


海外MBAには1年制と2年制があり、それぞれに特徴があります。
ヨーロッパのビジネススクールでは1年制が主流で、アメリカでは2年制が多いのが一般的ですが、「どちらが優れている」というより、目的やライフスタイルによって向いている選択肢が変わってきます。
この記事では、MBA選びでよく迷われる「期間の違い」について、以下の観点から分かりやすく比較します。
- 入学条件と卒業後の進路
- 学習スケジュールと忙しさ
- 授業の内容とインターン制度の有無
- 学生の目的やマインドセット
- クラスの多様性や年齢層の傾向
あなたにとって最適なMBAプログラムを見つけるヒントになれば幸いです。
目次
海外MBA取得にかかる期間は1年~2年が一般的
海外MBAの修了までにかかる期間は、実は国やプログラムの種類によって大きく異なります。
たとえば、アメリカのMBAは約2年が一般的なスタイル。これに対し、ヨーロッパでは1年〜1年半で修了できる短期集中型のMBAが主流です。
近年では、アジア諸国やオンラインMBAなど、多様なニーズに応える選択肢も増えており、1年〜2年が平均的な修了期間となっています。
期間の目安 | 特徴 | |
アメリカのMBA | 約2年 | ケーススタディ・理論・実践・インターンを含む「じっくり型」。 キャリアチェンジや自己探索の時間が確保できる。 |
ヨーロッパのMBA | 約1年〜1年半 | 短期集中型。実務経験が豊富な社会人向けで、インターンなしが一般的。 授業は高密度で、学生の平均年齢は高め。 |
アジアのMBA | 約1年〜2年 | 欧米よりも学費や生活費が抑えられる。 実践的内容を重視し、現地就職や起業を目指す人にも人気。 |
オンラインMBA | 約1年〜2年 | 通学不要で、働きながら学びやすい柔軟なスタイル。 ただし、自己管理力が求められ、インターンは基本なし。 |
このように修了期間が異なる背景には、それぞれの国の教育スタイルや、想定する学生像の違いがあります。
アメリカのMBAでは、キャリアチェンジや自己探索を支援する時間を確保するため、理論・ケーススタディ・インターンをバランスよく学ぶ「2年制モデル」が長らく主流でした。
一方、ヨーロッパではすでにキャリアを積んだ社会人が、必要なスキルを短期間でアップデートし、早くビジネス現場に復帰することを目的とした「1年制の実務重視モデル」が定着しています。授業は高密度で、学生の平均年齢も高めです。


1年制と2年制の海外MBAの違いを5つの観点から比較
ここからは、入学条件・学び方・卒業後の進路など、5つの視点から1年制と2年制の具体的な違いを見ていきましょう。
①入学前の職歴と卒業後のキャリアの違い

通常、2年制のMBAプログラムは期間が長く、理論と実践をバランスよく勉強できるため、実務経験がなくても入学は可能です。
ただし、実務経験ががないままMBAに入学すると、卒業後はMBA採用ではなく一般社員として雇われる可能性があるため注意してください。
一方、1年間のMBAプログラムは、極めて実用性を重視して授業を進めるため、仕事の経験は必ず必要となります。
キャリアのブランクを最小限に抑え、卒業後に早めに転職マーケットに入り、キャリアアップ、年収アップができるというのは1年制MBAの大きなメリットと言えるでしょう。



②勉強の忙しさの違い

MBAプログラムは、1年、2年どちらを選んでも勉強は忙しいです。どちらかと言うと1年の方が激務だと言えます。
1年プログラムでは、クラスがない曜日はまずないため、ワークライフバランスは期待できません。
プログラム全体がコンパクトにされており、空き時間がほとんどありません。どこかで遅れてしまったら、追いつくことも難しくなるでしょう。
1年制の場合、ほとんどのコア科目は最初の4カ月に勉強します。統計学や会計など、経済学部出身の人ならやっていけるかもしれませんが、数字を扱うような学歴・職歴のない人にとって、4カ月でこれらの科目をマスターするのは相当辛いと思われます。


③授業内容の違い

1年制のプログラムでは、2年制プログラムで30時間の学習内容を約20時間に圧縮して進めているため、ケーススタディやグループディスカッションにかける時間は限られています。
また、一番の大きな違いは、インターンシップの有無です。
2年制プログラムなら、1カ月~3カ月のサマーインターンシップができるため、今までと違う業界を経験するいいチャンスになるでしょう。

④学生のモチベーションの違い

MBAを取る目的や将来のキャリア目標について、すでに明確にしている人にとっては、1年制のMBAは十分かもしれません。
一方で、キャリアやこれからの人生についてもう少しゆっくり考えていきたい人、あるいはもっと英語力を伸ばしたい人にとっては、2年のプログラムはもっと柔軟性があると言えます。

⑤クラスのダイバーシティの違い

ヨーロッパのビジネススクールは1年制が多く、アメリカは2年制のプログラムが多いです。
1年制のMBAクラスでは、仕事の経験が長いため、学生の平均年齢は2年制よりも若干高め。29歳や30歳は普通です。
アメリカのビジネススクールの学生は北米がメインで、留学生は南米出身が多いです。
ダイバーシティの意味では、ヨーロッパの学校は、アメリカよりも国際豊かな傾向にあります。

よくある質問
1年制のアメリカMBAはある?
アメリカのMBAプログラムは、2年間のコースが一般的ですが、国際的にも1年制MBAプログラムの需要は高まりつつあり、1年間のコースを提供するビジネススクールも増えてきています。
以下は、1年制のコースを提供している代表的な大学です。参考にしてみてくださいね。
※上記の参考サイトで希望する期間を選択してMBA検索ができますが、最新の情報や詳細は各大学のホームページで調べることをおすすめします。
1年制と2年制でMBA取得費用はどのくらい違う?
一般的に、2年制のMBAは1年制のMBAの1.5倍~2倍の費用がかかると言われています。
以下の記事で、国や地域別にMBA取得費用を比較しています。
各大学が提供しているMBAコースの期間も取り上げながら比較しているので、参考にしてみてくださいね。
海外MBA出願の準備にかかる時間は?
MBA出願に向けた準備は、1年半〜2年前から始める人が多いようです。英語力に不安がある場合は、2〜3年前から少しずつ準備を進めるのが安心です。
TOEFLやIELTS、GMAT/GREの対策に加えて、エッセイや推薦状、履歴書の作成、面接対策など、やることはたくさんあります。
特に英語のスコアメイクには時間がかかることも多いため、余裕を持ったスケジュールで進めることが成功のカギになります。
まとめ|1年制と2年制どっちを選ぶべき?
海外MBAには1年制と2年制があり、それぞれに明確な特徴とメリットがあります。
1年制MBAは、短期間でのスキル習得とキャリアアップを目指す人にとって効率的な選択肢です。
一方で、2年制MBAは、キャリアチェンジや語学力の強化、ネットワーキングにじっくり時間をかけたい人に向いています。
「早く成果を出したいのか」「これからの方向性をじっくり考えたいのか」。自分の目的や状況に合わせて、どちらがよりフィットするかを見極めることが大切です。






こんにちは。
航空系の大学院を探しています。
以下にある内容に合う2年生の修士号プログラムはどうやって探せますか?
工学以外を希望しますが、Master of Scienceは1年制しかないと考えるべきでしょうか…
ご存知でしたらご教示下さい。
どうぞ宜しくお願いします。
イギリスの大学院は1年制が多いけど、アメリカの大学院であればMaster of Scienceを含めほとんど2年制だよ。
アメリカで、自分の希望の専攻を選んで、大学(院)のランキングを見てみるのがおすすめだよ!
https://www.usnews.com/best-graduate-schools?int=top_nav_Grad_Schools
にゃんこ先生
早速、拝見してみます。
ご親切に有難うございました!
こんにちは。
一年制もしくは従来の2年制より短い期間で終了可能かを調べるかは個々の大学のサイトをみないとわからないものでしょうか?特に後者の情報が知りたいです。
期間を短く修了可能なものを探しているのですが、探すのに時間がかかっておりまして・・・
ざっくりしたくくりで言うと、ヨーロッパは1年制、アメリカは2年制(2年と言っても通常は20ヶ月程度)が多いという理解で調べるとスムーズだと思うよ。
googleで「1 year mba program」と調べると、1年生のMBAプログラムのランキングなども簡単に調べることができるはず。
参考になれば幸い!
ありがとうございます!
参考にさせていただきます!