USCPAの難易度・偏差値は?合格率50%のカラクリと公認会計士との比較

ねこ君
USCPA(米国公認会計士)に興味があるんだけど、ネットで調べたら「合格率50%だから日本の会計士より全然簡単」って書いてあったよ!これなら自分でもいけるかも!
にゃんこ先生
ちょっと待った!その「50%」という数字だけで判断するのはとっても危険だよ。
ねこ君
えっ、どういうこと?半分も受かるなら簡単なんじゃないの?
にゃんこ先生
USCPAは受験のハードルが高すぎて、「とりあえず受けてみよう」っていう記念受験の人が一人もいないんだ。
にゃんこ先生
つまり、大金を払って英語と会計を猛勉強した「とんでもない猛者たち」が戦って、それでも半分落ちる試験なんだよ。

 

「USCPAは日本の公認会計士に比べて簡単」

「合格率が50%もあるから、ちょっと勉強すれば受かる」

ネット上やSNSでは、このようなUSCPAの難易度に関する噂が飛び交っています。

これを真に受けて「これなら自分にもできそう」と軽い気持ちで足を踏み入れ、後から痛い目を見る人が後を絶ちません。

結論から言うと、USCPAは決して「簡単な試験」ではありません。日本の資格試験に例えるなら、日商簿記1級レベル(偏差値60〜65程度)に相当する超難関資格です。

 

しかし一方で、日本の公認会計士試験(JCPA)とは根本的に試験の性質が異なり、「正しい努力さえすれば、社会人でも確実に合格を勝ち取れるフェアな試験」であることもまた事実です。

この記事では、現役の米国公認会計士である筆者が、ネットの噂に惑わされない「USCPAの客観的な難易度」について、偏差値や日本の資格との比較、そして『合格率50%の本当のカラクリ』を交えて徹底的に解説します。

読めば必ず、「自分は挑戦すべきかどうか」のリアルな判断ができるようになるはずです!

 

この記事の著者:Ryo

初めまして!Ryoです。大学在学中に日本の公認会計士試験に合格し、大手監査法人に勤めた後スタートアップでIPOや投資を経験。その後アメリカにMBA留学し、卒業後に現地の会計事務所に就職したことがキッカケでUSCPAの勉強を開始、アビタスを利用して約半年で全科目に合格しました。

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⚡️ 30秒でわかる!この記事の重要ポイント
  • 偏差値で表すと60〜65: 日本の難関大学や日商簿記1級レベルに相当する、決して簡単ではない試験です。
  • 合格率50%のカラクリ: 記念受験層がゼロ。大金を払い、英語と会計の壁を越えた「本気の猛者たち」の中での50%です。
  • 日本の公認会計士(JCPA)との違い: JCPAは「落とすための試験」、USCPAは努力が報われる「受からせるための試験」です。
  • 立ちはだかる「2つの壁」: 試験自体の難易度よりも、「英語力」と「1000時間の勉強時間の確保」が最大のハードルになります。

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USCPAの難易度を「偏差値」や「日本の資格」で例えると?

「合格率50%」と言われても、結局どれくらい難しいのかピンときませんよね。

そこでまずは、あなたが直感的に難易度をイメージできるよう、日本の資格試験のランキングや大学受験の「偏差値」に当てはめて客観的なポジションを見てみましょう。

 

偏差値で表すと「60〜65(難関大学レベル)」

USCPAの試験内容や必要学習時間(約1,000〜1,500時間)を日本の資格難易度ランキングに照らし合わせると、「偏差値60〜65程度」に位置づけられます。

これは、大学受験で言えばMARCHから早慶のボーダーラインに相当し、他の日本の資格で言えば「中小企業診断士」や「社会保険労務士(社労士)」などと同等の難易度帯です。

決して「数週間の詰め込み暗記でどうにかなるレベル」ではなく、社会人が1年〜1年半、しっかりと腰を据えて計画的に勉強を継続しなければ太刀打ちできない「難関資格」であることは間違いありません。

 

日商簿記1級・税理士・USCPAの難易度比較

会計系の資格を検討している人が最も気になるのが、「日商簿記1級や税理士と比べてどうなのか?」という点でしょう。

結論から言うと、試験の難易度(問題の複雑さ)だけで比べれば、日商簿記1級や税理士の方が難しいです。

実は、USCPAの全科目に合格した人であっても、その後に日商簿記1級を受け直すと、複雑な計算問題に全く歯が立たず不合格になるケースが珍しくありません。

なぜこのような現象が起きるのかというと、両者の試験では「求められる能力(広さと深さ)」が全く異なるからです。

  • 日商簿記1級・税理士は「狭く・深く」:
    重箱の隅をつつくような細かいルールの暗記や、実務でも滅多に遭遇しないような複雑怪奇な計算パズルを解く力が求められます。1つのミスが連鎖して大失点に繋がるシビアな試験です。
  • USCPAは「広く・浅く」:
    超難解な計算問題は出ません。その代わり、会計だけでなく、監査、アメリカの税法、IT、経済学など、ビジネス全般の知識を「英語で」「広く」理解しているかが問われます。

つまり、USCPAは「マニアックな会計オタク」になるための試験ではなく、「グローバルなビジネス環境で広く活躍できるゼネラリスト」になるための試験なのです。

「細かい数字のパズルを解くのは苦手だけど、全体像やビジネスの仕組みを理解するのは得意」という方にとっては、USCPAの方が圧倒的に戦いやすく、努力が点数に結びつきやすい(挫折しにくい)試験と言えます。

 

騙されてはいけない!USCPA「合格率50%」のカラクリ

「合格率が50%もあるなら、2回受ければ1回は受かる計算じゃないか」

そう思って勉強を始めると、高い確率で挫折します。

USCPAの合格率が日本の難関資格(合格率10%前後)と比べて異常に高く見えるのには、明確な「カラクリ」が存在するからです。

 

「絶対評価(75点以上で合格)」の落とし穴

日本の公認会計士試験などの多くは「相対評価(上位〇%だけが合格)」です。どんなに高得点を取っても、他の受験生が自分より優秀であれば不合格になります。

そのため、合格率は常に数%〜10%程度に低く抑えられます。

一方、USCPAは「絶対評価(75点以上取れば全員合格)」の試験です。

他の受験生を蹴落とす必要がなく、基準点さえクリアすれば何人でも合格できるシステムであるため、必然的に合格率は高く出ます。

しかし、これは「誰かと争わなくていい」というだけであり、「75点を取るための問題自体が簡単である」という意味では決してありません。

膨大な試験範囲の中から、英語で正確に解答を導き出すハードルは極めて高いままです。

 

最大のカラクリ:記念受験・冷やかし層が「ゼロ」の世界

合格率が50%になる最大の理由は、USCPAの「受験者の質」にあります。

日本の簿記や宅建などの試験会場には、「会社に言われたからノー勉で来た」「まだ範囲が終わってないけどお試しで受ける」という記念受験層が大量にいます。彼らが分母を膨らませるため、合格率は下がります。

しかし、USCPAに記念受験層は「完全にゼロ」です。なぜなら、受験のスタートラインに立つまでに以下の過酷なハードルがあるからです。

  • 厳しい受験資格: 大学の会計・ビジネス単位を事前に(数十万円払って)取得しなければ、そもそも出願すらできない。
  • 超高額な受験料: 1科目受けるだけで、受験料と国際会場手数料で約10万円〜15万円が飛んでいく(※為替により変動)。

想像してみてください。

試験会場にいるのは、面倒な単位取得の手続きを乗り越え、何百時間も英語のテキストと格闘し、「絶対に1発で受からないと10万円がパーになる」というプレッシャーを抱えた本気の猛者たちだけです。

その「本気で準備をしてきた優秀な集団」の半分が、残酷にも不合格になって会場を後にする。これが「合格率50%」のリアルな正体です。

 

【データ】科目別の難易度と最新の合格率

参考までに、AICPA(米国公認会計士協会)が公表している直近の科目別合格率の目安を見てみましょう。

試験制度の変更や実施時期によって変動しますが、おおよその傾向は以下の通りです。

科目合格率の目安難易度の特徴
FAR
(財務会計)
約 40〜45%全科目の基礎。圧倒的な計算量と出題範囲の広さから、最も合格率が低く鬼門となる科目。
AUD
(監査論)
約 45〜50%計算より読解力が問われる。英語の微妙なニュアンスを読み取る力が必要なため、日本人が苦戦しやすい。
REG
(税法・ビジネス法)
約 55〜60%アメリカの税法の暗記がメイン。覚えた分だけ点数に直結しやすいため、合格率は比較的高め。
選択科目
(BAR/ISC/TCP)
約 45〜70%選ぶ科目(ITや税務特化など)によって合格率に大きなバラつきがある。TCP(税務)などは合格率が高い傾向。

このように、最初の壁であるFARの合格率は実質40%前半に留まっています。

「50%だから簡単」という思考は今日で捨て、「本気で準備した人間の半分が落ちるシビアな試験」としてスケジュールを立て直す必要があります。

 

ねこ君
1科目10万円以上…。もし落ちたらって考えるとプレッシャーがエグいね…。
にゃんこ先生
確かに痛い出費だけど、働きながら合格した人たちは皆「10万円払ったんだから絶対にサボれない!」という最強のモチベーションに変えているんだ。

 

日本の公認会計士(JCPA)との決定的な難易度の違い

「USCPAと日本の公認会計士(JCPA)、結局どっちが難しいの?」

これから会計資格を目指す人が必ずぶつかる疑問です。

結論から言うと、この2つは「試験の性質や目的」が根本的に異なるため、単純な比較はできません。両者の決定的な違いを解説します。

 

JCPAは「落とすための試験(相対評価・深く狭く)」

日本の公認会計士試験(JCPA)は、合格率が10%前後にコントロールされている「相対評価」の試験です。つまり、「他の受験生を蹴落として、上位10%に入らなければならない過酷な競争」です。

限られた合格枠をめぐって優秀な受験生同士が争うため、出題される問題も「重箱の隅をつつくような細かい難問」や「複雑なひっかけ問題」が多くなります。

JCPAは、受験生をふるいにかけて「落とすための試験」と言えます。

そのため、大半の受験生は仕事を辞め、1日10時間近い勉強を数年にわたって続ける「専業受験生」にならざるを得ません。

 

USCPAは「受からせるための試験(絶対評価・広く浅く)」

一方、USCPAは75点(目安)を取れば全員が合格できる「絶対評価」の試験です。

アメリカの試験制度は「知識を実務でどう使うか」を重視するため、奇問や難問で受験生をいじめるようなことはしません。

「グローバルビジネスで必要な基本知識を、広く、正確に理解しているか」をストレートに問う問題が中心です。

つまり、USCPAは正しい方向で努力をして基準を満たした人を「受からせるための試験」です。

だからこそ、日本の社会人でも「働きながら1〜2年計画で勉強して合格する」というスタイルが十分に成り立つのです。

 

【一目でわかる!JCPAとUSCPAの比較表】

比較項目JCPA(日本の公認会計士)USCPA(米国公認会計士)
試験の目的受験生を「落とす」ため基準を満たした人を「受からせる」ため
評価方法相対評価(上位約10%)絶対評価(75点以上で合格)
知識の問われ方狭く・深く(難問・奇問あり)広く・浅く(基本・実務重視)
主な受験層専業受験生(学生・無職)が多い社会人が働きながら目指すのが主流
最大のハードル極限の競争率と複雑な計算問題英語の読解単位取得の手続き

 

結論:試験自体はJCPAの方が圧倒的に難関だが…

純粋な「会計問題の複雑さ」だけで比較すれば、日本の公認会計士試験(JCPA)の圧勝です。JCPA合格者がUSCPAの計算問題を見ると「なんだ、こんなにシンプルでいいのか」と拍子抜けするほどです。

「じゃあ、やっぱりUSCPAの方が簡単じゃん!」と思った方、少し待ってください。

それはあくまで「ネイティブのアメリカ人」にとっての話です。我々日本人がUSCPAに挑む場合、JCPAには存在しない(あるいは性質が異なる)『特有の壁』が立ちはだかります。

 

大量の問題文をすべて英語でスピーディに読み解かなければならないハードルや、受験資格(単位)を得るための複雑な出願手続き。

そして何より、専業受験生(学生や無職)が多いJCPAとは違い、USCPAは「フルタイムの仕事と両立しながら、1,000時間の勉強を捻出する」という社会人特有の過酷なハードルが存在します。

「試験問題自体の理不尽な難しさ(JCPA)」に挑むか、問題は実務的でシンプルだが「大量の英語・面倒な手続き・仕事との両立(USCPA)」に挑むか。

これが、両者の難易度を比較する際のリアルで正しい視点になります。

 

ねこ君
誰かを蹴落とすんじゃなくて、純粋な自分との戦いなんだね。絶対評価なら、周りのレベルが高くても関係ないのは嬉しいな。
にゃんこ先生
その通り!日本の会計士みたいに「天才たちに勝たなきゃいけない」わけじゃないんだ。正しいやり方でコツコツ時間を積み上げれば、凡人でも確実に合格ラインの75点を越えられる。それがUSCPAの最大の魅力だよ。

 

USCPA学習における「2つの巨大な壁」に要注意

前のセクションで、USCPAにはJCPAにはない「英語」と「手続き」の壁があるとお伝えしました。

このうち「複雑な手続きの壁」については、日本の予備校を利用することでお金で完全に解決(ショートカット)することが可能です。

しかし、どれだけ優秀な予備校を使っても、あなた自身が自力で乗り越えなければならない「日々の学習における2つの巨大な壁」が存在します。

USCPAに挑戦するかどうかは、この2つの壁を乗り越える覚悟があるかで判断してください。

 

第1の壁:英語力(TOEICの目安は?)

USCPAの試験問題は、当然ですがすべて「英語」で出題されます。

会計の知識以前に、分厚い洋書のテキストを読み込み、本番で長文のシナリオ問題を素早く正確に読み解くリーディング力が求められます。

ネイティブレベルである必要や英会話のスキルは全く不要ですが、英語の壁に挫折せずスムーズに学習をスタートするためのひとつの客観的な目安となるのが「TOEIC700点以上」です。

これ以下の場合は、会計の勉強を進めるのと同じくらい、英単語の翻訳作業に時間を奪われる覚悟が必要です。

 

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第2の壁:圧倒的な「勉強時間(1000時間)」の確保

そしてもう一つの最大の壁が、学習の総ボリュームです。

日本の社会人が働きながらUSCPAの全4科目に合格するためには、平均して「1,000時間〜1,500時間」という膨大な学習時間が必要になります。

これは、週に15〜20時間の勉強を1年〜1年半にわたって休まず継続しなければならない計算です。

地頭の良さや会計センスよりも、「いつ、どこで、どうやって勉強するか」という大人のタイムマネジメント(スキマ時間の捻出)ができなければ、確実に途中でフェードアウトしてしまいます。

 

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まとめ:難易度は高いが、社会人が「最も報われやすい」資格

「偏差値60〜65」「本気の猛者たちの中で半分が落ちる」というリアルな実態を知って、少し不安になってしまったかもしれません。

しかし、決して諦める必要はありません。USCPAの最大の魅力は、「誰かを蹴落とす必要がなく、正しい方向で努力を積み重ねれば必ず受からせてくれるフェアな試験」だということです。

日本の公認会計士試験のように、何年も人生を捧げたのに数点の差で報われない…という理不尽なリスクが極めて低く、忙しい日本の社会人にとって「最も努力が報われやすい難関資格」であると断言できます。

ただし、その「正しい努力」を、独学による分厚い洋書の翻訳作業や、複雑な単位取得の手続きに浪費してはいけません。

社会人が最短ルートで合格をつかむためには、試験対策以外の無駄な苦労を省き、「勉強(アウトプット)だけに集中できる環境」を作ることが絶対条件になります。

 

ねこ君
簡単じゃないって分かって身が引き締まったけど、「絶対評価で努力が報われる」って聞いてすごく安心した!無駄な回り道はしたくないな。
にゃんこ先生
その通り!1,000時間という貴重な時間は「問題を解くこと」だけに使おう。面倒な単位取得の手配や、英語から日本語への分かりやすい翻訳は、すべて予備校(プロ)に丸投げするのが一番賢い大人な戦い方だよ。

 

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