科)を確定させる必要があります。
しかし、高校生のうちに「経済学と経営学、どっちが自分に合うか?」を正確に判断するのは困難です。
ファウンデーションコースでは、この決断を先送りにできます。
入学時は「ビジネス系」「理系」「人文社会系」といった大きな枠組み(ストリーム)でスタートします。そして、コースの中で実際に基礎科目を学びながら、自分の適性を見極めることができます。
ミスマッチの回避:
「マーケティング(Marketing)が面白そうだと思っていたけれど、実際に授業を受けたら組織行動論(Management)の方が興味深かった」
「数学が得意だと思っていたけれど、経済学(Economics)の数式は合わなかった」
このように、実際に授業を受けてから最終的な進学先学部(専攻)を決定できるため、「思っていたのと違った」という入学後のミスマッチを未然に防ぐことができるのです。


【イギリスのファウンデーションコースの選び方】大学直営か、提携カレッジか

一口にファウンデーションコースと言っても、運営母体によって大きくタイプが分かれます。
「キャンパス内にあるから同じだろう」と思って選ぶと、進学の難易度やサポート体制でミスマッチが起きるため、それぞれの特徴とリスクを理解して選ぶ必要があります 。
大学直営・オンキャンパス型(University Managed)
その大学が直接運営し、講義も大学の教授や講師が担当するタイプです 。
- 特徴: 大学の正規学部生と同じ学生証が発行され、図書館やジムなどの施設利用はもちろん、サークル活動などにも制限なく参加できます 。
- 代表例:
- SOAS(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院): 開発学や国際関係学で世界トップクラス。
- UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン): 世界ランキングトップ10常連の超名門。
- St Andrews(セント・アンドリュース大学): 英国王室も通う伝統校。
- メリット: 「自分はこの大学の一員だ」という強い帰属意識を持てます。また、授業のアカデミックレベルが高く、学部入学後の予行演習として最適です。
【ここに注意】 進学のハードルは高い
「直営に入ればエスカレーター式に学部へ上がれる」と誤解されがちですが、現実はシビアです。
特にUCLやSOASのような名門校では、学部への進学要件(Progression)として、コースの最終成績で「平均70%以上」といった高いスコアを求められることが一般的です。
基準に1%でも届かなければ容赦なく不合格となり、自力で他大学を探さなければなりません。「厳しい環境で揉まれたい」という自律した学生向けの環境です 。


提携プロバイダー型(Embedded College)
大学のキャンパス内に校舎を持ちつつ、実際の運営は民間の教育機関が行うタイプです 。
マンチェスター大学やシェフィールド大学など、多くのラッセルグループ校がこの形態を採用しています。
There is no Magic!!はこれらのプロバイダーと連携して提携大学への出願を実質無料でサポートしています。
- 特徴: 大学敷地内にありますが、ファウンデーションコースの学生は専用の校舎で、留学生への指導に特化したスタッフから学びます。
- There is no Magic!!の提携大学(イギリス)一覧

提携プロバイダー型のメリット
- メリット1:「進学保証(Pathway)」の明確さ
- 「出席率90%以上、成績60%以上」など、最初から進学条件が明確に提示されています 。この基準さえクリアすれば、ライバルとの競争に関係なく、提携大学への進学が100%確約されます。
- メリット2:最強の「保険」機能
- ここが大学直営型との決定的な違いです。もし第一志望の大学(例:マンチェスター大学)の基準に成績が届かなかった場合でも、プロバイダーが提携している「第2、第3の大学」への出願をその場で手配してくれます。 「成績が足りなくて、進学先がゼロになってしまった」という最悪の事態を回避できるため、精神的に余裕を持って勉強に取り組めます。
- メリット3:手厚いケア
- 勉強のサポートだけでなく、ビザの更新手続きや銀行口座の開設、病気の際の病院手配など、生活面でのサポートも非常に充実しています 。初めての海外生活に不安がある方にとっては、頼れる「担任の先生」がいるような安心感があります 。
汎用型(Open Foundation)
特定の大学と直結(提携)しておらず、コース修了後に自分の成績を持って、複数の大学へ出願するタイプです。
- 特徴: 「この大学に入るためのコース」という縛りがありません。コース期間中に成績を上げ、当初の想定よりもランクの高い大学へチャレンジすることも可能です。
- メリット: 「行きたい大学がまだ一つに絞れていない」「まずは渡航して、実力をつけてから志望校を決めたい」という野心的な・自由度を求める方に向いています。
- デメリット:進学先が自動的に保証されていないため、最終的な進学可否は成績と出願戦略次第になります。出願校の選定、要件確認、書類準備などを自分(またはサポートスタッフ)で進める必要があり、計画性や情報収集力が欠かせません。また、成績が想定ほど伸びなかった場合、希望していた大学に出願できないリスクもあります。


ファウンデーションコースの費用とエリアの現実(ロンドン vs 地方都市)

イギリス大学の留学費用を左右するのは、大学に支払う「学費」以上に、毎月消えていく「家賃(生活費)」です 。
エリア選びを間違えると、同じようなランクの大学に通っていても、年間で100万円単位の差が生まれるのがイギリスの現実です 。
学費よりも「家賃」で総額が決まる
まず、固定費である学費(Tuition Fee)の相場を見てみましょう。
文系と理系で差はありますが、ここはイギリス全土で大きな開きはありません。
- 文系コース: £18,000〜(約340万円〜)
- 理系コース: £22,000〜(約420万円〜) ※1ポンド=190円換算。為替レートにより数十万円変動します 。
【重要】決定的な差を生む「エリア別・家賃相場」
問題は生活費です。特にロンドンと地方都市では、同じ金額を出しても住める環境が天と地ほど異なります 。
ロンドン(首都):
家賃高騰が著しく、「シェアハウス(キッチン・バス共用)」でも月£1,000〜£1,500(約19〜28万円)は覚悟が必要です。
スーパーでの買い物や交通費を含めると、生活費だけで年間300万円を超えるケースも珍しくありません。
地方都市:
ここが狙い目です。月£600〜£800(約11〜15万円)も出せば、大学近くの清潔な「学生寮の個室(En-suite / シャワー・トイレ付き)」に住むことができます。
生活費全体も年間180〜220万円程度に収まり、精神的にも経済的にも余裕のある生活が送れます 。
コストパフォーマンスで選ぶなら「地方の名門」
もしあなたが「ロンドンという街そのもの」に強いこだわりがないのであれば、「地方にあるラッセルグループ」を選ぶのが、コストパフォーマンスの良い戦略です。
これらの大学は、世界ランキングで上位に位置しながら、生活コストはロンドンの6〜7割程度で済みます。
「教育の質」は妥協せず、「生活コスト」だけを賢く下げる。これがイギリス留学の成功の秘訣です。
ファウンデーション出願前に知っておくべき「3つの落とし穴」

「留学エージェントに勧められるまま出願して、後でトラブルになった」
そんな事態を防ぐために、イギリス留学ならではの「3つの落とし穴」を事前に知っておく必要があります。
「IELTS for UKVI」を受験
最も初歩的かつ致命的なミスがこれです。
IELTSには数種類の試験がありますが、イギリスのファウンデーションコースへ行くためのビザ申請には、「IELTS for UKVI」という指定の試験スコアが必須です 。
- 警告: 通常の「IELTS Academic」を受験して目標スコアを取っても、ビザ申請には使えません。時間と受験料(約3万円)が無駄になります。
- 対策: 試験内容は通常のものと同じですが、不正防止のためのセキュリティ体制(カメラ録画など)が異なります。申し込みの際は、会場が「UKVI認可センター」であること、試験名に「for UKVI」と付いていることを必ず確認してください。
高校の成績(GPA)の「足切り」ライン
「ファウンデーションコース=誰でも入れる予備校」ではありません。
大学の正規課程の一部であるため、高校の成績(評定平均)による明確な「足切り」があります 。
- トップ校(マンチェスター、ブリストル等): 評定平均 0〜4.5以上(5段階評価)が求められるケースが多いです 。
- 中堅校: 評定平均 0〜3.5程度が標準ラインです 。
もし成績が足りなかったら?
諦める必要はありません。
「伸長コース(Extended Foundation)」を選べば、少し低い成績でも受け入れてもらえる場合があります。
また、より柔軟な入学基準を持つカレッジ経由で大学編入を目指すルートも存在します。
「進学率(Progression)」の真実
「コースに入学できた=大学への進学決定」ではありません。
ファウンデーションコースには、大学の学部へ上がるための「進学要件(Progression Requirements)」というハードルが設定されています。
ただコースを修了(Pass)するだけでは不十分です。「出席率90%以上かつ、最終成績60〜70%以上」といった具体的な条件をクリアしなければなりません。
特に人気の高いビジネス学部やコンピュータサイエンス学部は、この基準が高く設定されており、クラスメイトとの競争ではなく「自分自身のスコア」との戦いになります。
対策:
パンフレットにある「進学率○○%」という数字だけを鵜呑みにせず、「自分の志望する学部の進学要件(スコア)は具体的に何%なのか?」を出願前に必ず確認してください。
イギリス大学進学の「選択肢」を、一緒に整理しませんか?




ファウンデーションコースは、イギリス大学進学における重要な入り口です。
同時に、選び方を間違えると「行けるはずだった大学に行けなくなる」リスクもあるのが、この制度の難しいところでもあります。
- 今の成績や英語力で、現実的に狙える大学はどこか
- 予算内で無理なく通える都市・コースはどれか
- IELTSが未達でも、どんなルートなら間に合うのか
こうした点は、情報を集めるだけではなかなか判断がつきません。
There is no Magic!!は、イギリス・アメリカ・カナダなどを中心に、計48校の海外大学と正規提携を結んでいます 。
例えば、イギリスの名門マンチェスター大学(The University of Manchester)やエクセター大学(University of Exeter)、ニューカッスル大学(Newcastle University)といった世界ランキング上位校とも連携しており、信頼できる進学ルートを提案可能です 。
これらの提携校への出願であれば、出願サポート費用は実質無料で利用いただけます。
ファウンデーションコースは、その後の進学先や進路に影響するため、 「今行ける学校」だけで判断しないことが重要です。
志望校が未定の場合や、英語力に不安がある場合でも、 現在の条件を踏まえて、選択肢を整理するところから検討できます。
漠然とした相談でも構いません。まずはあなたの「現在地」と「可能性」を確認してみませんか?

終わりに
イギリスのファウンデーションは、成績が足りない人の“救済策”ではありません。
むしろ、いきなり勝負に出るリスクを下げ、合格後・入学後まで見据えて進学したい人のための制度です。
- 同世代と同じ4年で卒業できる
- 名門大学への正規ルートが制度として用意されている
- 専攻を決めきれないままでも、現地で見極める時間がある
これらはすべて、「失敗しにくい設計」と言い換えることができます。
一方で、全員に向いているわけではありません。
すでにA-levelやIBなどの国際資格を持っている人、英語力・成績ともに十分で直接入学できる人にとっては、別の選択肢の方が合理的な場合もあります。
大切なのは、「ファウンデーションが良いか悪いか」ではなく、今の自分(またはお子さん)の位置と、目指す大学との距離をどう埋めるかです。
この記事が、イギリス進学という選択肢を、現実的に判断するための整理材料になっていれば幸いです。











