




アメリカの大学進学を目指す高校生にとって、避けては通れないのが「SAT」の対策です。
近年はテストスコアの提出を任意(オプショナル)とする大学も増えましたが、MIT・Brown・Dartmouth など、標準テスト提出を再び重視するトップ校も増えています。
さらに、2024年にSATは従来のペーパーテストから「Digital SAT(完全デジタル化)」へと移行し、試験時間の大幅な短縮や、問題形式の変化(アダプティブ形式の導入)など、かつてないほどの大改革が行われました。
そのため、「古い情報をもとにした対策」をしてしまうと、本番で大きくつまずくリスクがあります。
この記事は、「SATについて右も左も分からない」という初心者が、本番で目標スコア(1400点〜1500点以上)を勝ち取るまでのロードマップとなる【完全保存版】のガイドです。
目標スコアの目安から、具体的なスケジュール、おすすめの参考書、そしてスコアを底上げする試験本番の裏ワザまで、あなたが知りたい答えがここにあります。
この記事を読んで、海外大学合格への第一歩を踏み出しましょう!
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
- 💡 結論:2024年から「完全デジタル化」で大幅リニューアル!
- 米国の大学進学に必要な共通テスト。試験時間が約3時間から「2時間14分」に大幅短縮され、PCやタブレットのアプリ(Bluebook)で受験する形式になりました。
- ⚠️ 最大の特徴は「アダプティブ形式」:
- 前半モジュールの正答率によって、後半の問題の難易度が自動で変わる仕組みです。高得点を狙うには、前半でケアレスミスを防ぐことが絶対条件になります。
- 🎯 目標スコアと「日本人の王道戦略」:
- トップ校は1500点以上、奨学金狙いは1400点が目安。全問で計算機(Desmos)が使えるMath(数学)で限りなく満点を稼ぎ、英語の失点をカバーするのが鉄則です。
- 📝 英語(R&W)の特徴と対策順序:
- 長文が廃止され「短文・1問1答」になりましたが、英検1級レベルの超・難単語が頻出します。まずはTOEFL等で英語の基礎を固めてからSAT対策に入るのが最短ルートです。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
Digital SATとは?初心者向けに基本をわかりやすく解説

そもそもSATとは?アメリカの「共通テスト」
SAT(Scholastic Assessment Test)は、College Boardというアメリカの教育団体が主催する、大学入学志願者のための標準化テスト(全国共通試験)です。
日本でいうところの「大学入学共通テスト」にあたります。
ここで絶対に勘違いしてはいけないのが、「SATは英語力を測るテストではなく、学力(思考力や分析力)を測るテストである」という点です。
TOEFLやIELTSといった語学試験は、あくまで「留学生(外国人)」に向けて作られたものですが、SATは「アメリカ現地の高校生(ネイティブスピーカー)」が受けるために作られています。
つまり、私たち日本人がSATを受けるということは、「アメリカの高校生たちと、英語という同じ土俵で『国語(現代文)』と『数学』の学力勝負をする」のと同じです。
そのため、TOEFLなどと比べても難易度は格段に跳ね上がります。
【重要】完全デジタル化(Digital SAT)の3つの特徴

SATは2024年から紙のペーパーテストを完全に廃止し、「Digital SAT」へと移行しました。この大改革によって、試験の仕組みは以前と全く異なるものになっています。
これから対策を始める人が絶対に知っておくべき、Digital SATの3つの特徴をまとめました。
① アプリ(Bluebook)でのPC/タブレット受験
紙の解答用紙を鉛筆で塗りつぶす形式は終わりました。現在は、自分のノートパソコンやiPadなどのタブレットを試験会場に持ち込み、専用のテストアプリ「Bluebook」上で画面を見ながら問題を解く形式になっています。
② 試験時間の大幅短縮(約3時間 → 2時間14分)
旧SATでは3時間以上かかっていた長丁場の試験が、合計「2時間14分」へと大幅に短縮されました。問題の文章量も短くなり、最後まで集中力が切れにくくなったのは、日本の受験生にとっても嬉しいニュースです。
③ アダプティブ形式(前半の成績で後半の難易度が変わる)
これがDigital SATの最大の特徴です。テストは「モジュール1(前半)」と「モジュール2(後半)」の2つのブロックに分かれており、前半のモジュール1での正答率によって、後半のモジュール2で出題される問題の難易度が自動的に変化します。
高得点を狙うには、前半でケアレスミスを防ぎ、しっかりと正解を積み重ねて「難易度の高いモジュール2(Hardルート)」に進む必要があります。
古いSATの参考書やネットの過去記事を見ると、「Essay(小論文)」や「Subject Tests(科目別テスト)」の対策について書かれていることがありますが、これらはすでに廃止されており、現在は受験することができません。
現在のSATは「Reading & Writing(英語)」と「Math(数学)」の2教科のみという、非常にシンプルな構成になっています。


SATはどんな人に何点必要?(目標スコアの目安)
SATはアメリカの大学受験のためだけのテストではありません。
日本の大学の国際系学部や、高額な給付型奨学金の選考でも非常に強力な武器になります。
志望校や目的に応じて、自分が「いつまでに、何点を目指すべきか」を具体的に把握しておきましょう。
アメリカの大学を受験する場合
【アイビーリーグ等でSAT提出「必須化」の動き】
コロナ禍以降、テストスコアの提出を任意(Test-Optional)とするアメリカの大学が増えましたが、近年大きな変化が起きています。
2025年以降、MIT、イェール大学、ブラウン大学、ダートマス大学などのトップ校が、次々と「SATの提出を再び必須化」する動きを見せているのです。
自分自身の出願の可能性を狭めないためにも、アメリカのトップ校〜上位校を目指すなら、SATの受験と高スコアの取得は「必須」と考えて対策を進めましょう。
【目標スコアの目安とパーセンタイル】
1600点満点中、何点取れば「良いスコア」と言えるのでしょうか?
College Boardのデータによると、1300点で全受験者の上位約13%、1400点を超えると上位約7%という限られた層に入ります。
志望校のレベル別に見る、大まかな目標スコアの目安は以下の通りです。
- トップ校・アイビーリーグ(超難関):1500点以上(※合格者の平均は1500〜1550点台)
- 上位校・難関州立大学:1400点〜1500点
大学の公式HPを見ると、「合格者の下位25%〜上位25%のスコア幅(Middle 50%)」が公開されています。
例えばニューヨーク大学(NYU)の場合、合格者のスコア幅は1470点〜1570点です。
「第一志望校の合格者の中央値(この場合なら1520点)を超えること」を絶対目標に設定して勉強計画を立てるのが鉄則です。
日本の大学(英語学位・国際系)を受験する場合
日本の国内大学でも、帰国生入試や「英語で学位を取るプログラム(国際系学部)」に出願する際、SATスコアが利用できます(※一部の大学では提出必須)。
主な対象大学・学部
- 早稲田大学(政治経済、国際教養、社会科学部TAISIなど)
- 慶應義塾大学(経済学部 PEARL)
- 上智大学(国際教養、SPSFなど)
- 国際基督教大学(ICU)(English Language Based Admissions)
【目標スコアの目安】
最難関レベル(早稲田大学の政治経済など)を狙うなら、1400〜1450点を一つの目標に設定しましょう。
ただし、「1400点ないと絶対に受からない」というわけではありません。例えば上智大学の国際教養学部に1200点台で合格した先輩の例もあります。
日本の大学はスコアだけでなく書類やエッセイを含めて総合的に評価するため、まずは「SATのスコアを取得しておく」ことで、日米併願の選択肢が大きく広がります。
奨学金獲得のための基準(1400点が壁)
アメリカの大学は学費が非常に高額なため、返済不要の「給付型奨学金」の獲得が留学実現のカギになります。
この奨学金の審査においても、SATスコアは極めて重要です。
- 国内財団の大型奨学金:海外大進学を目指す高校生に有名な「柳井正財団海外奨学金(予約型)」では、SAT 1400点を出願の目安の一つとしています。
- アメリカの大学から直接もらう奨学金(Merit-based Scholarship):大学によっては「SAT〇〇点以上なら年間〇万ドルの学費免除」と明確に基準を設けているところもあります。例えばLake Forest Collegeでは、SAT1420点以上で年間$34,000の奨学金が提示されたケースがあります。
奨学金を狙う人は、高校3年生の夏(6月・8月の試験)までに、まずは「1400点突破」を絶対目標に設定して対策を進めましょう。


Digital SATの試験内容と難易度
SATは大きく「Reading & Writing(英語)」と「Math(数学)」の2つのセクションに分かれています。
それぞれの具体的な中身と、日本人が直面する難易度について解説します。
Reading & Writingセクション(64分・54問)
【1問1短文のシンプルな形式】
このセクションは、2つのモジュール(各32分・27問)で構成され、合計64分で54問を解きます。
Digital SATの大きな特徴は、「25〜150語程度の短い文章を読み、それに対して1問だけ答える(1問1短文)」という形式になったことです。
すべて4択問題で、前半は自然科学の評論文や小説、詩などの「内容の読解」、後半はコンマやコロンの使い方などを問う「文法問題」が出題されます。
【必要な語彙レベルと難易度比較】
形式はシンプルですが、「使われている英単語の難易度」は極めて高いです。
留学生向けのTOEFLとは違い、アメリカの現地の高校生向けに作られているため、文学作品や学術論文の難解な単語が平気で登場します。
必要な語彙レベルは非常に高く、英検1級レベルの難語や学術語彙にも対応できる読解力が求められます。
以下に、他の主要な英語試験との読解に関する難易度比較表をまとめました。
| 英語試験 | 読解パートの特徴(長さ・時間・単語量) |
|---|---|
| SAT(デジタル) |
|
| 英検1級 |
|
| TOEFL iBT |
|
| 日本の大学入試 (共通テスト) |
|
※表を見ると分かる通り、SATは「超短文」ですが、英検1級レベルの「超難単語」を瞬時に処理する力が求められます。
Mathセクション(70分・44問)
【日本人の最大の得点源(満点狙い)】
このセクションも2つのモジュール(各35分・22問)で構成され、合計70分で44問を解きます。解答形式は4択問題のほかに、自分で計算した数字をキーボードで入力する形式もあります。
問われる内容は、アメリカのカリキュラムに基づいたものですが、日本の教育を受けていれば「中学校〜高校1年生レベルの数学(一次方程式、二次関数など)」がほとんどです。
日本の数学は世界的に見てもレベルが高いため、数学が得意な人なら満点(800点)、苦手な人でもしっかり対策すれば750点以上は十分に狙える「最大の得点源」になります。
【全問で計算機(電卓)が使用可能】
Digital SATのMathは、すべての問題で計算機の使用が許可されています。
自分が使い慣れた関数電卓を持ち込めるだけでなく、テストアプリ(Bluebook)内に搭載された強力なグラフ計算機「Desmos」をいつでも画面上で使うことができます。
複雑な方程式やグラフの交点なども、Desmosに式を入力するだけで一瞬で視覚的に答えが出せるため、使いこなせれば圧倒的な武器になります。


失敗しない!SAT対策スケジュールと優先順位
アメリカの大学受験は、SATだけでなく、学校の成績(GPA)の維持や課外活動、そしてエッセイの執筆など、やるべきことが山積みです。
限られた時間の中で結果を出すためには、正しい「優先順位」と「戦略的なスケジュール」が欠かせません。
英語資格(TOEFL/IELTS等)を優先すべき理由
「海外大に行くなら、早くSATの勉強を始めなきゃ!」と焦る気持ちは分かりますが、前提として、まずはTOEFLやIELTSなどの「語学要件の取得」を優先してください 。
SATの提出は任意(オプショナル)としている大学もまだ多いですが、留学生に対するTOEFLやIELTSなどの語学要件は「必須」であることがほとんどだからです 。
さらに、SATのReading & Writingセクションで出題される文章は非常にレベルが高いため、TOEFLのReadingで25点(30点満点中)前後、あるいはIELTSで6.5程度の読解力が身についていない状態では、SATの問題には全く太刀打ちできません 。
まずはTOEFL等の対策で英語力の基礎をガッチリと固めてから、SATにチャレンジするのが最も効率的なルートです。
いつ頃始め、何回受験するべきか?
SATの対策は、「高校2年生の冬〜3年生の春」あたりに始める人が多いです 。
SATは年に複数回実施されており、何度でも受けることができます 。
1回目の受験でいきなり目標スコアに到達することは稀なので、最初から「2〜3回受験する」想定でスケジュールを組むのが賢明です 。
【おすすめの受験スケジュール例】
- 高2の3月 または 高3の5月:まずは本番の雰囲気やアプリの操作に慣れるために「お試し」で受験してみる 。
- 高3の6月・8月:本格的な対策を積んで勝負の受験。奨学金の出願(柳井正財団など)を考えている場合は、ここで「1400点以上」を狙う 。
- 高3の10月・11月:最後のスコアアップを狙う。ただし、秋以降は出願用のエッセイ執筆で非常に忙しくなるため、なるべく8月までに目標スコアに近い数字を取っておくのが理想的 。
【戦略:スーパースコアを狙う】
アメリカの多くの大学では「スーパースコア(Superscore)」という制度を採用しています。
これは、過去に受けた複数回のSATスコアの中から、「Mathの最高点」と「Reading & Writingの最高点」をそれぞれ組み合わせて、総合スコアとして提出できる非常にありがたいシステムです 。
一回一回の受験にリスクはないため、プレッシャーを感じすぎずに何度でもトライしましょう 。
効率的な対策の4ステップ

SATのスコアを最短で上げるためには、以下の❶〜❹の順番で対策を進めるのが最も効率的です。
❶ 単語(コツコツ続ける)
まずは語彙力を上げるところから始めます 。どんな問題を解くにも単語力は必須ですが、12,000語レベルの単語を一朝一夕で習得することは不可能です 。テスト当日まで、毎日コツコツと単語帳を回し続けましょう 。
❷ 数学(真っ先に満点を確保する)
並行して真っ先に手をつけるべきは『Math』です 。数学は他の科目に比べて必要な英語レベルが低く、日本の中高生であれば短期間の対策で劇的にスコアが伸びます 。まずはMathで「満点(あるいは満点に近い点数)」を確保して、気持ちに余裕を持たせましょう 。
❸ 文法(ルールをマスターする)
次に取り組むのが『Reading & Writing』の後半で出題される文法問題です 。コンマやコロンの使い方など、SAT特有の文法ルールさえ覚えてしまえば、英文の意味が完全にわからなくてもパズル感覚で確実に得点できるようになります。
❹ 読解(最後に長文の演習を繰り返す)
最後に『Reading & Writing』の読解問題に取り組みます 。公式問題集や模試アプリを使い、速読と「文章の中から正解の根拠を見つける」練習をひたすら繰り返します 。


おすすめの勉強法と必須の参考書
SAT対策において、「何冊も分厚い参考書を買う」必要はまったくありません。
実は、SATには公式が提供している「最強の無料ツール」が存在します。
まずはそれらをフル活用して自分の実力を測り、弱点が見えたら市販の参考書でピンポイントに補強する、というのが最も賢く効率的な勉強法です。
最強の無料ツール「Bluebook」と「Khan Academy」
SAT対策を始めるなら、まずは以下の2つの無料ツールを必ずダウンロード(または登録)してください。
【① 公式テストアプリ:Bluebook】
Bluebookは、本番のSATで実際に使用する公式のテスト用アプリです 。
このアプリ内には「Full-length practice(フルレングス模試)」という本番と全く同じ形式の模擬試験が複数収録されています 。
College Boardから紙の公式問題集も販売されていますが、中身はBluebookで無料で受けられる模試と全く同じなので、わざわざ買う必要はありません 。
まずはこの公式模試を解いて本番の形式に慣れることが、実力を発揮するための第一歩です 。模試を受けた後は「My SAT」のページで予想スコアや間違えた問題の復習ができます 。
【② 無料オンライン講座:Khan Academy(カーンアカデミー)】
Khan Academyはアメリカの非営利団体が運営する教育サイトで、SATの戦略から分野別のドリル、模試まで、高品質なオンライン講座をすべて「無料」で受けることができます 。
わざわざ高いお金を払って日本の予備校に通わなくても、このサイトだけで十分すぎるほど良質な学習が可能です 。
Bluebookの模試結果と連携させれば、自分の弱点に合わせたカスタムドリルを自動で作ってくれるため、毎日の学習のメインツールとして徹底的に使い倒しましょう。
科目別おすすめ市販参考書
無料ツールで自分の弱点がわかったら、それを補強するための市販教材を選びます。
SATの参考書は、「何冊も買わずに、まずは1冊をマスターするまで繰り返し解く」のが鉄則です 。
【単語帳(Vocab)】
SATで戦うには、最終的に「英検準1級」以上の単語レベルに到達する必要があります 。
まずはどちらか自分のレベルに合った1冊を徹底的に暗記し、それでも足りないと感じた部分だけを他の単語帳で埋めていく戦略をとりましょう 。
【文法書(Grammar)】
SATのWriting問題では、文法の正確な理解が問われます。
中学校〜高校の基礎文法に不安がある人は、このような王道の文法書を手元に置き、辞書代わりに使って基礎を固め直すのが一番の近道です 。
【総合対策・科目別ワークブック(Math / R&W)】
アメリカの有名出版社が出している参考書は、それぞれ難易度や特徴が異なります。
- Barron’s(バロンズ)シリーズ:世界中で信頼が厚い定番シリーズです 。本番よりも少し難易度が高めに作られていることが多いため、満点や超高得点を狙う上級者の負荷トレーニング(Math WorkbookやWriting Workbookなど)に最適です 。
- Kaplan(カプラン)シリーズ:Barron’sに比べて、本番のSATの難易度や傾向に非常に近い問題が多く収録されています 。基礎から標準レベルをしっかりと固めたい人(Kaplan Math Workbook for the New SATなど)におすすめです 。


スコアを底上げする!試験本番の戦略・コツ
どれだけ参考書で完璧に準備をしても、試験本番の独特な緊張感の中では、予期せぬミスやタイムロスが起こります。
ここでは、本番で「確実に取れる点数を取りこぼさない」ための3つの超実践的な戦略をお伝えします。
コツ①:時間配分と「フラグ機能」の活用
SATにおいて最も意識すべきなのは「時間との勝負」です。
1問にかけられる時間は限られているため、「パッと見て解法が思い浮かばない問題」に時間を長く費やすのは絶対に避けてください。
ペーパーテスト時代は問題用紙に「△」などのマークをつけて後で戻るようにしていましたが、Digital SATのテストアプリ(Bluebook)には、問題に目印をつけられる「Mark for Review(フラグ機能)」が搭載されています。
少しでも迷ったらすぐにフラグを立てて適当な答えを選び、サクサクと次の問題へ進みましょう。
まずは最後まで解き切り、「絶対に解ける簡単な問題」で確実にスコアを稼ぐことが最優先です。
余った時間で、フラグを立てた「自信のない問題」の画面に戻り、じっくりと見直しを行いましょう。
コツ②:わからなくても必ず答える(消去法)
現在のSATでは、「間違った答えを選んでも、無回答でも、減点されることは一切ない(ペナルティなし)」というルールになっています。
そのため、どれだけ時間が足りなくても、絶対に空欄のままテストを終わらせないでください。
わからない問題でも、一番近いと思うものを推測して必ずどれか一つを選びましょう。
また、正解がどうしても見つからない場合は、正しい答えを探そうとするのではなく「明らかに間違っている答えから消去していく(消去法)」のが鉄則です。
4択の中から2つでも消去できれば、正解する確率は一気に50%まで引き上がります。
コツ③:Mathは「内蔵電卓(Desmos)」を使い倒す
Digital SATのMathセクションは、全問で計算機の使用が許可されています。
普段から使い慣れている自分の関数電卓を持ち込むことももちろん推奨しますが、それ以上に強力な武器になるのが、テストアプリ(Bluebook)内に標準搭載されているグラフ計算機「Desmos(デモス)」です。
複雑な二次関数や連立方程式なども、Desmosの画面に式をそのまま打ち込むだけで、一瞬でグラフ化されて視覚的に「交点(答え)」を見つけることができます。
手計算では5分かかる難問が、Desmosを使えば10秒で解けてしまうことも珍しくありません。
本番で時間を大幅に節約するためにも、日頃の模試演習から「Desmosを使いこなす練習」を徹底しておきましょう。


SATの申し込み方法と当日の流れ
受験を決めたら、次は事務的な手続きと当日のシミュレーションです。すべて英語でのオンライン手続きになるため、ミスがないように具体的な手順と必須アイテムを確認しておきましょう。
アカウント作成から受験登録までの手順(College Board)
SATの申し込みは、すべて「College Board」の公式サイトからオンラインで行います。試験日の約3か月前から登録が可能です。
日本国内の席は埋まりやすいため、早めの申し込みを心がけましょう。
① アカウント作成と情報入力:
College Boardのサイトで「My SAT」のアカウントを作成し、名前や高校名などの個人情報を入力します。
高校の名前を検索して出てこなかった場合は、「Not Listed」を選んでください。途中でアンケート項目が多数出ますが、適当に答えるかスキップして構いません。
② テストセンターと日程の選択:
日本国内の試験会場は、東京や大阪などの都市部に集中しています。
地方に住んでいる方は遠方の会場を選ぶことになるため、試験前日の「前泊(ホテル予約)」と、当日の交通手段(朝でも移動手段が複数あるか、乗り換えが少なくわかりやすいルートか)をセットで手配しておきましょう。
③ 顔写真のアップロードと支払い:
本人確認用の顔写真をアップロードします(自室でのスマホ自撮りで問題ありません。
テスト前に髪型などが大きく変わった場合は後から再アップロードも可能です)。
最後にクレジットカードで受験料(約$111相当。※基本料+地域追加手数料)を支払うと、申し込み完了(席の確保)となります。
受験前日までの準備(Exam Setupと持ち物)
申し込みが完了したら、以下の準備を必ず「試験の数日前」までに終わらせてください。
- テスト用デバイスの準備とアプリのインストール:
当日使用するノートパソコンやタブレット(iPad等)に、公式テストアプリ「Bluebook」をインストールしておきます。
テストセンターにはWi-Fiが完備されているため、iPadの場合はcellular(セルラー)モデルである必要はありません。
当日は電源に繋げない可能性があるため、「3時間はバッテリー駆動できる状態」にして、フル充電で持参してください。
- Exam Setupと受験票(Admission Ticket)の発行:
試験の1〜5日前になると、Bluebook上で「Exam Setup」という事前設定ができるようになります。
これを完了させないと、当日の受験票(Admission Ticket)が発行・印刷できず受験できなくなるため、絶対に忘れないでください。
- パスポート(写真付き身分証明書)の用意:
当日の本人確認には、顔写真付きの身分証明書が必須です。
日本語のみで書かれた学生証などは認められないリスクが高いため、最も安全で確実な「パスポート」を必ず持参しましょう。
テスト当日の流れと注意点
【タイムスケジュールと遅刻厳禁】
公式の案内では、7:45開場、8:00受付締め切りとなっています(※テストセンターによっては7:45より前に入って準備できることもあります)。
8:15〜8:45の間に準備ができた人から順次テストが開始されます。SATは時間に非常に厳しく、少しでも遅刻すると会場に入れてもらえず、受験料も無駄になってしまいます。受付ではスマートフォンなどの電子機器が回収されます。
【持ち物(電卓)の裏ワザ】
MathセクションではBluebook上のアプリ内蔵電卓(Desmos)を使えますが、画面上の操作が使いにくく感じる場合もあります。
いざという時のために、使い慣れた自分の関数電卓(できれば「三乗根が外せるもの」)を持参しておくと非常に安心です。
【休憩中のお菓子(糖分補給)】
Digital SATは2時間強の試験ですが、難解な英語の長文や数学を英語で処理し続けるため、脳は激しく疲労します。
セクション間の休憩時間に、素早く糖分を補給できる「チョコレートやラムネ」と、噛み応えがあって目が覚める「ガムやグミ」の両方を持参し、エネルギー切れを防ぎましょう。
【メンタルの保ち方】
本番は誰でも緊張しますが、「英語の長文が怖い」という苦手意識を持ったまま臨むとスコアが落ちやすくなります。
数日前から英語の小説を読むなどして「英語モード」に脳を切り替え、当日は「英語が好き!絶対に解ける!」と自分に思い込ませるくらいの前向きなメンタルで試験に挑みましょう。
また、試験官が「終了」の合図を出したらすぐにデバイスの操作をやめてください。少しでも続けると不正行為とみなされ、スコアが無効化されるため要注意です。


よくある質問(FAQ)

ここでは、これからSATを受験する皆さんがよく抱く疑問について、最新のルールに基づき一問一答形式で回答します。
- SATは日本でも受けられるの?
はい、受けられます。東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡、沖縄など、国内の複数の都市にテストセンター(試験会場)が設置されています。
ただし、毎回すべての会場が開催されるわけではなく、日程によって開催地が異なるため、College Boardの公式サイトで早めに空き状況を確認してください。
- SATの受験料はいくら?
日本国内で受験する場合、基本の受験料は$68で、日本を含む国際受験では追加$43がかかるため、合計$111が目安です(年度により変更あり)。
支払いはクレジットカードのみとなります。
- SATの結果(スコア)はいつわかる?
Digital SATは採点が早いため、受験日から約2〜3週間後にはCollege Boardの「My SAT」アカウント上で自分のスコアを確認することができます。
- SATのスコアに有効期限はある?
SATのスコアに公式な有効期限はありません。
ただし、多くの大学は「過去5年以内」のスコアを推奨しているため、高校1年生〜3年生の間に取得したスコアであれば、出願時に問題なく使用できます。
- 申し込みに遅れた場合、キャンセル待ち(Waitlist)はできる?
いいえ、現在はキャンセル待ち(Waitlist)の制度は利用できません。
以前は、申し込み期限が過ぎても追加料金を払えば当日に空き枠を狙える「ウェイトリスト制度」がありましたが、College Boardはこの制度を廃止しました。
定員が埋まった時点でその会場は予約不可となるため、試験の3か月前には早めに席を確保する(申し込む)ようにしてください。
- SATとACTは何が違うの?どちらを受けた方が良いの?
SATと並ぶアメリカの大学進学適性試験に「ACT」があります。
SATが「英語と数学」に特化しているのに対し、ACTには「理科(Science)のデータ分析」が含まれている点や、1問あたりにかけられる時間が短く「スピード勝負」になる点などが大きく異なります。
どちらが自分に向いているかは、両方の公式模擬試験を一度解いてみて、点数が取りやすい(相性が良い)方を選ぶのがベストです。
終わりに(焦らず、着実に!)
ここまで、最新のDigital SATの試験概要から、目標スコアの目安、効率的な対策スケジュール、そして申し込みの手順までを徹底的に解説してきました。
この記事を読んで、「アメリカの現地の高校生と同じレベルのテストを受けるなんて、自分にできるのかな…」「英検1級以上の単語を覚えるなんて無理かも…」と不安になってしまった方もいるかもしれません。
でも、安心してください。今アメリカの大学で学んでいる私たち(筆者たち)も、最初はSATの文章が全く読めず、単語帳を開いては睡魔に襲われる日々からのスタートでした。
SATは、ネイティブスピーカーでも特別な対策をして挑むほど難易度が高い試験です。最初からスラスラ解ける日本人なんてほとんどいません。
SATの勉強は、すぐに結果が出るものではなく、数ヶ月単位での長期戦になります。だからこそ、他の誰かと比べて焦る必要は全くありません。
毎日少しずつでも単語を覚え、公式アプリ「Bluebook」で模試を解き、間違えた理由を分析する。その地道なステップを信じて繰り返していけば、必ずスコアは右肩上がりに伸びていきます。
また、アメリカの大学の入試制度(SATを必須とするか、任意とするか)は、現在も毎年のように刻々と変化しています。
この記事の情報はもちろん、志望する大学の公式ホームページもこまめにチェックして、常に最新の情報を手に入れるようにしてくださいね。
この完全ガイドが、皆さんの海外大学進学という大きな夢を叶えるための「最初の一歩」になれば幸いです。
焦らず、着実に。皆さんの努力が実を結ぶことを心から応援しています。Keep practicing!












初心者のためのSAT攻略ガイドを拝見させていただきました。
私もSATを受験し、アメリカの大学に合格したのですが、やはり、Readingは、純ジャパで田舎の高校生であった私には、異次元の難しさでした。あとから気づいたのですが、TOEFLで高得点を出してからReadingに取り組んだ方が、効率が良かったのかなと思いました。
あと、プリンストン大生が言っていたのですが、Khan Academyで無料でSAT対策できるらしいです!
HIROさん
コメントありがとう!
英語で受けるセンター試験と考えると、SATは純ジャパには英語のハードルがすごく高いよね。カーンアカデミーのSAT対策は活用すべきリソースだね!
先日SATのWaitlistに登録したのですが期限切れのため会場は指定されているのですが
振り込みが完了しておらず親に心配をかけてしまいました
振り込み完了はいつ頃になるのでしょうか?
また当日は何時頃に会場に着くのがベストでしょうか?
Waitlistに登録してもすぐ料金は発生しないよ!空きが出てwaitlist順で席が決まってから料金が発生するので、振込時期がいつになるかは状況次第だね。
会場に着く時間に関して、受験票に特別な記載がない限り、通常午前7:45に会場が開き、8時には閉まるので、ちょっと早めに(7:30ぐらい)会場に着けば問題ないはずだよ!
こんにちは
いつも参考にさせていただいております
質問なのですが
SAt受験後にスコアを送付しますが
9日間の無料期間中に送った場合
大学側に届くのはいつ頃なのでしょうか
ご存じなら教えていただけると幸いです。
またRush Scoreを利用した場合は
どれぐらいで届くのでしょうか
College Boardが大学スコアを送るのは、スコアが自分で見れるようになってから10営業日以内みたいだね。
https://www.princetonreview.com/college-advice/send-sat-scores
Rush Scoreの場合、Rush Scoreを依頼した後、1,2営業日で大学に送られる!
https://collegereadiness.collegeboard.org/sat/scores/sending-scores/rush-reporting
基本College Boardはデータでスコアを大学に送るので、同日に大学には到着するけど、それぞれの大学で定期的にスコアをダウンロードするスケジュールがあるので、大学がスコアをダウンロードするには到着後1営業日から1週間ぐらい必要みたいだね。
ほんとにわかりやすいい!
SATの勉強を始めようとおもっています。一日2-3時間くらいの勉強するのであれば、いつ頃テストを受けれるようなレベルに達するでしょうか。
必要な準備期間は、毎日の勉強時間だけでなく、現在の英語力・目標点数や勉強方法等々によって変わってくるね。
まずは目標スコアを決めて、SATのサンプル問題をやってみよう!
試験の難易度、自分の今のレベルと目標点がどれぐらい離れているかを体感すると、勉強の計画も立てやすくなるのではないかな?
海外の大学で勉強したいとは思っていたものの、知らないことばかりだったので非常に役に立ちました。
どういたしまして!海外大学進学の夢を是非叶えてね!何かわからないことがあればいつでもコメントしてね!
馬鹿息子、やっと入力が終わり ホットしました。ほんとにゃんこ先生のおかげで助かりました。
無料のテスト、活用してもらいます^_^
ぺこさん、海外大学受験は親も子供も大変なので、お役に立てて何より!息子が志望校に合格できるように!また何かあればサイトに遊びに来てね!
にゃんこ先生ありがとうございます。お聞きしたいことほんと山盛りです。親はいらいら、子はうるさいと。全くです。アーリー出願もするため、さらにいらいらします。また、よろしくお願いします。
何か質問があれば、いつでもコメントしていただければ!他の人の役にも立つので、喜んで答えるよ!
初めまして。
詳しい情報をありがとうございます。
来年の9月入学を念頭に置き8月のSATの試験を申し込もうとしたところ既に全会場が埋まっており、なんと来年の3月迄予約でいっぱいのようです。ウエイトリストもありませんでした。今年はコロナのせいでキャンセルが出たせいでしょうか? これでは希望の大学に出願すらできません。
他にも今年受験を目指してる学生も受験できない人で溢れかえっているのではないでしょうか?
問い合わせをしたいのですが日本には問い合せ支部は無いですよね。
こんにちは、コロナの関係でSATの受験できる数が大幅に削減されているようだね。
https://pages.collegeboard.org/sat-covid-19-updates
こちらのリンクにお問い合わせ先が乗っているので、連絡してみるのはどうかな?(アメリカのカレッジボード本部)
にゃんこ先生ご無沙汰しております。あっという間に8月になってしまいますね。愚息も着々と準備をしているようですが どのくらいいけるか、問題集だけでなく対策して欲しいものです。男子あるある、その場限り。
11月の出願に間に合うのか、こちらもはらはらするばり。まだエッセイも手付かずで末恐ろしいです。
ところで、合格後の流れが今ひとつよくわかりません。
書類のやり取り以外のお金について、どのような感じか教えて頂けますか?
よろしくお願い致します。
Saqさん
はじめまして、ペコと申します。愚息が、SATから試験申し込みの連絡が来てから申し込みをしたところ、すでき空きが、沖縄しかなかったとのことです。
ですが、希望の場所があれば検討との、
記載があり、リクエスト状態で申し込みをしておいた、そうです。今朝きいてびっくり。
1週間後に、受付された連絡があったようです。
まずは、問い合わせしてみたら良いかと思います。
8.9.10月全て同じ会場です。
参考まで。
ペコさん、お久しぶり!コメントありがとう。そして経験も共有してくれて助かる!
最近はコロナの影響でSAT不要とする学校も多いらしいよね。
さて、お金に関しては、基本的には合格通知が出ると一定の期間内にデポジットが求められて、デポジットは入学する場合は学費充当、入学しない場合は返金されないことが一般的かな。
その後はセメスターごと学費を前払いしていくことが一般的。毎月分割で払うことができることもあるよ。
にゃんこ先生、こんちには。先程のコメントが消えてしまいました。
詳しくありがとうございます。
またあとで、コメントします。
高2です。
TOEFLは今80で、SATは8月までに1400後半欲しいです。
agosのSAT講座が3月にあって、受けるように言われているのですが、講座が本当に意味のあるものなのか分からないため、取るかどうか迷っています。
独学でこの期間で、1400後半取れると思いますか?
まずはSATの問題集や模試を1セットやってみて、自分の今の実力を把握したら、目標までどれぐらい足りないのかを把握しよう。
その上で、間違えの分析などをして自分の弱点を克服するための勉強を実施しなければならないね。
予備校は弱点分析などを個別にしてくれるわけではないので、結局は自分で考えて努力をする(わからないことは先生にたくさん聞くとか)ことが大事。
独学か、予備校かには正解はないけど、それ以上に自分で弱点分析や対策のための時間をつくることが大切になるよ!
ありがとうございます!♀️♀️
高2の娘を持つ母です。
海外の大学を目指してSATを受験する予定にしていましたが、前出のSaqさん同様全て受験会場が埋まっており、受験すらできない状況です。
Waitingのシステムもできないようで、八方塞がりです。
期間的には遅いのですが、8月の受験はまだ受付が始まってないようなので受付開始を待っているところですが、受付はだいたいどのくらい前から始まるのでしょうか?
あれいしゅんさん
質問ありがとう!
通常は受験日の約2ヶ月前から受付開始だよ。
ちょこちょこキャンセルが出るようなので、チェックしながら待ってみてね!
2か月前ですね、ありがとうございます!
娘には一応毎日チェックするように伝えました。
こんにちは!新高3です
4月のTOEFLでR30 L26が取れたので、SAT対策にシフトしました。
TOEFL3800は全てまわしたのですが、SATの過去問を解いてみたら割と分からない単語がありました。ですので単語をもっと覚えた方がいいかなと思い、トフルゼミナールの出している、「SATtest英単語集中マスター」をやろうと思うのですが、出版年が2009年と古いです。
この単語帳をやることには効果ありますか?
ちなみにSATは4月頭から勉強初めて、5/3、6/3に受ける予定です。1500+をめざしています。
みろりきさん
質問ありがとう!
SATやGREの単語は、ネイティブでも対策が必要なので、
個人的には、日本語で難しい英単語を理解するより、英語で理解すべきなので、海外のSAT対策資料を活用したほうがおすすめ。
既にR30なので問題ないはず!
Magooshの無料の単語リストで単語を押さえ、Khan Academyで全般の対策を学習してみよう。
ありがとうございます!