




MBAや海外大学院の受験において、多くの純ジャパ受験生を苦しめるのがGMATです。
独特の出題形式に加え、受験頻度のルールがあるため、「できるだけ少ない回数で決めたい」というプレッシャーから、高額な予備校に通うべきか悩む人は少なくありません。
しかし、GMATでスコアメイクをするために最も重要なのは、予備校の授業をたくさん受けることではなく、「限られた時間の中で、何を捨て、何に集中するか」という戦略的な割り切りです。
この記事では、「GMATとは何か?」といった基礎的なテスト概要の解説は最小限に留め、筆者(Kai)が実際にどのような戦略を立て、どのようなスケジュールで、どの教材を使って独学で目標スコア(旧650点、現行GMATではおおむね615点前後)を達成したのか、その生々しい奮闘記とノウハウに特化して解説します。
「仕事が忙しくて勉強時間が取れない」「なるべくお金をかけずにGMATを終わらせたい」という方は、ぜひ彼のアプローチを参考に、自分だけの最短ルートを見つけてください!
大学卒業後は外資系の戦略コンサルティングファームにて4年半勤務。激務の合間を縫ってGMATを独学で対策(旧スコア650点獲得)。イギリスのオックスフォード、ウォーリック、マンチェスター、ノッティンガム、エクセター大学のMBAに出願し、無事全てからオファーを獲得。
※Kaiさんの受験体験は旧GMAT時代のものですが、本記事では現在のGMAT(Quantitative Reasoning、Verbal Reasoning、Data Insightsの3セクション制)に読み替えながら、独学戦略として再整理しています
- 💡 結論:予備校なし・短期決戦の鍵は「割り切り」!
- トップ校の超高得点を深追いせず、志望校(欧州MBA等)の合格ラインである「旧650点(現行615点前後)」を目標にし、残りの時間はエッセイ対策に全振りします。
- 🗓️ 最初の1ヶ月は「単語」に全集中:
- いきなり問題演習をせず、まずはGMAT特有の難解な英単語を徹底暗記します。この土台作りが、後半の演習スピードを劇的に引き上げます。
- ✂️ 分野別の「捨てる」戦略(手抜きリーディング):
- 純ジャパにとって長文読解(RC)の精読は難しいため「スキミング(拾い読み)」で耐え、論理問題(CR)と得意の数学(Math)で確実に点数を稼ぎます。
- 📖 使用する教材は「3つ」に絞る:
- 『GMAT重要単熟語』、必須の『Official Guide(OG)』、弱点補強の『Manhattan Prep』のみを使用し、徹底的に使い倒してGMACの思考回路をトレースします。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
GMAT独学で2ヶ月を選んだ理由|忙しい社会人が短期決戦にした背景
MBA受験において、高額なGMAT予備校に通う人は多いですが、私は最初から「独学」で、しかも「2ヶ月」という短期間で終わらせる戦略を立てました。
その理由は、自分自身のスキルセットと志望校の傾向を冷静に分析した結果です。
予備校を使わなかった理由:自分の「弱点」にのみ特化するため
勉強を始める前に、まず自分の「強み」と「弱み」を棚卸ししました。
- 強み:理系出身のためMath(数学)に苦手意識がない。また、コンサルティングファームでの実務経験から、CR(論理的推論)で求められるロジカルシンキングには慣れている。
- 弱み:純ジャパであり、IELTSのスコアは7.0を持っていたものの、GMAT特有の難解な英単語や長文読解(RC)には圧倒的な課題がある。
この分析から、私にとって必要なのは「予備校で週に数回、全体的な解き方の授業を受けること」ではなく、「GMAT特有の英単語を毎日大量に暗記し、自分のペースでひたすら弱点(Verbal)の演習を繰り返すこと」だと判断しました。
予備校の画一的なカリキュラムに合わせるよりも、独学で自分の課題に100%の時間を投下する方が、結果的に短期間でスコアが伸びると考えたのです。
なぜ「旧650点(現行615点前後)」を目標にしたのか
もう一つの大きな決断は、「GMATで完璧を目指さない(高得点を深追いしない)」ということです。
アメリカのトップ校(M7など)を目指す場合、旧スコアで730点以上(現行GMATで675点以上)という非常に高いハードルが求められます。しかし、私の志望校はオックスフォード大学をはじめとするイギリス・ヨーロッパのビジネススクールでした。
ヨーロッパのMBAは、GMATの点数単体で足切りをするというよりも、「職務経験(レジュメ)」や「人間性・ビジョン(エッセイ・インタビュー)」を含めて総合的に評価する傾向が強いです。
そのため、GMATに半年も1年もかけて700点以上を狙うのは「時間対効果(コスパ)」が悪いと判断しました。
合格の最低ラインとなる「旧650点(現行GMATのスコアで615点前後)」を2ヶ月でサクッとクリアし、残りの限られた時間はすべて、合否を大きく左右するエッセイの執筆やインタビュー対策に全振りする、という明確な割り切り戦略を取ったのです。


GMAT独学スケジュール|働きながら2ヶ月で進める勉強法
コンサルティングファームでの激務の中、勉強に割ける時間は「平日朝の出社前1時間と、就寝前の1時間(休日は数時間)」が限界でした。
私の総勉強時間は、2ヶ月間で約70時間です。一般的な目安(90〜100時間)より少し短めですが、これは事前に戦略を立て、「やるべきこと」を徹底的に絞り込んだ結果です。
この70時間をどのように配分したのか、具体的なスケジュールを公開します。
最初の1ヶ月:ひたすら「GMAT特有の単語」を叩き込む
勉強を開始した最初の1ヶ月間は、問題演習(公式ガイドを解くなど)は一切やらず、ひたすらGMAT用の単語帳を暗記することに全振りしました。
「いきなり問題を解かなくて大丈夫?」と思うかもしれませんが、これには明確な理由があります。
IELTSで7.0を取れる英語力があっても、GMATのVerbal(特にRCやCR)に出てくる単語は全くの別物です。学術的で高度な抽象名詞や、論理構造を左右する特殊な動詞が頻出します。
単語の意味が分からない状態で長文や論理問題を読んでも、思考がストップしてしまい、自分が「英語力でつまずいているのか」「ロジックの理解でつまずいているのか」の分析すらできません。
そのため、まずは土台となる単語力を完成させることを最優先にしました。
通勤電車の中や寝る前の時間を使い、1冊の単語帳を1ヶ月で最低10周は読み込み、GMAT特有の語彙を反射的に引き出せる状態に仕上げました。
最後の1ヶ月:公式問題集(OG)と模試での弱点分析
単語の土台が完成した2ヶ月目から、いよいよ公式問題集(Official Guide:通称OG)を使った本格的な演習に入りました。
単語が頭に入っている状態だと、問題文の意図がスムーズに理解できるため、純粋に「GMATのロジックや引っ掛けのパターン」に集中して対策を進めることができます。
演習を進めつつ、公式サイトで提供されている無料の公式模試(GMAT Official Starter Kit + Practice Exams 1 & 2)を最大限に活用しました。
模試を受ける目的は、単なる実力試しではありません。「本番の過酷なタイムプレッシャーの中で、どこで点数を稼ぎ、どの難問を捨てるべきか」という時間配分と決断力の感覚を体に覚え込ませるためです。
模試の結果とOGの正答率を見比べ、自分の弱点(私の場合、どうしても時間がかかってしまうRCの特定トピックなど)を可視化し、残り少ない時間を「確実に点が取れる分野の精度上げ」に集中投下しました。


【分野別】独学でスコアを最大化するための「割り切り」戦略
私が受験した当時はSC(文法問題)やAWA(ライティング)があり、SCを最初の得点源にする戦略が王道でした。
しかし、現行のGMATではこれらが廃止され、より純粋な「思考力と処理スピード」が問われる構成になっています。
ここでは、現在のスコアメイクの核となるMath(数学)、CR(論理的推論)、RC(長文読解)の3分野において、私が実践した「どこで点を稼ぎ、どこを捨てるか」という割り切り戦略を解説します。
Math(Quantitative)は「復習」と「スピード」のみ
GMATのMathで出題される数学の知識自体は、日本の中学〜高校の「数Ⅰ・A」レベルです。そのため、理系出身の方や数学に苦手意識がない方であれば、新しい公式をゼロから学ぶような対策はほぼ不要です。
しかし、油断は禁物です。Math攻略の最大の壁は「難易度」ではなく「時間とプレッシャー」にあります。
現行GMATのMathは21問を45分で解く必要があるため、「1問あたり約2分」というシビアなペース配分が求められます。
私の対策は、忘れていた数学用語(英語表現)や基礎知識を軽く復習した後は、「いかに1問2分以内で、ケアレスミスなく確実に正解を出し続けるか」というスピードと正確性のトレーニングに全振りしました。
分からない問題に固執せず、適当にクリックして次に進む「損切り」のルールを自分の中で徹底したのもこの時期です。
純ジャパ文系でもMathで高得点を死守するための具体的な解法テクニックについては、マスアカだけでGMAT Math高得点は無理?文系向け対策の記事も参考にしてください。
Verbalは「CR」で稼ぎ、「RC」は深追いしない
純ジャパにとって最大の鬼門となるVerbalセクションですが、ここでも明確な優先順位をつけました。
結論から言うと、「CR(論理的推論)を得点源にし、RC(長文読解)は耐える(深追いしない)」という戦略です。
CR(Critical Reasoning):論理の矛盾を突くゲーム
CRは、短い文章を読んで「前提」と「結論」を見つけ、その間にある論理の飛躍(Gap)を突いたり補強したりする問題です。
一見難しそうに見えますが、英語の試験というよりは「論理パズル」に近いため、コンサル実務などでロジカルシンキングに慣れている人にとっては、パターンさえ掴めば最もスコアを安定させやすい分野です。
「正解には必ず論理的に納得し得る理由がある」と割り切り、OG(公式ガイド)の解説を読み込んで論理展開のパターンを自分の中にストックしていきました。
RC(Reading Comprehension):精読は諦め、スキミングで耐える
一方で、RCは純ジャパには一番キツい分野です。見慣れない専門用語が並ぶ長文を、ネイティブと同じスピードで精読するのは物理的に不可能だと早々に諦めました。
私のRC戦略は、「段落ごとの要点(著者の主張)だけを拾い読み(スキミング)し、細部は設問で聞かれた時だけ探しに戻る」という徹底した手抜きアプローチです。
GMAT特有の難解なトピックへの耐性をつけるため、問題演習だけでなく、通勤時間を使ってThe EconomistやThe New York Timesなどのニュース記事をスキミングする訓練を日課にしていました。
RCは「全問正解できなくても仕方ない」と割り切り、CRに時間と集中力を残すことを優先しました。
この「手抜きリーディング」の具体的なやり方や、Verbal全体のさらなる高得点戦略については、GMATトップスコア突破の総合戦略&Verbal攻略法の記事で詳しく解説しています。


GMAT独学におすすめの教材3選|短期間で使うべき参考書
独学で短期間に結果を出すためには、あれこれと様々な参考書に手を広げず、信頼できる少数の教材を徹底的に使い込むことが重要です。
私が2ヶ月の独学期間で実際に使用し、目標スコア達成の核となった3つの教材を紹介します。
1. 『GMAT重要単熟語』(単語の土台)
最初の1ヶ月を完全に捧げたのがこの1冊です。
GMATに頻出する難解で特殊な単語が目標スコア別にまとめられており、今の自分に必要なレベルだけを効率よく暗記できます。
私は通勤時間や寝る前などのスキマ時間を使い、この本を少なくとも10周は回して完全に頭に叩き込みました。
この「単語の土台」を序盤で作ったからこそ、その後の長文読解や論理問題で英語そのものに躓くことがなくなり、圧倒的な時短に繋がりました。
2. 『Official Guide (OG)』(必須の公式本)
言わずと知れたGMAT受験生のバイブルであり、絶対に外せない公式問題集です。
本番のテストを作成しているGMACが出版しているため、問題のクセや難易度、巧妙な引っ掛けのパターンを肌で感じるにはこれ以上の教材はありません。
私は単語を固めた後の2ヶ月目に、このOGを使って一気に演習を行いました。
「どの問題で間違えやすいのか」「どこに時間がかかっているのか」を分析し、公式の解説を読み込んでGMACの『思考回路』をトレースするための最強のツールです。
3. 『Manhattan Prepシリーズ』(苦手分野の補強)
OG(公式ガイド)は問題演習には最適ですが、解説が少しあっさりしていることがあります。
そこで、OGだけでは理解が追いつかない分野や、解法のテクニックを体系的に学びたい時の補強として使用したのがこのシリーズです。
分野別(CRなど)に出版されており、ネイティブ向けの教材ですが、ロジックの組み立て方や消去法のアプローチが非常に論理的で分かりやすいです。
すべてを買う必要はなく、自分の苦手なセクションやスコアが伸び悩んでいる分野だけをピンポイントで購入し、OGと併用して弱点を潰していく使い方がおすすめです。


まとめ:GMATは「戦略」で勝てる!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
GMATは、MBA受験生にとって間違いなく最大の壁の一つです。
しかし、周りが高額な予備校に通っているからといって、焦って同じように「とりあえず全範囲を勉強する」必要はありません。
私の2ヶ月の独学体験が証明している通り、「自分の強み・弱み」と「志望校が本当に求めているスコア」を冷静に分析し、やること・やらないことを明確に切り捨てる戦略さえあれば、働きながらでも必ず目標スコアは達成できます。
私のように「Mathは復習だけ、VerbalはCRに絞ってRCは深追いしない」といった割り切りが、限られた時間を最大限に活かす鍵になります。
GMATは英語力ではなく、まさにこうした「戦略的思考(マネージャーとしての決断力)」を問うテストなのです。
この記事が、あなたのGMAT対策の道標となり、理想のビジネススクール合格への大きな一歩となることを心から応援しています。
まずは単語帳を開いて、1日1時間の勉強からスタートしてみましょう!

さらに具体的なVerbal(特にCRとRC)の「手抜きリーディング」やロジックの攻略法を知りたい方はこちら!











貴重な情報ありがとうございます!
「GMAT分野別対策 -Verbal」のスライド内、Verbal対策の部分にSentence Correctionの欄が2つあるかと思います!
Johnさん
ご指摘ありがとう!
Sentence CorrectionではなくReading Comprehensionだったね!
早速スライドを修正したよ!