




資格試験の中では珍しく、TOEICには「合格・不合格」がありません。
また、級などのレベル分けもなく、受験者が全員同じテストを解き、結果は10点~990点の点数で通知されます。
そのため、受験者自身が自分の英語力と目標を定める必要があります。また、TOEICの参考書やスクールの多くは点数別に分かれています。このようにTOEICではスコアが大きな意味を持ちます。
今回はこのTOEICのスコアについて、一般的によく使われる100点区切りでそれぞれのボリュームや就職力などの特徴、上を目指すためにどういった勉強をした方が良いかについてまとめました。
著者について:あきこ
妊娠・出産を経て35歳から一念発起して英語を学び直し。TOEIC710点からスタートしましたが、留学なし・完全独学で2022年に925点獲得しました。現在翻訳家として修業中。
目次
TOEICスコア別のレベル
500点台

順位
TOEIC500点台の人は、全受験者の中で下位30%~50%程度に位置します。中の下~中の中程度のレベルと言えるでしょう。
偏差値
43~49
※ETS「2022年3月20日午前の平均スコア・スコア分布」より算出
(2021年9月~2022年8月までの平均スコア・スコア分布の中で受験者数が平均に最も近く、平均スコアも他の回と比べ高すぎず低すぎもしないため選出)
ボリューム
全受験生の中で20%程度を占めるボリュームゾーンです。
英語力
英検では準2級~2級。高校中級~高校卒業レベル程度。
CEFRA2~B1で、「基礎的な英語を話すことができる~中級的な英語を話すことができる」とされるレベル。
語彙レベル
基礎的な単語も含めて4000~4500語。
就職力
今後の伸びに期待。
英語力を生かした就職はまだ難しいが、就職サイトを調べると、理系の専門職(特に製造業)であれば入社時の最低基準をTOEIC500点以上としているところもあります。
しかし、多くは派遣契約だったりお給料も低めに設定されていたりすることが多いです。社会人なら英語力だけではなく専門スキルを磨く方が給与アップにつながるかも。
今後も勉強してスコアを上げようとする姿勢などを示せると〇


600点台

順位
TOEIC600点台の人は全受験者で上から55%~35%程度、中の中~中の上レベルに位置します。TOEICの全受験者平均点が大体590~620点です。
偏差値
49~55
ボリューム
全体の20%程度でここもボリュームゾーン
英語力
英検では2級~準1級程度。高校上級~大学中級CEFRではB1で中級レベル。なじみのある話題ならシンプルな会話ができる程度。
語彙レベル
5000語レベル。
就職力
中級レベルということで英語力を売りにするのはまだ難しい。
しかし、一般にCAやホテルの仕事ではTOEIC600点を応募の足切りラインとしていることが多いため、そういった職業に就きたい人は600点を1つの目標とすると良いでしょう。
そのほかの企業では500点と比較して就職力はほぼ変わらないようです。理系の専門職か派遣の仕事であれば選択肢はあります。
これから英語を勉強する姿勢を見せること、英語以外の専門性を磨くことがお給料アップや英語を生かした就職につながるでしょう。
700点台

順位
TOEIC700点台の人は上位35%~25%程度に位置し、上の下~上の中レベルということができます。
偏差値
55~61
ボリューム
全体の15%程度。円グラフで描いてみると、世間一般で言われるより上位だな~と感じます。自信を持って!
英語力
英検では準1級レベルで、大学中級程度と言われる。
CEFR B1~B2中級~中上級レベルなじみのある話題や個人間・社会・学問・職業の話題も理解できる場合がある。
語彙レベル
7500語レベル
就職力
ある程度以上の規模を持つ企業で英語を使う業務の求人が出てくるレベルです。また、大企業の昇進要件や採用試験の足切りラインになることも多いようです。
一般的に「ビジネスレベルの英語力がある」とみなされる入り口に立ったというところ。
英語を生かした仕事に就きたい場合に700点(730点)を取っているとぐっと選択肢が広くなってきます。
しかしTOEICスコアとは別に英語によるコミュニケーション力を求める企業も多く、業務で英語を使う仕事ほどその傾向は強まります。
行きたい企業や部署に合わせて、さらなる高スコアを目指してTOEICの勉強をするか、実際に仕事に就いた後を見据えて、スピーキングライティングの勉強をするかを考えると良いかと思います。


800点台

順位
上位15%~5%程度に位置し、上の中~上の上と言えるでしょう。
偏差値
61~67
ボリューム
10%
英語力
英検では準1級~1級程度の難易度で、大学中級~上級レベル。CEFRB2中上級レベル。
個人間・社会・学問・職業の話題も標準語なら理解できる、と言われます。
語彙レベル
8500語レベル
就職力
十分にビジネスで英語が使えるレベルと一般的にみなされるレベルです。
800点、特に860点以上のスコアがあれば、英語を使用する仕事にスコアが低いという理由で落とされることはほぼないでしょう。
ただ、受験英語の延長でリスニング&リーディングが得意ということだと、就職してからミスマッチが起こることもあるのでライティング、スピーキングの訓練は必要になります。
また、一部の外資企業や通訳、翻訳、英語講師などはTOEIC900点以上を求められることもあります。




900点台

順位
上位5%程度、上の上。
偏差値
67~73
ボリューム
全体の5%くらい。
帰国子女や留学経験者も増えてくるので、いわゆる純ジャパ、留学なしや独学でここを目指している人は本当に…頑張ってるね/頑張ったね…と勝手に共感してしまいます。えらい!
英語力
英検では1級程度で、大学上級レベル。
就職力
TOEICのスコアが低いという理由で書類選考落ちすることはほぼない。一部の外資企業、通訳、翻訳、英語講師など高度な英語力が求められる仕事にも応募できる。
ただ、そういった仕事で求められるのはTOEICで問われる英語力と違う場合が多いので、その職業に合わせた英語の勉強が必要となります。
私は今翻訳の仕事をしているので翻訳について具体的に言うと、高度な文法問題の把握とその分野の専門知識、そして日本語力が必要とされます。
翻訳の仕事をしてからは専門分野の勉強と日本語の勉強ばかりしている感じです。




TOEICスコア別の勉強のポイントと参考書
600点目標
600点を目指すにはまずは語彙を増やしましょう。特にTOEICで頻出の語彙の内、基礎的な単語を優先して覚えましょう。
また、高校英語レベルの文法を復習するとリスニング・リーディングどちらにも応用できる文法の知識が付きます。
まずは語彙と文法といった基礎的な英語力を磨き、本番近くなったらTOEICの模試などを解き、問題構成を把握したり本番の練習をしましょう。
- 語彙強化
TOEICに特化した単語帳や熟語帳。基礎レベルの単語をまずは完璧に。
- 高校の文法をおさらい
文法を忘れてしまっている人は高校英語の文法をおさらいしましょう。まずは基礎からでOKです。
- TOEICの基本の問題構成の確認
TOEICを初めて受ける人、TOEICに向けて特別な勉強をしていない人も多いかと思います。まずなんとなくTOEICの問題の構成を学びましょう。
- おすすめの参考書:はじめてのシリーズ
補改訂版 はじめてのTOEIC® L&Rテスト 全パート総合対策
初めてTOEICを受ける人向けの参考書。テスト時間などの解説と模試が収録されています。
TOEICで求められる英語力強化、テスト対策(問題形式の理解と訓練)がこの冊でできます。
そしてこの参考書のすごいところは、なんと言っても購入すると無料で観られる27本100分の解説動画です。TOEICの勉強は訓練の要素もあり、時間をかけて繰り返し勉強しないといけません。
現代では自分にあった勉強方法を見つけること、自分の生活の様々な場面に合わせ柔軟にやり方を変えられることが継続学習には大切だと感じています。
そういった選択肢を複数用意してくれる本書は多くの人におすすめできます。
このレベルの人には他にも「はじめての」と書いてあるTOEIC参考書全般をおすすめします。
700点目標
TOEIC500点〜600点台の人は、平均程度の得点は取れる基礎的な英語力はついていると言えます。
もっと高い点数を取りたい場合は、TOEICに特化した勉強をしていくと良いでしょう。
- 語彙強化
TOEIC頻出語の中でも、特にビジネス用語や難易度の高い単語、言い換え語なども勉強しましょう。
- TOEICの問題形式に対応
TOEICは独特の出題形式なので、慣れが大きく得点を左右します。必ず試験前に本番と同じ形式の問題を解いて練習しましょう
- 時間配分を意識して解いて本番をシミュレーション
TOEIC、特にリーディングセクションでは時間配分が非常に重要です。
700点獲得のためには最後まで解き終わらなければいけないわけではありませんが、自分が解きやすい問題はどれか把握し、優先順位を決めておくと良いでしょう。
時間配分についてはこちらの記事も参考にしてください。
- おすすめの参考書:金のフレーズ
「金フレ」の愛称で親しまれるTOEICの参考書のベストセラー。点数別にTOEICの頻出単語が学べます。
単語帳ですが、TOEICの解説も充実しているので幅広い人におすすめです。
コンパクトサイズで持ち運びにも〇また、abceedというアプリで電子版も買えます。
私は暗黒のフレーズという金フレの上位版をアプリで使っていましたが、英→日、日→英、音→日本語、穴埋めとクイズのように勉強できるほか、なんとスピーキングトレーニング機能もついていて音声認識で発音も鍛えられました。
それでお値段は書籍と同じ860円。(書籍版を購入していると30%オフになるようです。)本当に現代の英語学習環境はすばらしい…!
800点目標
これからは高度な文法問題やTOEICの独特なひっかけ問題などの対策を行うと良いでしょう。
- 高校英語までの文法を完璧に
特にリーディングセクションの問題は難しい文法問題も出題されます。学校英語と侮らず、1度しっかり高校の範囲を復習しましょう。
TOEIC本番では特に瞬間的に難しい文法事項も解答できるように訓練が必要です。
- 本番形式の模試を2回は行う
TOEIC高得点を獲得するには慣れやコツが必要になってきます。
まず本番と同じ形式の問題集を出来れば本番と同じ時間で解いてみることをおすすめします。
できれば間違えた問題の分析をし、自分の苦手分野を中心に勉強すると効率的に勉強できます。
- 各問題形式の難問をなんとなく把握。捨て問にする訓練
TOEIC800点を獲得するためには1問5点換算で200問中160問正解する必要があります。裏を返せば、40問は間違えられます。
特にPart2やPart5は難易度別に並んでいるわけではなく、1問にかけられる時間が短いことが特徴です。
間違えたことを引きずって次の問題も間違えてしまうこと、TOEIC満点に近い人でも迷うような難しい問題に時間を使ってしまうことはもったいないです。
そういった問題は捨てて(でも勘で良いのでマークだけはしましょう)、できる問題に注力すると自分の中の高得点が取れるでしょう。
- おすすめの参考書:TOEIC公式問題集
TOEIC700点台を取れる力があるなら、本番と同じ難易度の公式問題集を本番と同じ時間で解くと良いでしょう。
TOEICの問題研究ができ、自分の苦手もわかります。また、目指すのが満点でなければ全問正解する必要はありません。
公式問題集を分析するとどのレベルの問題は本番で捨てて良いかもなんとなく分かります。
解説が手厚く、ほぼすべての単語の訳もついていますので、1冊でテスト対策から単語までカバーできます。
TOEICのおすすめ参考書の記事も参考にしてください。
900点目標
- 得点戦略を立てる
TOEIC900点を取るためには200問中180問正解する必要があります。かなり高い正答率ですが、でも全問正解しなければならないわけではありません。
ぜひ「本番でどうやって180問正解するか、不正解を20問以内にするか」を考えてください。
このレベルだと、不正解に着目するのが手っ取り早いです。どういう問題は間違えてもいい、もしくは捨てても良いのかを決めておくと良いでしょう。
- 穴を埋める(自分の苦手&難問)
TOEIC800点を獲得し、900点を狙うような人は、受験英語が得意な人かTOEICをある程度勉強してきた人、もしくは海外経験があるがテストは苦手という人なのではないでしょうか。
結構英語力に自信がある人も多いかもしれません。このレベルになると、多くのTOEIC受験者と勉強すべき内容に差が出てきます。
自分の苦手分野や難問に注力し、効率的に学びましょう。
- 時間内に解き終わる訓練
800点レベルまでは時間配分をせず最後まで解き終わらなかったとしても到達できる人が多いと思います。
しかし、900点以上を目指すのであれば、時間配分をしっかりして時間内に解き終わるような訓練が必要です。
900点までであれば最後まで解き終わらなくても達成できると言う人もいますが、全体で20問間違えて良いとして、その半分をリーディングセクションに割り当てるとしたら190問までは解かなければなりません。そこまで全部正解していると仮定するとです。
190問以内にもかなり難しい問題はあるので、時間配分をしっかりして最後まで解き切るようにする方が確実に900点突破できると思います。
- 本番の集中力を高める訓練と工夫
TOEICのリスニングは1度しか読まれず、さらに1語聞き逃すと答えられないような問題が出ることもあります。
また、45分のリスニングのあと75分のリーディングも時間と闘いながら多様な英文を多量に読まなければならず、かなりの集中力が必要とされます。
一般に人の集中力は1時間程度しか持たないと言われます。その中で正答率90%を取ることは、多くの人にとって自分の集中力の限界に挑むようなことです。
本番で集中し切るためには本番を想定した訓練とどうしたら集中チカラを高められるのか、最後まで集中し切れるのか、細かい工夫を積み重ねることが必要です。
- おすすめの参考書:文法問題出る1000問、自分の弱点を埋める参考書
リーディングセクションを時間内で解き切るカギはPart5にあります。
出る1000でPart5を10分で解けるように勉強、繰り返し訓練するとTOEICに必要な文法、語彙力、速読力が身につきます。私は巻末の模試13セットを暗記するまで繰り返して留学なし、独学で900点獲得できました。
私の場合はPart5が900点までのボトルネックでしたが、SNSなどを見ていると人によってずいぶんと得意なこと、苦手なことが違うのだなーと感じます。
私はリスニングがライティングの得点を下回ったことはないのですが、リーディングの点数の方が高い人もいます。Part5は得意で全問正解だけど、Part7が苦手、という人もいます。
一般的な傾向はあれど、TOEICで900点取るということは結局「自分が200問中180問以上正解する」ということでしかないです。
そのためには自分が主体的に自分を見つめ、改善するための行動をしていくしかありません。
更に上を目指す
筆者はTOEIC925点獲得して満足したので、今はもうTOEICの勉強はしていません。
また機会があれば950点、満点目指して頑張っても良いかな~と思っています。
なのでここに挙げた勉強法は私が勉強するならこういうやり方をする、あるいはTOEIC950点以上を獲得している人を思い浮かべながら書きました。
英語学習に終わりはありません!
- 「TOEICの勉強」から「英語の勉強」に切り替える
TOEICは4技能の内の2技能しか問われません。
しかも、仕事で英語を使う場合求められるのは圧倒的に「アウトプット」であるスピーキングとライティングです。
アウトプットにはインプットが不可欠でありますが、アウトプットする訓練も大切です。4技能をバランスよく鍛えると相互に良い影響があります。
- 長期戦を覚悟する
TOEIC700点→875点までは4カ月ほどで到達しましたが、そこから900点まではかなり壁を感じました。
ここからさらに点数を上げるのは、私にはまたすごく高い壁だろうと感じています。
また、TOEICは各回であまり差が出ないようしっかりと運用されているテストですが、それでも平均点を比較すると30点も差があります。
自分の調子も上下するものなのですし、粛々とやるべきことをやりながら上振れする時や地力が上がっていくのを待つ、「TOEICの点数はあとからついて来る」ような感覚で臨みたいと思います。
- 留学を検討する
私は留学なし、独学でTOEICの勉強をしてきましたが、それは子供や家族がいてそうするしかなかったからでした。
もし環境が許すなら、英語漬けになるような留学の道を選ぶのも手だと思います。
なんだかんだ言ってTOEICの点数が高いだけでは仕事はできないので、使える英語を身に着けられる、大変だけど価値のある経験になる留学って素晴らしいなと思います。
- おすすめの参考書:韓国語版公式TOEIC問題集
TOEICで正答率95%とるためには本番に近い環境で本番に近い難易度の問題を解く訓練が必要です。とにかく数をこなすためにはこちらの参考書がおすすめ。
韓国語版はリスニングとリーディングに分かれていますが、10セットも収録されています。さらにその内3セットは実際に出題された過去問です。
日本語版の公式問題集はリスニングとリーディングの2セット収録されていることを考えると、非常にコスパが良い教材です。量・質を兼ね備えたすばらしい参考書ですが、解説は韓国語になるので注意が必要です。
しかし、このくらいの点数を目指す方は語彙や文法を自力で調べることも十分可能なのでぜひ一度検討してみて下さい。


TOEICの点数に関してよくある疑問

平均点はいくつくらい?
過去1年間の平均点は595~625点に収まっています。大体605点前後と考えると良いでしょう。
自慢できる点数は?
受験者の年齢、英語学習経験や海外経験などによって異なると思いますが、大体大学生で700点取れていたら優秀、社会人なら800点取れているなら一般的に「すごい」と言われるのではないでしょうか。
SNSを見ているとTOEIC900点取得者はごろごろいるように見えますが、上に書いた通り各回上位5%程度しかいないので、上だけ見るのではなくきちんと全体を見るようにすると良いかなと思います。
点数が取りやすい月
過去1年分のTOEIC受験者数と平均点をグラフ化してみました。結論から言うと、選ぶのであれば10月、4月、8月が良いかもしれないという結果です。

2021年9月~2022年8月の結果を見ると、傾向として
- 受験者が少ない月、回の平均点が高くなる傾向がある
- 午前受験者の方が午後受験者よりも少ない
ことが分かりました。
具体的には2021年の10月と2022年8月は受験者が少なく、受験者全体の平均点は高めでした。
※ちなみに、今までは2月と8月はTOEICを行わなかったのですが、2022年から変わりました。また、10月はひと月で2回テストを行っています。
受験者が多いのは2022年3月ですが、午前・午後どちらも平均点は他と比べて高すぎも低すぎもしない水準です。
また、午前受験者の方が午後受験者よりも少なく、平均点は高い傾向があります。
ただ、これはあくまで全受験者の結果を比べた傾向の話です。平均点の上下は増えた受験者があまり勉強をせずにTOEICを受けていて平均点を下げているのではないかと感じます。
TOEICのスコアを上げたいなら、受験月を気にするよりきちんと勉強、準備して臨むことの方が重要です。
しかし、1年間定期的にテストを受けていて、「今回は難問が多かったな」と感じることもありました。グラフでも、テストによって最大30点平均点に差があります。
テストの難易度の差によってスコアが影響を受けてしまうことを回避するには、できるだけテストを受ける回数を多くするのがベストです。
受験計画を立てる際には上記のグラフを参考にして受験者が少ない月も受けるようにすると良いかと思います!
TOEICの目標スコアの目安の決め方
冒頭に書いたように、TOEICは合格・不合格がなく、またレベル別に分かれていません。
そのため他の資格試験と比較すると、受験者本人が自分の実力を把握し、目標を定め、モニタリングしていく必要がある試験です。
一方、受験者と試験の実施回数が多く、参考書やスクールが豊富であるので、適切に情報収集し、主体的に学べる人には向いているテストだと思います。
逆にこういったことが苦手だなって人はこの機会に主体的に学ぶ力が鍛えられる!と思ってぜひ前向きに捉えてほしいなと思います。
TOEICの目標点の目安を定める時に考えなければならないのは3点です
- 自分の今の実力
- 目標スコアの期限
- それまでにどのくらい勉強できるか
一般的にTOEICのスコアを100点あげるのには250-300時間程度が必要となります。
(参考)Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』
1日3時間勉強すると6か月程度という計算です。
もし明確な目標スコアがあって期限までに勉強時間が足りなそうだと思ったら、どうやったらその差を埋められるか考えないといけません。
隙間時間を活用してもっと勉強時間を増やすのか、TOEICのテクニックを学んで効率よくスコアアップを狙うのか、とにかく試験を受ける回数を増やし、上振れを狙うのか…人によって取れる手や有効性は異なるでしょう。
それも含めてTOEICです!がんばれ!!
TOEICのスコアの有効期限って?
実はTOEICのスコアには有効期限がありません。
公式認定証(Official Score Certificate)を紛失した場合の再発行の有効期限が2年間となっているため、誤解されているようです。
一方で私もTOEICの点数を使って転職活動をしたことがあるのですが、そこではやはりTOEICの有効期限は2年程度として扱われている実感がありました。
一例として、英語系資格で唯一の国案内士の英語試験の免除期間を見てみましょう。
通訳案内士はTOEIC900点以上で英語試験が免除されますが、その有効期限は「当該得点を得たテストの行われた日の属する年度又は当該年度の翌年度に実施される全国通訳案内士試験を受ける者に限る。」ということで翌年度まで、長くても2年間です。
実際に転職活動で使いたい方は2年以内のスコアを用意しておいた方が無難です。
TOEICの得点分布って
TOEICは各回の得点分布、最低点と最高点、平均点と標準偏差を毎回発表していて、過去1年間さかのぼってみることができます。
過去1年以内で受験者が平均スコア・スコア分布の中で受験者数が平均に最も近く、平均スコアも標準的だった2021年3月実施会を例にてみましょう。

このグラフは100点刻みではなく50点刻みになっています。
595~645点までが最もボリュームがあり、平均点もこのゾーンに含まれます。そこから得点が離れるほど徐々にボリュームが減っていくきれいな正規分布のグラフだと思います。
TOEICを勉強する人は10点単位で目標を立てて勉強する人が多いと思います。
しかし、点数だけ見ると自分の成長が見えにくく勉強するのが辛い時があると思います。
そんな時にこのグラフや公式サイトでスコア分布が掲載されていることを知っていると、「今回スコアは落ちてしまったけど全体で見ると順位は上がったな」等と評価しやすくなるかと思います。
最後に
今回はTOEICのスコアについていろんな角度から見てみました。みなさんのTOEICライフの参考になれば幸いです!




