




イギリス留学の中でも、圧倒的な知名度と世界トップクラスの教育水準を誇る名門「ケンブリッジ大学」。
一般教養科目を経ずに、入学直後から専門分野を3年間徹底的に学ぶイギリスの教育システムにおいて、ケンブリッジ大学は世界中からトップ層の学生が集まる最高峰の舞台です。
しかし、「日本の高校からどうやって出願するの?」「日本の偏差値でいうとどれくらい難しい?」「学費はいくらかかる?」など、具体的な進学イメージが湧きづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ケンブリッジ大学のリアルな難易度や学費・生活費の目安から、独特な「カレッジ制」の特徴、そして合格を勝ち取るための複雑な出願プロセス(UCASや面接など)までを徹底解説します。
憧れの名門大学へ進学するための第一歩として、ぜひ参考にしてください!
- 📊 偏差値・難易度の目安:
- 日本の偏差値に換算すると東大・京大・医学部レベル(偏差値75〜80以上)。一般的なファウンデーションコース経由での入学はできず、IBやA-Level等でトップ成績(上位数%)が必須の超難関です。
- 💰 学費・留学費用の目安(年間):
- 学費(約£29,052〜£70,554 / 約550万〜1,340万円)に加えて、カレッジ費(約£11,500〜 / 約220万円〜)や生活費がかかります。ただし、日本人留学生が応募できる奨学金制度も複数用意されています。(※1ポンド=190円換算)
- 🎓 独特な「カレッジ制」と少人数教育:
- 大学全体ではなく、31ある独立した「カレッジ」のいずれかに所属して生活します。週に数回、専門家による「スーパービジョン(少人数指導)」を受けられるのが最大の特徴です。
- 📝 早めの出願スケジュールに注意:
- UCASを通じた出願期限は10月15日と、他のイギリスの大学よりかなり早いです(オックスフォードとの併願は不可)。独自の筆記試験や面接も課されます。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
イギリスの名門大学:ケンブリッジ大学とは
ケンブリッジ大学の基本情報
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | University of Cambridge(ケンブリッジ大学) |
| 設立年 | 1209年 |
| 所在地 | The Old Schools Trinity Lane Cambridge CB2 1TN United Kingdom |
| 大学種別 | 公立大学・大学院/総合研究大学 |
| 学生数 | 約24,912人 |
| 留学生 | 約24% |
| スクール | 6スクール(芸術・人文学、人文・社会科学、生物科学、物理化学、臨床医学、テクノロジー) |
| 学費 | £29,052〜£70,554/年(2026年度) |
| カレッジ費 | £11,500〜£14,950/年(2026年度) |
| 寮・生活費 | £1,016〜£1,500/月 |
| 奨学金制度 | Cambridge Trust/College awards/カレッジ別・国別奨学金/日本国内の財団奨学金など |
| 合格率 | 6.1%~49.2% |
| 英語要件 | IELTS 7.5〜/TOEFL 110〜 |
| 共通テスト | UCAS+MyCApp+コース別筆記試験+面接 |
| 世界ランキング | 3〜6位 |
| 特徴 | カレッジ制/少人数指導/学生団体が豊富 |
大学の特徴と学部紹介(カレッジ制とは?)
イギリスの一般的な大学のイメージとは異なり、ケンブリッジ大学の大きな特徴と言えるのが「カレッジ制」を採用していること。
イギリスでは、複数のカレッジから構成される総合大学をカレッジ制の大学と呼び、教師と学生が寝食を共にし、そこで共に学ぶという修道院の形態に由来する、イギリスの伝統的な教育システムとして知られています。
ケンブリッジ大学には31のカレッジがあり、在学中の全学生が学部とは別にいずれかのカレッジに所属し、3年間共同生活を送ります。
大学が講義や実習、試験を行い学位を授与する機関であるのに対して、カレッジでは他の学生やスタッフとの交流のための施設や設備などを提供。学生寮もカレッジ内にあるため、生活拠点としての役割を担っています。
スクールと学部
ケンブリッジ大学は、学士課程レベルまたは大学院(修士/博士課程)の過程を有する6つの分野のスクール(School)があります。
そこからさらに学部(Faculty)に分かれ、それぞれが専攻分野をさらに細分化した学科(Department)を設置。
幅広い分野に関連する学位プログラムを提供しています。
- School of Arts and Humanities(芸術・人文学)
- School of Humanities and Social Sciences(人文・社会科学)
- School of Biological Sciences(生物科学)
- School of Physical Sciences(物理化学)
- School of Clinical Medicine(臨床医学)
- School of Technology(テクノロジー)

世界ランキングとその評価
高い教育水準と輝かしい歴史を有し、世界的にトップレベルの大学として知られるケンブリッジ大学は、数々の大学ランキングで常に上位にランクイン。
国内最高峰の研究型大学24校で構成され英国版アイビーリーグと呼ばれるラッセルグループ(Russell Group)や、ヨーロッパの伝統ある大学連盟であるコインブラグループ(Coimbra Group)の中心的なメンバー校でもあります。
126名のノーベル賞受賞者を輩出するなど、国際的に専門分野を牽引する優れた教授陣が集結し、世界有数の名門大学としてその名を馳せています。
複数の機関が公表している世界大学ランキングのうち、国際的にも評価が高いと称される1つがQS世界大学ランキング。



イギリスには、2026年度のQS世界大学ランキングにランクインした90校の大学があり、このうち4校が世界のトップ10に選ばれています。
そしてこの4校の大学の中で3番目に高い順位を獲得したのがケンブリッジ大学。
全ての指標で高得点を獲得するなど、ケンブリッジ大学の卓越した教育と研究は国際的にも認められています。
| 順位 | 大学名 | 国 |
| 1 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
| 2 | インペリアルカレッジロンドン | イギリス |
| 3 | スタンフォード大学 | アメリカ |
| 4 | オックスフォード大学 | イギリス |
| 5 | ハーバード大学 | アメリカ |
| 6 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
| 7 | チューリッヒ工科大学 | スイス |
| 8 | シンガポール国立大学 | シンガポール |
| 9 | ユニバーシティカレッジロンドン大学 | イギリス |
| 10 | カリフォルニア工科大学 | アメリカ |
参照:QS World University Rankings 2026 : Top global universities
偏差値と難易度(日本の大学と比較すると?)
日本の一般的な高校卒業後にイギリス大学への進学を希望する場合、現地大学等でのファンデーションコースを約1年間受講し、その後ファンデーションコースでの成績も考慮されて正式に入学、というのが一般的な流れです。
しかし、ケンブリッジ大学へはファンデーションコース経由からの進学というのが一般的ではないため、進学の難易度は他のイギリスの大学と比較すると高くなります。
ケンブリッジ大学の公式サイトでは専攻コースごとの合格率を公表しており、直近のサイクルの合格率は概ね6%~49%の範囲で推移しています。
ハーバード大学やスタンフォード大学といったアイビーリーグに属するアメリカの難関大学の合格率は10%以下。
そのため、数値だけを比べれば「ケンブリッジ大学の方が合格のチャンスが高いのでは?」という印象を受けるかもしれません。
しかし、ケンブリッジ大学の出願者は、そもそも出願前の時点でAレベルの試験結果がA*(トップ成績)の学生がほとんどです。
「どんな成績でもとりあえず出願してみよう」と考える学生はあまりおらず、最初から優秀な層に絞られた上での合格率なのです。
さらに、専攻コースごとに設定された適正試験の結果や、独自の面接によって徹底的に人数が絞り込まれます。単に合格率の数値だけで「入りやすい」とは全く言えないのがケンブリッジ大学の実態です。


ケンブリッジ大学の難易度を日本の大学と比較すると?
結論から言うと、ケンブリッジ大学の難易度は、日本の偏差値に換算すれば「偏差値75〜80以上(東京大学や京都大学、あるいは国公立大学の医学部レベル)」に相当すると言えます。
理由は大きく分けて2つあります。
1. 世界ランキングでの圧倒的な立ち位置
先ほどのQS世界大学ランキング(2026)を見ると、日本のトップである東京大学は世界30位台に位置していますが、ケンブリッジ大学は世界第6位です。世界中からトップクラスの頭脳が集まるため、国際的な競争率は日本の最難関大学と同等、あるいはそれ以上になります。
2. 求められる成績が「上位数%」のトップ層
ケンブリッジ大学が出願条件としている「AレベルでA*A*A」や「IB(国際バカロレア)で41〜42ポイント」という成績は、それぞれの試験受験者のうち、ほんの数%しか取得できない極めて優秀なスコアです。これは、日本全国の高校生の中でトップ1〜2%に入る学力に匹敵します。
日本の「偏差値」とは評価軸が根本的に違う点に注意!
ただし、日本の難関大学とケンブリッジ大学では「賢さの測り方」が全く異なります。
- 日本の大学(偏差値型):広く浅く、総合点勝負
国語、数学、理科、社会、英語など、5教科7科目をバランスよく高得点でこなす「ジェネラリスト」としての能力が求められます。 - ケンブリッジ大学(専門特化型):狭く深く、熱量勝負
イギリスの大学は入学後すぐに専門課程が始まるため、「自分が学びたい特定の3〜4科目」において突出した能力と異常なまでの探求心が求められます。
そのため、「全科目が偏差値70」である必要はありませんが、自分の志望する専攻(例えば物理学や歴史学)においては「高校生レベルを遥かに超えた知識と、自ら考え議論する力(面接で測られます)」を持っている必要があります。
「総合的な偏差値はそこまで高くないけれど、特定の分野なら誰にも負けないくらい好きで得意!」という尖った才能を持つ学生にとって、ケンブリッジ大学は非常に魅力的な選択肢になります。




ケンブリッジ大学の学費・生活費と奨学金制度
学費・生活費の目安
留学中費用の相場は、選ぶ大学、滞在する国や都市、留学中の生活スタイル、為替などさまざまな要因で大きく上下しますが、留学前にはある程度の予算を立てることが重要です。
ケンブリッジ大学留学中にかかる費用の内訳は大きく4つに分けることができます。
- 学費
- カレッジ費
- 滞在費
- 生活費
学費
ケンブリッジ大学の学士課程の学費は学部/専攻により異なり、現地学生と留学生によっても大きく異なります。
留学生の場合、2026年度の学費は£29,052〜£70,554となっています。
カレッジ費
ケンブリッジ大学の各カレッジは独自の財源、組織をもって自立した運営を行っており、それぞれのカレッジが寮や教会、図書館、食堂などの施設を所有し、所属する学生の生活面をサポート。
これらサポートを提供する費用をカバーするために、学費に加えてカレッジ費を支払う必要があり、この費用はカレッジごとに異なります。
2026年度の場合、£11,500〜14,950となっています。
滞在費
ケンブリッジ大学にある31のカレッジのうち学部生が滞在できるカレッジは29個あり、それぞれのカレッジでは独自のサービス、施設、コミュニティを提供。学生寮も完備されています。
ケンブリッジ大学へ出願する際には、専攻コースを選択すると同時に所属カレッジを選ぶ必要があるため学生寮を別途申し込む必要はなく、入学が許可された時点で自動的に学生寮の部屋が確保されます。
各カレッジの学生寮の年間費用については27~39週間が一般的な契約期間となり、費用には家賃のほか、光熱費(セントラルヒーティング、インターネットアクセス、定期的な掃除サービス等が含まれています。
以下に滞在費の例をいくつがご紹介いたします。
各カレッジの設備、滞在費、契約期間などの詳細については各カレッジのWebサイトをご覧ください。:
- Downing College:£164~£240/週
- Churchill College:£156.00〜£261.70/週
- Magdalene College:£143.92~£243.74/週
生活費
生活費には授業料を除き、滞在費、食費、コース費用/教材費、個人的な出費、交通費など、大学在学中に支払う必要のある全ての費用が含まれます。
ケンブリッジ大学では、あらかじめ費用の目安を調べておき、無理のない資金計画を立てていくために、学生組合と協力して、ケンブリッジでの滞在中に学生がどのくらいの費用を使っているかの調査を実施。
下記の表はこれら調査結果に基づき、月々の生活費の概算したものの(2026-27年度)です。
滞在費を含めて、月間約£1,305となっています。

日本からの留学生が使える奨学金
ケンブリッジ大学にはさまざまな奨学金制度があり、これらには人物ならびに学業成績優秀者を対象としたものも含まれます。
その代表的なものが、ケンブリッジ大学への入学を認められた海外およびコモンウェルス(イギリスを除く)からの留学生に奨学金を提供する組織Cambridge Commonwealth European & International Trustによる奨学金制度。
世界中のパートナーと連携して毎年約500件の奨学金を授与し、1100~1400人の在校生を支援しています。
以下は日本からの留学生(学士課程)も利用できる奨学金制度です。ケンブリッジ大学のどのカレッジでも受給可能で、申請者はケンブリッジ大学への入学が正式に認められている方に限ります。



また、日本国内の財団奨学金も、ケンブリッジ大学は対象校になっていることがほとんどです。
ケンブリッジ大学の魅力とキャンパスライフ
伝統ある31のカレッジと美しい大学都市
ケンブリッジは、首都ロンドンから電車で50分~1時間20分ほどにあるイングランド東部の街。オックスフォードと並び、イギリス屈指の学園都市として知られています。
街の中心部にはケム川が流れ、正面玄関の右側にそびえ立つゴシック様式の礼拝堂が有名なキングスカレッジや、アイザック・ニュートンが学んだトリニティカレッジなど、荘厳な石造りの建物が点在。
ケム川を平べったい船で下る「パンティング」はケンブリッジの名物となっています。
石畳の街並みや歴史ある建物だけでなく、ショッピングを楽しむことができる市場などもあるケンブリッジは伝統と活気を感じることができる魅力的な街。イギリスの中でも治安がよく穏やかな雰囲気のため、安心して留学生活を送ることができます。
ケンブリッジ大学は、一般的な大学のようにキャンパスが1ヶ所にまとまっているのではなく、独立した自治権をもつ31のカレッジが街の中に点在しているのが最大の特徴です。
それぞれのカレッジには学生寮、食堂、図書館、スポーツ施設などがあり、居住空間や食事の提供のほか、身の回りのお世話といった授業以外の面倒をみてくれる生活の拠点となります。
31のカレッジごとに伝統や歴史があり、独自の文化を築いています。
なお、学業関連の施設、講義室や各学科の施設などは、大学の施設としてカレッジとは別に存在しています。

学びを深める少人数制教育(スーパービジョン)
少人数での専門領域の学びを重視しているケンブリッジ大学では、講義形式で行われる授業とは別に、対象分野の専門家(スーパーバイザー)によって主導される少人数制の授業を設けています。
この個人指導はスーパービジョン(supervision)と呼ばれ、週に1、2回実施。
基礎や専門分野の知識を身につける講義に加え、少人数グループ制でのきめ細かい指導を受けながら専門分野のテーマについて探求するスーパービジョンでの学びを通して、知識を活用する力を身につけていきます。
スーパービジョンは試験などで評価されるものではないので、自由に自分のアイディアや興味のあることを探求することができ、また定期的にフィードバックを受けられる機会を提供しています。


800以上の学生団体・クラブ活動とサポート体制
大学生活を彩る大切な要素でもあるクラブ活動。
ケンブリッジ大学にも正課授業の他に個人の才能や趣味に適した分野で自主的に参加できる各種のクラブがあり、それぞれ多彩な活動を繰り広げています。
ケンブリッジ大学の学生組合が主催するFreshers’ Fair(新入生歓迎行事)では、芸術系、文化系、体育系からK-POPクラブやポケモンクラブといったファンクラブ的なものまで、800以上のクラブの中から自分に合った活動を見つけることができます。
また大学規模のクラブ活動とは別に、それぞれのカレッジの学生だけで成り立つクラブも活動しています。
多くの学生は大学のクラブと自分が所属するカレッジのクラブとの両方に参加しています。


さらに、ケンブリッジ大学では入学から卒業まで学生がより充実した学生生活を送れるよう、一人ひとりに応じたきめ細やかなサポート体制が提供されています。
・Students supporting students(学生同士のサポート)
各カレッジには支援を行う専任のスタッフが常駐しており、学生同士が主体的に学び合い、支え合う仕組みも数多くあります。
その中でも入学時に最も身近な存在となるサポーターが「カレッジペアレンツ(College Parents)」。
新入生の支援を念頭に、不安軽減や学生生活のサポートを行います。
・Student Advice Service(相談窓口)
学生相談窓口であるStudent Advice Serviceでは、進路や履修、日常生活の悩みなど学生のあらゆる相談に無料で応じています。
ケンブリッジ大学の学生ならどなたでも利用が可能です。

ケンブリッジ大学へ進学するには?入学条件と出願方法


日本とイギリスの教育制度の違い(Aレベルとは)
イギリスの教育制度において鍵となるステージは主に、
- GCSE取得のための学習期間(14歳から16歳まで)
- A-Level取得のための学習期間(16歳から18歳まで)
の2つです。
義務教育修了時の16歳で、全国統一テストのGCSE (General Certificate of Secondary Education)を受験します。
この結果によって就職するか、専門的な資格を目指すか、大学進学を目指すか、いずれの進路を選択します。
大学進学希望者は、16歳から18歳までの生徒を中心に大学進学のためのコースを提供しているシックスフォームカレッジでA-Level(General Certidicate of Education, Advanced Level)と呼ばれる大学進学のための教育過程を2年かけて履修。
コース修了後、18歳で全国統一テストを受験し、進学する大学を決定します。
GSCE、A-Levelどちらのステージも、いずれイギリス国内外で大学に進学することを見据えたカリキュラムが組まれているため、進みたい大学、進みたい専攻コースに関連した科目を選択し履修します。
A-Levelの学習内容は日本の大学1年次に相当する一般教養課程までを修了するなど、日本の高校の授業の内容と比べると専門性が高くなります。
そのため、日本の高校を卒業しただけでは一般教養課程を学ぶ期間がないため、イギリスの大学の学部課程に直接入学することは原則できません。
日本の高校からケンブリッジ大学の学部課程へ進学するためには、国際バカロレア(IB)やA-Levelといった資格を保持し、加えて優秀な成績を収めていることが条件となります。
またケースバイケースではありますが、APプログラムの学習終了時に行われるAP Testの5つ以上の科目において優秀な成績を収めている場合に限り、出願が考慮されることがあります。


ケンブリッジ大学が求める人物像
学生の潜在能力を最大限に高め、科学的に卓越し、自律性に富んだ人材として養成することを主たる目的としているケンブリッジ大学。
「社会的、人種的、宗教的、経済的な配慮に関係なく、分析的思考や創造的思考など高い知的潜在能力を持つ学生に入学を許可する」ことを選考ポリシーとして掲げています。
詳細な選考基準はコースによって異なりますが、全体としてケンブリッジ大学が求めている人物像は次のようなものです。
- 優れた学力と潜在能力に恵まれた学生
- 選択した専攻コースに対する志望動機が大学の理念、特徴に合う学生
- 自己管理能力を持ち、目標に向かって集中できる学生

入学審査の必須項目(成績・英語力・MyCApp・面接)
高校時代やファンデーションコースの成績および英語力を主に重視する他のイギリスの大学と、ケンブリッジ大学の入学審査は異なります。
学業成績、英語力、志望動機書、推薦状といった他大学と同様の書類提出が求められるほか、
- My Cambridge Application(MyCApp)と呼ばれる補足資料の提出
- 専攻ごとの独自の筆記試験
- 面接
が課されています。
なお、ケンブリッジ大学の入学審査は主に学業成績に基づき決定され、課外活動等で優れた実績を有していても学力不足を補うことはできないとしています。

学業成績
全ての科目に一定以上の学力を有し、かつ専門教科において優れた学力を有する学生を求めているケンブリッジ大学。
優れた学力とは、高校の成績がほぼ満点であるA*A*A(A-Level評価)、41~42ポイント(IB評価)、またはそれに近い成績が求められています。
各専攻コースでは学業成績に関する入学要件を定めているため、出願前に志望する専攻コースの要件(最低スコア)を満たしていることを確認する必要があります。

英語能力証明書
出願の際には、入学要件に設定されている最低必要スコアを取得するよう求められています。


志望動機書(エッセイ)
イギリスの大学の入学審査において、英文エッセイは志望動機や入学志願者の人となり、キャリア、学問的関心などを見るために利用されています。
イギリスのほとんどの大学(学部課程)への出願を扱う共通願書UCASの一部で、パーソナルステイトメント(Personal Statement)と呼ばれるエッセイが必須となります。最大47行、または4000字まで(1000字以上、スペースを含む)でまとめます。
専攻コースを決めて出願するイギリス大学用のエッセイで重要なポイントとなるのが、コースに対する志望動機、専門科目に興味・関心がある理由などについてです。
自分がどのような理由でそのコースに入りたいのか、学んだ知識をどう活用したいのかを書き、学びに対して意欲的であることをアピールしましょう。
なおUCASでは5校まで一括出願できますが、それぞれエッセイを書き分けることはできず、同一のエッセイが全ての大学に送られます。
そのため、特定の大学や科目名に言及することは避けるようにする必要があります。



推薦状
出願書類の1つとして、在学中の高校の教師やカウンセラーなど、本人をよく知っている方に推薦状を依頼することが重要です。
推薦状の内容は出願者の資質や人物像を客観的に評価したものとなります。学業評価、専門分野に関する知識、長所を含む人物評価、将来の展望などを記述してもらいます。
UCASシステム上で推薦人の情報を入力すると、UCASから推薦人にフォームが送られ、直接送付していただきます。
My Cambridge Application (MyCApp)
共通願書UCAS提出後48時間以内に、My Cambridge Application(MyCApp)という補足資料を追加で提出するよう求めるメールが届きます。
以前はSAQと呼ばれていたもので、MyCAppはケンブリッジ大学専用のアプリケーションです。
UCASだけでは得られない追加情報を収集するための質問に答える必要があり、また追加のエッセイを提出することができるオプションが含まれています。
追加のエッセイでは、UCASの共通エッセイとは異なり、ケンブリッジ大学で選択したコースについてなぜ学びたいのかを具体的に書くことができます。

専攻ごとに行われる筆記試験
オックスブリッジの大学の入学審査では、専攻コースによって筆記試験(アドミッションテスト)が課される場合があります。
書類審査により面接候補に載った場合はカレッジが手配し、そうでない場合にはご自身で申し込み、近くのテストセンターで受験します。
これら試験の内容は単に学力を測定するものではなく、大学側にとって「応募者を深く知る」という意図があり、文章力や言語能力、数学的問題解決能力や専攻コースに関する知識などを測ります。
筆記試験は、
- Clinical aptitude test (UCAT)
- Law test (LNAT)
- Engineering and Science test (ESAT)
- Mathematics test (TMUA)
などが挙げられ、受験する試験の種類は専攻コースにより異なります。

面接
書類審査により、入学の可能性のある全ての学生が面接へ招待されます。面接審査は1回のみとは限らず、複数回呼ばれる場合もあります。
ケンブリッジ大学の入学審査で、合否を左右する大きなカギがこの面接です。
面接で問われる質問もユニークなものとして知られており、答えのない問題にどう挑むかというアプローチの仕方を評価。
面接はカレッジごとに教授により行われ、「指導したい学生」を選抜します。

出願時の「カレッジ選び」のポイント
独立した自治権を持つ31のカレッジで構成されているケンブリッジ大学では、入学者の選考をカレッジごとに行われます。
そのため、出願の際、全ての応募者は専攻コースを選択すると同時に所属を希望するカレッジを選ぶ必要があります。
特に希望がない場合は「オープン」申請を行い、大学から割り当てられたカレッジを受け入れることもできます。
カレッジには、歴史、コミュニティとしての文化、規模、得意分野、滞在している学生(大学院生のみ、女子学生のみ等)など、それぞれに異なる雰囲気と特徴があります。
学生生活のほとんどを過ごすことになるカレッジ選びは、留学生活の質や満足度に直接影響を与える重要な要素。それぞれの特徴を見極め、計画的に進めることが重要です。

出願スケジュールとUCASの手順
ケンブリッジ大学への出願は、出願共通願書であるUCAS(Universities and Colleges Admissions Service)を通じてオンラインで行います。
UCAS出願の際に必要となる主な書類
- 高校の成績証明書
- 卒業証明書
- 英語能力試験の結果
- 志望動機書(パーソナルステイトメント)
- 推薦状
- 履歴書(学歴や職歴を記入)
UCASはイギリスの大学出願窓口で、希望する大学のコースを5つまで同時に出願できます。
ただし、オックスフォードまたはケンブリッジ大学を希望する場合は、両大学の中から1コースのみしか出願できません。
またイギリスの大学に出願する場合、9月1日(年によって異なる場合あり)から翌年6月30日までが出願期間となっています。
しかし、オックスフォードまたはケンブリッジ大学においては、毎年12月中旬~に応募者の中から選抜された学生を集めて面接試験を行うため、一般の大学よりも短い10月15日が出願期限となっています。
以下は入学審査および出願の流れを大まかにまとめたものです。
- 5月14日:UCASアカウント登録開始
- 9月3日:UCASへ出願
- 10月15日(英国時間18:00):オックスフォードおよびケンブリッジ大学、および医学、歯学、獣医学/ 科学のほとんどのコースへの出願締め切り
- 10月22日: My Cambridge Application (MyCApp) 提出締め切り
- 10月末~11月上旬:筆記試験(アドミッションテスト)を受験(一部専攻のみ)
- 11月末~12月上旬:1次合格者発表
- 12月:1次合格者を対象に個別面接を実施
- 12月~1月:最終合格者発表


最後に
受験生へのメッセージ
世界のトップ大学といわれるケンブリッジ大学受験は、高校の成績がほぼオール5、さらには面接ですばらしいパフォーマンスができる学生たちとの競争。
合格を勝ち取るためには厳しい書類審査を経なければなりません。
一斉の入学試験がないケンブリッジ大学の入学審査で最も重視されるのが高校の成績ですが、勉強ができるだけは合格を勝ち取ることができません。
出願者たちの今までの長い成長過程と将来の可能性をじっくり見て合否を決めます。
進学先選びで重要なのは、どの名門大学に合格するかではなく、何をする、何を学ぶためにどこに行くべきかのはずです。
そのうえで「ケンブリッジ大学」が自分に合っている大学なのか、自分なりに情報を吟味してから受験に臨んでください。

筆者紹介:Antieやや
タイ在住。語学力を活かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、イギリスの大学で心理学、大学院で戦略マーケティングを学んだ息子あり。















