




USCPAの全科目合格、おめでとうございます。
しかし、「合格」だけでは名刺に「米国公認会計士」とは書けず、対外的にはただの試験合格者に過ぎません。
実際、アビタスの調査では合格者の約7割がライセンス取得まで完了していますが、いざ手続きとなると「複雑なトランスファー」や「実務経験の証明」、「高額な維持費」という壁に多くの人が悩みます。
この記事では、せっかくの合格実績を眠らせないために、実体験に基づいた「ライセンス取得のロードマップ」と「維持費を安く抑える具体的戦略」を提示します。
この記事の著者:Ryo
初めまして!Ryoです。大学在学中に日本の公認会計士試験に合格し、大手監査法人に勤めた後スタートアップでIPOや投資を経験。その後アメリカにMBA留学し、卒業後に現地の会計事務所に就職したことがキッカケでUSCPAの勉強を開始、アビタスを利用して約半年で全科目に合格しました。
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目次
USCPA試験合格=米国公認会計士ではない?(合格者とライセンスの違い)

全科目に合格しただけでは、あなたはまだ「米国公認会計士(USCPA)」ではありません。
名刺や職務経歴書において、合格者(Certificate Holder)とライセンス保持者(License Holder)は明確に区別されており、その社会的信用度には差があります。
ここでは、ライセンスの有無が実際のビジネスシーンやキャリアにどう影響するのか、実体験と市場のリアルを交えて解説します。
「Certificate」と「License」の社会的評価
まず直面するのが、「USCPAと名乗れない」というもどかしさです。
多くの州で、ライセンス未取得者が「CPA」の称号を使用することは禁じられています。
そのため、名刺には「USCPA全科目合格(USCPA exam passed)」や「Certificate Holder」といった、少し歯切れの悪い記載をせざるを得ません。
自己紹介のたびに説明する手間
「合格していますが、ライセンスは未登録です」といちいち補足するのは、ビジネスの場においてスマートではありません。
経験上、名刺交換の際に相手が「USCPA」の文字を見た瞬間、「この人は会計のプロだ」という安心感や信頼を抱いてくれているのが分かります。
その場で資格の話題にならなくても、後の業務やメールのやり取りにおいて、相手が一目置いてくれる「信頼の担保」として機能するのです。
この「無言のアピール力」こそがライセンスの最大の価値です。
外資・海外では「持っていて当たり前」
視点をグローバルに向けると、その差はさらに顕著です。 ビジネスSNSのLinkedIn(リンクトイン)を見てみてください。
海外のプロフェッショナルは、自分の名前の直後に「Bob Martin, CPA」のように資格を明記するのが常識です。
もしあなたが外資系企業への転職や海外駐在を目指している場合、ライセンスを持っていないと「なぜ合格しているのに登録しないのか? 実務経験がないのか?」と、逆にスキル不足を疑われるリスクがあります。
【業界別】ライセンス取得者の割合と必要性
では、実際に周囲の合格者はどれくらいライセンスを取得しているのでしょうか。業界ごとに明確な傾向があります。
① 監査法人・外資系企業(取得率:ほぼ100%)
この領域では、ライセンス取得は「推奨」ではなく「必須」です。
監査法人では、マネージャークラスへの昇進条件になっていることが多く、日本の公認会計士資格を持つ人が、国際業務のために「USCPAとのダブルライセンス」を目指すケースも非常に一般的です。
また、外資系企業ではUSCPAが「会計知識の国際的な証明書」として機能するため、USCPAのライセンスを得ることで専門家としての認知度があがり、異動や昇進のチャンスが広がる可能性があります。
② 日系一般事業会社(取得率:約50%)
一方で、日系企業の経理・財務部門などに勤める合格者の場合、取得率は半々といった印象です。 取得しない人の主な理由は以下の2点に集約されます。
- 今の業務で必須ではない: 社内評価としては「合格」だけで十分評価される。
- 維持費の壁: 会社から補助が出ないため、年間数万円の維持費を個人の財布から出し続けることにメリットを感じない。
しかし、もしあなたが将来的に「転職」を少しでも視野に入れているなら、話は別です。
職務経歴書における「USCPA(ライセンス登録済)」の記載は、数多ある「合格者」との差別化になります。
今は必要なくても、キャリアの選択肢を広げるための投資として、ライセンス登録まで完了させることをおすすめします。
日本人に人気!ワシントン州とグアムの選び方と実務経験
試験合格後、ライセンス取得に進む日本人の大半が「ワシントン州」または「グアム」のどちらかを選択します。
その理由は、この2つの管轄区域が、一般的な日本企業に勤めるビジネスパーソンにとって現実的な選択肢となる制度を持っているからです。
ここでは、多くの合格者が選ぶルートと、その判断基準となる「実務経験・単位」のルールについて解説します。
なぜ多くの日本人が「ワシントン州」を選ぶのか
結論から言うと、現在、日本人合格者にとって最も有利な条件が揃っているのがワシントン州です。
これには、最近変更された「単位要件の緩和」と、従来からの「実務経験証明のしやすさ」が関係しています。
150単位未満でもライセンス申請が可能に
これまでワシントン州でライセンスを取得するには、「総単位150単位以上」が必要でした。しかし、制度変更により以下のルールとなりました。
- 総単位150単位以上の場合: 実務経験 1年 でOK
- 総単位150単位未満の場合: 実務経験 2年 でOK
つまり、これまで「120単位で合格したけど、ライセンスのためにあと30単位取らなきゃ…」と悩んでいた方も、実務経験が2年以上あれば、追加単位なしでライセンス申請ができるようになったのです。
社外のCPAにサインをもらえる(Verifying CPA)
実務経験の業務範囲自体は、実はワシントン州もグアムも大きな違いはありません。
しかし、ワシントン州には「社内にUSCPAの上司がいなくても、外部のUSCPA(予備校が提携するサイン代行者など)による実務証明を認める」という制度(Verifying CPA)が整備されています。
日本企業で働く多くの人にとって、上司がUSCPAホルダーである確率は低いため、この制度が使えるワシントン州が第一候補となるのです。
グアムとワシントン州の「Inactive License」事情
「実務経験がないから、とりあえず合格実績をライセンスという形にしたい」
「今は実務で使わないから、毎年の高い維持費(CPE代)を節約したい」
という場合に検討されるのが、毎年の学習義務(CPE)がない「Inactive License(非活動ライセンス)」です。
以前は「Inactiveといえばグアム」というイメージがありましたが、実はワシントン州にもInactive制度が導入されました。
- グアム: 最初からInactiveとして申請可能(実務経験不要)。
- ワシントン州: 初年度はActiveライセンスの取得(実務経験必須)が必要だが、2年目以降はInactiveへの切り替えが可能。
ワシントン州でInactiveにするメリット
ワシントン州で一度Activeライセンスを取得してしまえば、2年目以降に「今は監査業務をしていないから」といってInactiveに切り替えることで、CPE(継続教育)の義務を免除し、維持費を大幅に下げることができます。
そして将来必要になったタイミングで、CPE単位を取得してActiveに戻すことも可能です。
「最初は頑張ってActiveを取り(ワシントン)、維持費が気になったらInactiveにする」という選択肢が取れる点でも、ワシントン州の優位性が高まっています。
名刺に「Inactive」と書くことの副作用
Inactiveライセンスを取得した場合、名刺や署名には必ず「Inactive」と併記する義務が生じます(例:Taro Yamada, CPA (Inactive))。
これを受け取った相手(特に海外のビジネスパーソンや外資系社員)は、どう感じるでしょうか。
- 「現在は会計業務から離れている人(Retired)?」
- 「ペーパードライバーのようなもの?」
- 「実務経験がない、試験だけの合格者?」
このように、「現役の専門家ではない」というネガティブな印象を与えてしまうリスクがあります。
せっかく苦労して取得したのに、相手に「プロフェッショナル」として認識されなければ本末転倒です。
もちろん、新卒でまだ実務経験が全くない場合や、どうしても単位不足でワシントン州の要件を満たせない場合の「最終手段」としては有効です。
しかし、すでに企業で働いているのであれば、手間をかけてでもワシントン州へトランスファーし、胸を張って使える「Active License」を取得することを強くおすすめします。


ライセンス取得の壁と「単位・費用」の解決策
試験に合格して「これで予備校代も受験料もかからない」と安心したのも束の間、ライセンス申請の段階で、再び少なからぬ費用が発生することに驚かされます。
ここでは、ライセンス取得の初期費用と、多くの合格者が最も懸念する「維持費(ランニングコスト)」を下げる方法について解説します。
意外とかかる初期費用とトランスファーの手間
ライセンス取得には、単なる登録料だけでなく、いくつかの細かい費用が積み重なります。
筆者がワシントン州で申請した際にかかった主な費用(概算)は以下の通りです。
- スコアトランスファー費用(約3,500円 / $25) 受験した州からワシントン州へ合格スコアを転送するためのNASBAへの手数料です。金額は大きくありませんが、WEB上で手続きをしてから反映されるまで数日〜数週間のラグがあり、ヤキモキさせられます。
- ライセンス申請料(約50,000円 / $330) ワシントン州(Department of Licensing)に支払う初回登録料です。
- AICPA倫理試験(Ethics Exam)(約25,000円〜 / $150〜$200) 多くの州で合格後に義務付けられているWeb試験です。「テキスト持ち込み可(Open Book)」なので簡単だと思われがちですが、合格ラインが90%と非常に高く、独特の言い回しに苦戦します。不合格なら再受験料がかかるため、プレッシャーのかかる出費です。
これに加え、実務経験の外部サインサービスなどを利用する場合はさらに数万円がかかります。
結果として、合格後に初期費用として10万円前後は見ておく必要があります。
最大の懸念「維持費(CPE)」を半額以下にするアビタスの活用
初期費用は一時的なものですが、問題は「維持費」です。
まず、維持費の構造を正しく理解しましょう。
① 州への更新料(3年ごと): ワシントン州なら約35,000円($230)。これは回避できません。
② CPE(継続的専門教育)単位取得費用(毎年): ここが削減可能なコストです。
ライセンス維持には3年間で120単位(年間40単位目安)の学習が義務付けられています。
この単位を取得するためのオンライン講座(e-learning)をどこで買うかで、費用は天と地ほど変わります。
海外プロバイダー vs アビタスの価格比較
一般的に、BeckerやSurgentといった米国の有名プロバイダーから個人でCPEコースを購入すると、為替の影響もあり2年間で約12万円(現在のレート換算)ほどかかります。
一方、日本の予備校アビタス(Abitus)の受講生であれば、専用のCPEパッケージを2年間で55,000円で購入可能です。
- 海外プロバイダー:約120,000円 / 2年
- アビタス受講生:55,000円 / 2年
その差は半額以下です。 10年間維持した場合、その差額は30万円以上になります。
「日系企業だから会社から補助が出ない」という方でも、アビタスを利用すれば、月額換算で2,000円ちょっとのコストで「米国公認会計士」の肩書きを維持できます。
この維持費の安さと手続きサポートの手厚さを考えると、これからUSCPAを目指す人や、ライセンス取得を見据えている人は、目先の受講料だけでなく「合格後のランニングコスト」まで含めて予備校を選ぶのが、経済的に賢い選択と言えます。


よくある質問(FAQ)
最後に、ライセンス申請の際によく聞かれる「現場の疑問」にお答えします。
英語が苦手でも手続きは自分でできる?
可能ですが、マニュアルは必須です。
試験に合格した英語力があれば読めると思われがちですが、ライセンス申請の画面や規約に出てくる英語は、試験問題とは異なる「行政・法律用語」のオンパレードです。
DeepLやGoogle翻訳をフル活用すれば自分でも進められますが、一箇所でも選択を間違えると修正に膨大な手間(と英語でのメールやり取り)が発生します。
アビタスなどの予備校では、画面キャプチャ付きの「ライセンス申請マニュアル」を受講生向けに公開しています。これを見ながら進めるのが、最も安全でストレスのない方法です。
上司にUSCPAがいない場合の実務経験証明は?
予備校などが提携する「外部サインサービス」を利用します。
これは日系企業に勤める合格者の9割が直面する問題です。直属の上司がUSCPA保持者でない場合、社内でサインをもらうことは不可能です。
ワシントン州の場合、この救済措置として「Verifying CPA(検証するCPA)」制度があります。
これは、あなたの業務内容を外部の第三者CPAがインタビューし、「確かに会計業務を行っている」と確認できればサインをしてくれる仕組みです。
アビタスでは、受講生に対して無償でライセンス取得をサポートしており、「上司がいないからライセンスを諦める」必要は全くありません。
日本の実務経験(経理・財務)でも認められる?
ワシントン州なら、かなり広範囲の業務が認められます。
「米国会計基準(US GAAP)を使った業務じゃないとダメ」と誤解している人が多いですが、ワシントン州はそこまで厳格ではありません。
日本の会計基準で行う業務でも、以下のような要素が含まれていれば「適格な経験」として認められます。
- 月次・年次決算業務
- 仕訳入力、総勘定元帳の管理
- 予算作成、予実管理(経営企画など)
- 税務申告書の作成補助
- 内部統制の構築・評価(J-SOXなど)
「経理部」「財務部」「経営企画部」などに所属していれば、ほぼ問題ないと考えて大丈夫です。
これから勉強を始める場合、お得なキャンペーンはある?
紹介制度を活用することで、通常入会にはない以下の2つの特典を受けることができます。
- 模擬試験セットが「2倍」に(約2.4万円相当): 通常1セットの模試が2セット(FAR/AUD/REG)に増えます。本番直前の調整機会が2回持てるため、合格の確度が段違いに変わります。
- USCPA用語集(非売品): 専門用語を「日⇔英」で即座に引ける専用辞書です。通常は手に入らないツールで、英語や会計に不慣れな学習初期の強力な味方になります。
もし周囲に紹介者がいない場合は、以下のフォームからご連絡いただければ、私からアビタスへ紹介手続きを行います。遠慮なくご連絡ください。
さらに「説明会参加」で1万円OFF
これに加えて、アビタスの「無料説明会」に参加すると、授業料1万円OFFの割引チケットがもらえます。
この他にも併用できるUSCPA講座の割引制度(教育訓練給付金など)がいくつか存在するため、入会前に何が適用対象なのかぜひチェックしてみてください。
まとめ:ライセンスは「取れるうちに取る」が正解

「いつかやる」は「一生やらない」リスクがある
USCPAの制度は頻繁に変更されます。 「3年以内にライセンスを取らないと合格実績が消える」という同意書にサインしたことを思い出してください。
また、今は緩いワシントン州の実務経験要件が、数年後には厳格化される可能性もゼロではありません。
合格した直後の今が、知識も記憶も鮮明で、最もスムーズに手続きできるタイミングです。一度ライセンス登録してしまえば、制度が変わってもあなたの資格は守られます。
まずやるべきこと
今すぐ、自分の「総単位数」と「実務経験年数」を確認してください。
以前は必須だった「150単位」も、ワシントン州の新ルールなら実務経験が2年以上あれば必須ではなくなりました。
「自分は単位が足りないから…」と諦めていた方も、今すぐ申請できる可能性があります。
利用している予備校がアビタスであれば、最新のルールに対応したサポートや、格安のCPEパッケージが利用できるかを確認しましょう。
面倒な手続きと初期費用は、一生モノの「米国公認会計士」という肩書きを手に入れるための最後の関門です。
ここを乗り越えて、名刺に堂々と「CPA」と刻みましょう。










