



イギリスの大学進学は、日本の高校生にとって一見ハードルが高く感じられるかもしれません。
その理由は、教育制度や入試の仕組みが日本・アメリカとは大きく異なるためです。
しかし、近年は海外進学者の増加に合わせて、日本人でも利用しやすいファウンデーションコースや国際資格ルートが整備され、以前より格段に挑戦しやすくなっています。
この記事では、イギリス大学進学の特徴と仕組みを整理し、日本の高校から実際に進学するためのステップをわかりやすく解説します。
この記事の著者:みはる
初めまして、みはると申します。私は現在イギリスの大学でイベントマネジメントを学んでいる現役留学生です。留学は正規留学と呼ばれる方法で行なっていて、日本の大学などを通さず、海外大学に在籍、卒業する留学方法です。私自身これが初めての留学であり、イギリス大学入学前は普通の日本の高校に通う、日本から一度も出たことのない高校生でした。留学を考えているみなさんが知りたい情報をわかりやすく発信できればと思います。
目次
イギリスの大学入試制度の特徴と入学条件
ここではまず、イギリスの大学入学制度の仕組みと、求められる条件を整理しておきましょう。
実は、日本の高校を卒業しただけでは、イギリスの大学に直接進学することはできません。
その理由は、イギリスの大学が入学要件として求める学力資格が、日本の教育制度とは異なるためです。
イギリスの大学入試制度の特徴
イギリスの大学では、日本のように全国共通の筆記試験や一斉入試は行われません。
出願は、原則としてUCASという共通システムを通じて行われ、提出書類と資格の内容で合否が判断されます。
主な提出書類は以下の通りです。
- Personal Statement(志望理由書)
- 推薦状
- 学力証明(A-level・IB・ファウンデーションなど)
- 英語力証明(IELTSなど)
アメリカの大学入試が人物像や課外活動を重視する「総合評価型(Holistic)」であるのに対し、イギリスの大学は、学問的な適性と資格要件を重視する「資格審査型」が基本です。

出願資格:学力要件と英語要件
イギリスの大学では、入学前に一定の学力資格と英語力を証明することが求められます。主に以下の2つが基準です。
①学力要件:A-level・IBなどの学歴資格
イギリスの大学に入学するためには、A-levelまたはIB(国際バカロレア)といった大学進学資格を持っていることが前提です。
各大学・学部ごとに、履修すべき科目やレベル、A-levelやIBの最低スコアが定められているため、出願前にUCASや大学公式サイトで各コースの要件を確認することが重要です。
日本の高校卒業生は、この学力要件を直接満たせない場合が多いため、ファウンデーションコースを経由して不足分を補うことが一般的です。
ファウンデーションコースでは、大学で学ぶための専門基礎科目とアカデミック英語(EAP)を学び、成績に応じて大学へ進学できます。
②英語要件:IELTSやTOEFLなどのスコア
英語を母語としない学生は、ほぼすべての大学でスコア提出が義務です。
一般的にはIELTS6.0〜6.5(各セクション5.5以上)が目安ですが、難関大学や文系・医療系コースでは 7.0以上 が求められる場合もあります。
一方、ファウンデーションコースを経由する場合は、IELTS 4.5〜5.5程度など、比較的低い英語レベルからスタートできるケースが多いです。
ファウンデーションで学ぶ間に英語力を高め、必要なスコアを達成したうえで大学に進学できます。
日本の高校卒業だけでは直接進学できない理由

イギリスでは、日本よりも小学校入学が1年早く、5歳から小学校教育が始まります。
イギリスの教育制度は、小学校(6年間)→セカンダリースクール(5年間)→シックスフォーム(2年間)という構成で、大学進学までに合計13年間の教育を受けます。
シックスフォームでは、進学後の専門分野で必要となる学問的基礎や思考力を養いながら、大学進学資格であるA-levelまたはIB(国際バカロレア)を取得します。
これらの成績が大学合否の重要な判断基準となります。
つまり、イギリスの学生は大学入学時点で、日本の高校卒業生より1年分先の学習段階にあるということ。
その結果、日本の高校を卒業しただけではイギリス大学の入学要件を満たさず、ファウンデーションコースなどを通じて不足する1年分の教育を補う必要があります。
日本の高校生がイギリスの大学に行くには?4つの進学ルートを解説
日本の高校生がイギリスの大学へ進学する場合、教育制度の違いから直接入学することは難しく、大きく分けて以下の4つのルートが存在します。
- ファウンデーションコース(1年)を経て学部1年に入学(王道ルート)
- International Year One(1年)を経て学部2年に進級(時短ルート)
- 日本の大学に進学後、中退してイギリスへ編入
- A-levelやIBなどの国際資格を取得して直接進学
それぞれのルートの詳しいメリット・デメリット、必要な費用や期間については、以下の「イギリス大学進学の全体像」の記事で徹底解説しています。自分に合うルートを比較検討したい方は、ぜひチェックしてみてください!


イギリス大学進学までのスケジュールと出願時期の目安
イギリスの大学出願は、日本の大学入試よりも早い時期(高校3年の秋〜冬)に締切を迎えます。
出願の1年半前頃から逆算して準備を進めるのが理想です。
特にIELTSなどの英語スコア取得や出願書類の準備には時間がかかるため、高校2年の夏ごろから動き出すのがおすすめ。
ただし、英語の基礎力(語彙・文法・リーディング・リスニング)は短期間では身につかないため、高校1年のうちから英語力を底上げしておくと安心です。
| 時期の目安 | 主な内容 |
|---|---|
| 出願1年半〜1年前 (高2夏~冬) | ・進学目的・専攻の検討 ・大学・コースの情報収集 ・IELTS/TOEFLの本格対策開始 ・進学ルート(ファウンデーション/IYOなど)の選定 |
| 出願約半年前〜直前 (高3春~夏) | ・UCAS出願に向けた書類準備(成績証明書・推薦状・志望理由書) ・英語スコアの最終取得 ・出願大学の絞り込み(最大5校まで出願可) |
| 出願時期 (高3秋~冬) | ・UCAS出願開始:9月上旬 ・通常締切:1月15日前後 ・オックスフォード/ケンブリッジ/医学系:10月15日締切+面接・試験あり |
| 出願後〜翌年春(2〜5月) | ・大学からのオファー(合格条件付きOfferまたは無条件Offer)受領 ・条件付きの場合は、IELTSスコアや成績条件の達成を目指す |
| 入学前(6〜8月) | ・条件達成後、大学からCAS(入学許可証)発行 ・学生ビザ申請・渡航準備(航空券、保険、滞在先) |
| 9月 | ・イギリス大学の秋入学(新学期スタート) |
UCAS出願のスケジュールとポイント
イギリスでは、大学出願をUCAS(Universities and Colleges Admissions Service)という共通システムを通じて行います。
出願開始は毎年9月上旬、締切は1月15日ごろですが、オックスフォード大学・ケンブリッジ大学・医学部・獣医学部・歯学部は10月15日が締切です。
UCASでは最大5校まで出願でき、出願時は成績証明書・英語スコア・Personal Statement(志望理由書)・推薦状などの提出が必要です。
合格後は「条件付きオファー(Conditional Offer)」が出され、最終試験やIELTSスコアの条件を満たすことで正式合格となります。
なお、INTOやONCAMPUSなどの民間ファウンデーションコースは、UCASを経由せず各学校に直接出願するケースが多いため、希望する進学ルートに合わせて出願方法を確認しておきましょう。
イギリス大学が求める学生像と入学後への備え
多くの大学では成績やスコアが合否の中心となりますが、志望動機書や推薦状も出願に欠かせない書類です。
特に最難関大学ではスコアだけでなく、Personal Statement(志望理由書)や面接を通して、主体性や論理的思考力、学問への探究心も評価されます。
ここでは、イギリスの大学が実際にどんな学生を求めているのか、具体的に見てみましょう。
イギリス大学が重視するアカデミック・スキル
イギリスの大学では授業形式が多様で、Lecture(講義)・Seminar(セミナー)・Tutorial(チュートリアル)などがあります。
学生自身が主体的に学ぶことが求められ、評価も期末試験だけでなく、エッセイ、レポート、プレゼンテーションなど総合的に判断されます。
特に重要なスキルは次の通りです。
- リサーチ力:文献を自分で探し、分析する力
- アカデミックライティング力:論理的で分かりやすい文章を書く力
- タイムマネジメント:複数課題を効率的に進める計画力
- プレゼンテーション力:自分の意見を整理して伝える力
- 自律学習力:授業外でも学びを深める姿勢
高校生のうちから、読書やリサーチ、論述練習、課題管理などを意識しておくと、入学後にスムーズに学習できます。
イギリスと日本の教育文化の違い
イギリスの大学では、授業で積極的に発言し、議論に参加することが前提です。
少人数制のセミナーやチュートリアルで、教員や学生と意見を交わしながら学ぶ環境が中心となります。
- 授業スタイル:セミナー形式・少人数制
- 評価方法:筆記試験よりもエッセイ・レポート・プレゼン・課題提出が中心
- 教員との関係:個別指導で研究や課題を深める
このため、柔軟に考え、積極的に意見を出し、フィードバックを受け止める姿勢が必要です。
日本の「正解を答える学習」から、「自分で問いを立て、意見を磨く学習」への切り替えが重要です。
求められる“人間性”と大学が見ている視点
イギリスの大学が評価するのは、成績だけでなく、学問を通してどう成長し社会に貢献できるかです。
Personal Statementや推薦状では、次のような資質や経験が高く評価されます。
- 好奇心・探究心:学びたいテーマへの興味と明確な動機
- 主体性・責任感:自ら課題を見つけ行動する力
- 多様性理解・協働力:異文化や価値観を尊重して意見を交わす力
- 社会的視野:学んだことを社会課題と結びつけて考えられる視点
高校時代の研究活動、留学、ボランティア、探究学習などは、こうした資質を示す具体例になります。
「自分は何を学びたいのか」「社会にどう貢献したいのか」を整理して言語化できると、出願時のアピールにもつながります。
イギリス大学進学方法に関するよくある質問
世界ランキング上位の大学にも、ファウンデーションコースから入学できますか?
一部の大学では可能ですが、大学によって方針が異なります。
以下はその代表的な例です。
- オックスフォード大学(University of Oxford)
ファウンデーションコース経由での入学制度はなく、A-levelやIBなどの正式な大学進学資格を持つ学生のみが対象。 - UCL(University College London)
「Undergraduate Preparatory Certificates(UPC)」というファウンデーションコースを提供。一定の成績を修めれば、UCLのほか、Imperial College LondonやUniversity of Oxfordなどへの進学も可能。 - ケンブリッジ大学(University of Cambridge)
一部の学部で独自のファウンデーションコース「Foundation Year」を実施。
日本の高校からイギリスの大学に進学するには、どのルートが最も現実的ですか?
多くの日本の高校生にとって、最も現実的で確実なのはファウンデーションコース経由の進学です。
A-levelやIBは高校段階で履修する必要があり、一般的な日本の高校では取得できません。
一方、ファウンデーションコースは高校卒業後に1年間で大学進学に必要な学力と英語力を補う制度で、幅広い大学に進学のチャンスがあります。
また、大学付属型のファウンデーションコースでは、一定の成績を修めることで提携大学への進学保証も得られるため、初めての海外進学にも安心です。
進学ルートによって、学費はどのくらい違いますか?
ルートによって、在学期間と学費の総額に大きな差があります。一般的な目安は次のとおりです(授業料のみ、生活費は別途)。
- 直接進学(3年):
£34,200〜£114,000(約680万〜2,280万円) - ファウンデーション+学士課程 (4年):
£50,000〜£140,000(約1,000万〜2,800万円) - インテグレーテッドファウンデーション+学士課程 (3年):
£45,000〜£100,000(約900万〜2,000万円)
費用の詳細は以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
まとめ
イギリスは教育制度が日本と異なるため、日本の高校から直接進学するのは難しく感じるかもしれません。
しかし近年は、ファウンデーションコースをはじめとした多様な進学ルートが整い、以前よりもずっと挑戦しやすくなっています。
時間や費用、学びたい分野など、自分が何を重視するかを考えれば、最適な道はきっと見つかります。













こんにちは。
オックスフォード大学の受験を考えているものです。
SATとSATsubjectのスコアを使って出願しようと思っているのですが、その場合IELTSのスコアは必要なのでしょうか?SAT(reasoning)とIELTSのどちらかひとつあればそのスコアで英語力の保証になるのでしょうか?
公式のサイトは何回か読んだのですがどうしても分かりませんでした汗
よろしくお願いいたします。
こんにちは、コメントありがとう。
SATとIELTSの目的が違い、SATは学力試験で、IELTSは英語力の試験となる。
Oxfordの公式サイトでは、International qualification(その一つはSAT)とEnglish language requirement(その一つはIELTS)両方求めているので、両方提出する必要があるね。
https://www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/applying-to-oxford/for-international-students
SATを準備しなくても良い選択肢としてはファンデーションコースに通うこと。詳しくはこちらの記事を確認してね。
https://www.path-to-success.net/foundation-course-uk
こんにちは
オックスフォード大学進学を検討している者です
質問⬇️
イギリス大学に進学するにあたって日本の高校から
直接イギリス大学受験は無理でありファンデーション
コース又は現地でsix formの過程を終了しなくては
いけないと聞いたのですがSATを出願するのであれば
日本の高校から直接イギリス大学に受験する事は
可能なのでしょうか?
質問が上手くまとめられず申し訳ないです
お手数ですが是非ご回答頂きたいです
質問ありがとう!
SATは基本アメリカの大学進学用で、イギリスの大学進学の場合はA-Levelという試験(希望専攻によって必要な科目が異なる)が通用される。
OxfordではいままでSATを認めていたけど、来年から認めなくなるらしい。
詳しくはOxfordのオフィシャルサイトの出願資格ページを確認してね。
日本の高校でも、IBプログラムであれば直接に進学する資格はあるけどね。
回答有難うございます!
ずっと疑問だったので助かりました
日本の高校からそのままOxfordに入学
された方の記事にSATを受けたと書かれて
いたのですが変わってしまうんですね…
丁寧にURLまで有難うございます
早く英語をマスターして活用出来るようにします!
日本のインターナショナルスクールに通っています。アメリカのカリキュラムです。
イギリスの大学に入学するためには、英語に問題がなくともIELTSなどを受ける必要はあるのでしょうか?
質問ありがとう。ほとんどの場合IELTSが必要だね。
大学・学部によって異なり、要件が合えばIELTS免除できるところもあるので、志望校・志望専攻のアドミッションオフィスに直接に問い合わせたほうが確実だよ。
インターの場合、海外大学進学に詳しいカウンセラーもいるはずなので、カウンセラーと相談するのもおすすめだよ!
こんにちは。
Alevel を独学で取得することは可能ですか??
質問ありがとう。
何を受ける、どうやって勉強する、どれぐらいの評価を取りたいのか、
それなりの英語力、情報収集力と努力があれば、独学もできないことではないと思うよ!
Alevelは個人での受験はできるんでできるんですか?可能なら今年中に試験を受けたいと考えています
はい、A-Levelは個人でも受験できるよ。
British councilのサイトを見てみよう:https://www.britishcouncil.jp/exam/other/school/cambridge-igcse-a-level/cie