




「高卒でもUSCPAって取れるのかな?」
「大学を出ていないと、受験もライセンスもダメなのでは…?」
そんな不安を抱えてこの記事を開いた方は多いと思います。
USCPAは “受験 → 合格 → ライセンス” という3段階があるため、初めて調べると仕組みが非常にわかりにくい資格です。
まず安心してほしいのは、高卒でもUSCPAの受験と合格は問題なく可能だということ。
高卒スタートでもハンディキャップはなく、むしろ若い段階で専門性を持てる分、メリットは大きいと言えます。
この記事では、高卒からUSCPAを目指す上で知っておくべき受験条件、ライセンス制度の本当のところ、そして「合格だけでどこまでキャリアが広がるのか」わかりやすく整理して解説していきます。
この記事の著者:Ryo
初めまして!Ryoです。大学在学中に日本の公認会計士試験に合格し、大手監査法人に勤めた後スタートアップでIPOや投資を経験。その後アメリカにMBA留学し、卒業後に現地の会計事務所に就職したことがキッカケでUSCPAの勉強を開始、アビタスを利用して約半年で全科目に合格しました。
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結論:高卒でもUSCPA合格は可能
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格が州ごとに異なる資格です。
多くの州では学士号が前提になりますが、例外的に“学士号がなくても受験できる州”が存在します。
その代表が Montana州(モンタナ州) です。
Montana州では、大学レベルの会計24単位+ビジネス24単位(計48単位)を取得していれば、学士号がなくても受験が可能。
つまり、高卒からでも必要な単位さえ揃えればUSCPAの受験ラインに乗ることができます。
そのため、
- 高卒
- 大学中退
- 専門学校卒
- 社会人からの再挑戦
といった背景でも、受験と合格は十分現実的です。
高卒でも受験できる州
2025年時点で、“公式に学士号不要で受験できる”ことが確認できる州はMontana州のみです。
- 上級会計科目(upper-division accounting)24単位
Financial accounting / Auditing / Taxation / Management accounting など - ビジネス関連科目 24単位
合計48単位を満たせば受験可能(学士号は不要)
このように、Montana州は“学位ではなく、必要単位数を満たしているか” が判断基準になっています。
その一方、Missouri、Vermont、Wisconsin、Ohio、New York などは「120単位」や「学士号課程」などを前提とした要件が多くの状態では受験できません。
高卒の方でも単位取得は可能:予備校経由が最も現実的
USCPA受験では、必要な大学単位をどのように揃えるかが最初のハードルになりますが、実は日本人受験者の多くは「大卒であっても」予備校を通じて追加の単位を取得しています。
理由は、
- 日本の大学では会計・監査・ビジネス科目を必要数満たせない
- 州ごとの単位要件に“ピンポイントで合う単位”を揃えにくい
- 日本の大学の単位だけでは必須科目が不足しがち
といった事情があるためです。
そのため、高卒の方が予備校を利用するのは特殊なことではなく、むしろ自然なルートです。
アビタスなどのUSCPA予備校は、アメリカの大学と提携しており、受験に必要な単位をオンラインで取得できる制度を提供しています。
下記のような流れを一括でサポートしてくれるため、学歴にかかわらず受験準備を進められます。
- Montana州での受験を想定した 48単位の取得
- 受験申請(Application) の代行サポート
- 学習・受験スケジュールの設計
この仕組みがあるおかげで、高卒の方でも無理なく “受験資格 → 受験 → 合格” のラインに乗ることができるのが実情です。
ライセンス登録について
USCPAのライセンス(License)取得には、一般的に150単位+学士号(大学卒) が必要とされます。
ただし、これはすべての州に共通する絶対条件ではありません。
グアム(Guam)州は大卒不要でライセンス取得が可能
例外的に、グアム州では
- 合計150単位を満たしていればOK
- 学士号(BA/BS)は必須ではない
という独自のルールが採用されています。
そのため、
- アビタスでの単位取得
- 放送大学での追加履修等
を組み合わせることで、4年制大学に通わずとも150単位に到達するルートが現実的に作れます。
また、維持費の不安がある方には、inactiveライセンス(名刺に記載可・継続教育不要)という選択肢もあり、グアムに加えてワシントン州でも採用され始めています。
転職では「合格(Passed)だけ」で十分評価される
ここが最も大事なポイントです。
USCPAが日本国内で働く範囲では、ライセンスがなくても採用・実務・キャリア形成にはほとんど支障ありません。
監査法人・アドバイザリー・事業会社いずれも、書類選考で重視するのは“合格しているかどうか”です。
企業が評価しているのは、次のような能力です。
- 国際会計・監査の体系的な知識
- 英語で基準や開示資料を読める実務力
- 自分の時間とお金を投資して勉強しきった実行力
つまり、ライセンスより“合格までのプロセス”のほうが、実務に直結しているのが実情です。
特に高卒の方がUSCPAに合格した場合、
- 「学歴に依存せず、実力でキャリアを切り開ける人」
- 「英語と会計を同時にやり切った強い学習能力がある人」
として、採用側の評価が一段引き上げられるケースが多いです。


ライセンスがなくても「USCPA合格」には大きな価値がある
読者が一番気になるのは、「ライセンスまで取れないとしても、合格だけに意味があるのか?」という点だと思います。
結論から言うと、合格(Passed)だけでも十分にキャリアの武器になります。日本の実務では、USCPAは主に次の2つの文脈で評価されることが多いです。
監査法人への“パスポート”としての価値
まず、いちばんわかりやすいのがUSCPAの監査法人への転職としての価値です。
日本の監査法人やその関連アドバイザリー部門では、昨今の人不足の影響もあり、
- 「USCPA合格者歓迎」
- 「USCPA受験中の方歓迎」
- 「USCPA合格レベルの会計知識を有する方」
といった募集が多く、合格しているかどうかが書類選考の重要な基準になります。
特に、
- 会計専攻ではない人
- 現職がまったく別業界・別職種の人
- 文系出身で会計の実務経験ゼロ”の人
にとって、USCPA合格は「監査・アドバイザリーの世界に入るための強力なパスポート」になります。
事業会社の経理・内部監査などでも評価される
USCPA合格は、監査法人だけでなく、
- 事業会社の経理・財務
- 内部監査・内部統制(J-SOX)
- 経営企画/管理会計
- リスクマネジメント・コンプライアンス
といったポジションでもプラスに評価されます。
理由はシンプルで、
- 国際会計・監査の体系的な知識がある
- 英語で会計基準や開示資料を読み込める
- 自分の時間とお金を投資して勉強しきった実行力がある
と採用側が判断しやすいからです。
特に、上場企業や外資系企業では「USCPA合格=即戦力候補として期待できる人材」と見なされることも多く、未経験から経理・内部監査にキャリアチェンジした事例も珍しくありません。
学歴のハンデを埋める“客観的な証拠”になる
高卒の方にとって、USCPA合格のいちばん大きな意味は、「学歴ではなく、実力で勝負できる状態を作れる」ことかもしれません。
日本の中途採用では、どうしても「大卒以上」「有名大学卒」といった条件が暗黙の前提になりがちですが、USCPAに合格していると、面接側の視点がガラッと変わります。
- 「高卒だけどUSCPAに合格しているなら、相当勉強しているはず」
- 「英語と会計の両方をここまでやりきれるなら、地頭も相当強い」
- 「学歴フィルターだけで落とすのはもったいない」
という評価軸に変わり、“学歴だけで門前払いされにくくなる”のが大きなポイントです。
つまり、USCPA合格は
「大学は出ていないけれど、大卒以上の専門性と学習能力があります」
というメッセージを、誰が見てもわかる形で証明してくれる資格でもあります。
合格までのプロセス自体が“面接で語れるストーリー”になる
USCPA合格の価値は、知識や資格そのものだけではありません。
「なぜUSCPAを取ろうと思ったのか」という動機と、合格までに積み重ねた努力そのものが、面接で強力なストーリーになります。
たとえば、
- 学歴へのコンプレックスを乗り越えたかった
- 専門スキルを身につけてキャリアを変えたかった
- 経理・監査・ファイナンスの世界に踏み込みたかった
- 英語と会計という“一生もの”の武器が欲しかった
といった動機があるからこそ、働きながら英語で会計を学び、不合格を乗り越え、最後までやり切るという「努力の軌跡」が生まれます。
採用側が感じ取るのは、資格以上にそのプロセスが示す“人としての強さ”です。
- 「しんどくても投げ出さない」
- 「自己投資を続けられる」
- 「知らない領域でもキャッチアップできる」
- 「学歴ではなく実力でキャリアを作ってきた」
特に高卒の方がUSCPAに合格した場合は、採用側が“学歴フィルターを外す”ほど評価が大きく変わります。
その結果、未経験から経理・内部監査へ進んだり、これまで挑戦しづらかったポジションに届くケースが珍しくありません。


高卒からUSCPAを目指す人のためのFAQ
簿記とUSCPA、どちらを先に勉強すべき?
「簿記をやってからUSCPA? それとも最初からUSCPA一本?」
多くの受験者が最初に迷うポイントです。
結論はシンプルで、USCPAを取ると決めているなら、最初からUSCPA一本で問題ありません。
理由は以下の通りです。
- USCPAの方がキャリアへのインパクトが圧倒的に大きい
- 日本企業でも外資でも「USCPA合格」のほうが採用で強く評価される
- USCPA学習の中で簿記レベルの知識は自然と身につく
ただし、会計が完全に未経験で、そもそも適性があるか不安な場合は「簿記3級〜2級」を先に学ぶのも良い判断です。
短期間で“会計の向き・不向き”を見極められます。
USCPAと日本の公認会計士、どちらが自分に向いている?
USCPAと日本の公認会計士は目的もキャリアもまったく違う資格です。
高卒の方にとっては特に、将来の方向を決める大きな判断軸になります。
もし「資格そのもので食べていきたい」なら → 公認会計士
- 日本国内で独立したい
- 監査業務をメインにしたい
- “国家資格のブランド”が欲しい
という人には公認会計士が向いています。
高卒からでも受験可能なのは大きな強みです。
ただし、合格までの学習量はUSCPAの3〜5倍以上が一般的です。
もし「キャリアの幅を広げたい/外資で働きたい」なら → USCPA
- グローバル企業で働きたい
- 経理・財務・内部監査など幅広くキャリアを選びたい
- 最短でキャリアを作りたい
という人にはUSCPAの方が圧倒的にコスパが良いです。
難易度も学習時間も公認会計士より現実的で、働きながらでも十分狙えます。
Q3. 英語が苦手でもUSCPAを目指して大丈夫?
USCPAは英語が苦手でも十分に目指せます。
理由は以下の通りです。
- 日本人合格者の多くは TOEIC500〜600点台からスタート
- アビタスなどの日系予備校を使えば 教材・講義はほぼ日本語
- 会計の基礎を理解してから英語に触れるので、負荷が少ない
実際、「英語が得意だからUSCPA」ではなく、「USCPAの勉強をしたから英語が伸びた」という人の方が多いくらいです。
高卒の場合、受験に必要な単位取得はどれくらい時間がかかる?
多くの人が抱く疑問ですが、結論は意外とシンプルです。
USCPAの予備校経由なら1〜2カ月で必要単位を取り終えられます。
- アビタスなどはアメリカの大学と提携しており、オンラインで完結
- 学習スケジュールと並行して単位取得が進むため、追加の負担が少ない
- 高卒の人でも問題なくMontana州の受験要件をクリアできる
「大学に入り直すの?」「2年くらい単位を取り続ける?」と不安になる必要はまったくありません。
必要な単位は“予備校のパッケージの中で完結する”のが一般的です。
USCPAは専門学校卒でも目指せる?
はい、専門学校卒でも問題なく目指せます。
専門卒は一般的に“学士号扱い”にはなりませんが、これは高卒とほぼ同じ状況です。
つまり、
- 受験に必要な単位を追加で取得
- まずはUSCPA合格
- その後、必要であれば働きながら学士号を取得してライセンスへ
という流れは、高卒と本質的に同じです。
専門学校で学んだ内容がそのまま単位として使えるケースもありますが、最終的には 予備校で足りない単位を取るのが最短・最確実 です。
まとめ:高卒でもUSCPAは十分に戦える
USCPAは「大卒じゃないと受験できない」「学歴がないと不利」というイメージが強い資格ですが、実際にはまったく逆です。
高卒でも、必要な単位を満たせば普通に受験できるし、合格もできる。
そして、合格の価値は“学歴の壁を越える力”として、むしろ高卒の方にこそ大きく働きます。
この記事で見てきたように、
- 高卒でも受験は可能(Montana州など)
- 単位は予備校経由で1〜2カ月あれば取得できる
- 合格さえすれば、監査法人・経理・内部監査などキャリアの扉が開く
- ライセンスは後から大学卒にして取得すれば良い
- 合格までのプロセス自体が“努力の証明”として高く評価される
という流れが現実的なロードマップです。
もし「今のままのキャリアで終わりたくない」「学歴を理由に不利になりたくない」と思うなら、USCPAはその思いを形にできる資格です。
高卒でUSCPA合格を勝ち取った人は、採用側から見ると「逆境を実力でひっくり返せる人」です。
この評価は、学士号や肩書きでは得られない“強い武器”になります。










