地方出身で財団や大学の奨学金を獲得し、英米大学進学を果たした先輩たちが、皆さんからの相談を受付中〜!
海外留学を特別なものではなく、誰もが持つ選択肢に。
無料相談はこちらから。



イギリスは、世界において教育水準が高いと評価されており、2021年度の世界大学ランキングでは、上位10校のうち、なんと4校がイギリスの大学です。
また、18校が上位100校にランクインしています。(出典:QS TOP UNIVERSITIES)
学位取得留学は、専門の専攻分野を学べるところが魅力的です。留学期間も必然的に長くなるので、英語の習得にも満足できるでしょう。
この記事では、イギリス大学への留学計画を立てる上で必要な情報を書きたいと思います。
留学先や進学方法などのシステムを理解した上で、さらに詳しく調べたい人にオススメのウェブサイトもご紹介します。
この記事の著者:Yumi
日本の公立高校を卒業後、1年間のファンデーションコース終了とともにイギリスの4年生大学に進学。卒業後はイギリスの大学院でセカンダリースクールの教員免許を取得し、12年間に渡って教員として勤務。現在はフリーランスとして「教育」を得意分野として活動中。
目次
留学前に知っておきたい:イギリスについて
イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという4つの地域から成り立つ連合王国で、地域によって政治や教育のシステムに違いがあるので少し注意が必要です。

日本人の留学先としては、大都市の多いイングランドが主流です。
一方で、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは、イングランドと違った独自の民族意識、文化、歴史を持つ地域。都会より静かな場所を好む人に向いていると思います。
また、「娯楽が比較的少ない街で勉強に集中したい」、「日本人が少なく英語の習得環境に適している」などという理由で、イングランド以外の地域を選ぶ人もいます。
必要であれば、簡単にロンドンやイングランドの他の地域に行くことができます。
[首都ロンドンからの移動時間] | |
ウェールズの首都カーディフまで | 電車で1時間50分 |
スコットランドの首都エジンバラまで | 国内線でおよそ1時間25分 |
北アイルランドの首都ベルファストまで | 国内線でおよそ1時間25分 |
イギリスの教育システムの特徴

卒業までに必要な年数
イギリスの大学の多くは3年制です(医学部を除く)。日本の大学1〜2年生で学ぶ一般教養はなく、大学1年生から3年生まで自分の専攻科目のみ学びます。
専門性が高いのがイギリスの教育の特徴です。
「OO学を専攻したい!」と勉強したい分野が決まっている人にとっては、それだけに集中できるイギリスのシステムが向いているのではないでしょうか。
日本から留学の志望者は少ないかもしれませんが、スコットランドの大学は4年制です。このシステムは、何を学びたいか明確に決まっていない人にオススメです。
なぜなら、1~2年生は専攻科目を3つ選ぶことができるからです。例えば、1、2年生で「経営学、経済学、会計学」の3分野を専攻し、3、4年生ではその中から専攻を1つに絞ります。
スコットランドで、3年で終えることのできるコースもありますが、与えられる学位はジェネラル・ディグリー(General degree)と呼ばれるもので、4年のコースのものと分けられます。
日本・アメリカ / イギリス大学の比較
コース内容 | 在学期間 | |
日本・アメリカの大学 | 一般教養+専門知識 | 4年〜 |
イングランド、ウェールズ、北アイルランドの大学 | 専門知識 | 3年〜 |
スコットランドの大学 | 専門知識(1~2年次は3科目) | (3) /4年〜 |


2科目を専攻できるジョイント・ディグリー

ジョイント・ディグリーは、「化学と物理学」「経営学と会計学」「国際関係学とジャーナリズム」のように2つの科目を専攻することができる学位です。
他の人1つの科目を専攻するのに対して、2科目専攻するということで、「広く浅く」知識を学ぶことになりますが、 幅広い分野を勉強したい人にはオススメです。

学費や生活費について

留学について考える時、気になるのはやはり費用のこと。海外の大学生活はどれくらい費用がかかるのでしょうか。
学費
イギリス大学の学費は、現地生と留学生とに分けられています。
ご参考までに、アメリカの大学は州内・州外からの生徒で学費が分けられ、公立か私立かでも大きな違いがあります。
イギリス/アメリカ大学 海外留学生の学費比較
イギリスの大学 | およそ£10,000〜£38,000(約152万円〜580万円) 平均的3年制大学での留学生の学費: £12,200(約186万円) |
アメリカの大学 | およそ$5,000〜$50,000 (約56万円〜560万円)
平均的4年制大学で州外からの生徒の学費: $26,290(約299万円) |
(出典:QS TOP UNIVERSITIES; Save the Student; Times Higher Education)
イギリスの大学では、文系より理系科目の方が学費が高い傾向にあります。
例えば、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)でコンピューターサイエンスを専攻すると£31,270(約477万円)。一方で、経済学部の学費は£23,290(約355万円)です。
学費は、大学や学部によってかなりの幅があります。また、安いから教育の質が悪いということも、一概には言うことができません。
ただ、イギリスの多くの大学は3年制で、学費も3年分ということをお忘れなく。

生活費

生活費は日本に住んでいてもかかるわけですが、イギリスの大学生の1年の平均生活費は12,200ポンド(約183万円)。
ロンドンは物価や地価が高いので、平均は15,180ポンド(約227万円)です。
また、生活費の割合の多くを占めるのが、寮またはアパートなどの住居費(イギリスではアパートのことをフラットと呼びます)。
現地生も留学生も、1年生は寮に入る生徒が多いです。寮はキッチン付きで自炊できるところや食事付きのところもあります。ほとんどの寮で、光熱費や管理費は含まれています。
住居費の比較
イギリスの大学生(寮) | £380〜/月(約5万8千円〜) |
アメリカの大学生(寮) | $442〜/月(約5万円〜) |
イギリスの大学生(アパートなど) | £364〜/月(約5万5千円〜) |
アメリカの大学生(アパートなど) | $500〜/月(約5万6千円〜) |
(出典:QS TOP UNIVERSITIES; Times Higher Education)
上記の数字からは、最低限必要な住居費はイギリスもアメリカも同じくらいです。
でも、どちらの国も、立地と設備によってかなりの価格の差があります。大都市の便利でモダンな新しい物件はもちろんの高額です。
例えば、物価の高いロンドンにある、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の学期中(9ヶ月)の寮費はおよそ8,073ポンド(120万円)です。住居費を抑えるために、友達とフラット(アパート)をシェアするのも一般的です。
その他の生活費
食費 | 30ポンド/週(4,500円) |
パブなどでの外食 | 12ポンド/1回(1,800円) |
教科書・本・参考文献 | 30ポンド/月(4,500円) |
携帯・スマホ | 15ポンド〜/月(2,250円) |
映画 | 10ポンド/回(1,500円) |
服 | 35~55ポンド/月(5,250〜8,250円) |
(出典:QS TOP UNIVERSITIES)
* 1ポンド=152.8円(2021年11月13日)
** 1ドル=113.9円(2021年11月13日)
生活費は、その人によって快適と感じる環境が違うので、大体の目安としてお考えください。
学部のコースで必要になってくる本は大学の図書館で借りられたり、コネクションがあれば、知り合いや先輩から譲り受けることも可能ですが、エッセイを書くためにものすごい量の本を読むことを覚悟しておいた方がいいです!
公共交通機関の学割もありますし、留学生のアルバイトも認められています。生活に関してはまたの機会に詳しく書きたいと思います。
日本の高校からイギリスの大学への進学方法
イギリスと日本では教育システムが違います。
現地の高校2、3年生の生徒は、Aレベルという2年間のコースを履修し、高校卒業前に受けるる全国統一試験の結果を提出して大学に進学します。
日本の高校を卒業する留学生はAレベルを取得できていないため、ファウンデーションコース(大学進学準備コース)を履修して大学へ進学する方法が一番現実的です。

ファウンデーションコース(大学準備コース)
ファウンデーション(Foundation)コースとは、留学生のための準備コースです。
イギリスの大学進学に必要な基礎知識やスキル、大学生活をおくる上で大切な日常の知識や文化などを学ぶことができます。
進学の準備という目的は同じですが、コースを提供する機関は2つのパターンがあります。

◉ 大学に併設されているコース
ファウンデーションコース修了次に生徒が学力の特定水準をみたしていれば、その大学への進学を確約してくれる機関もあります。
特定の大学を目指しているのであれば、大学に併設しているコースでエスカレーター式に大学へ進むのが理想でしょう。
大学進学前のコース履修中に、大学の図書館やジムなどの施設の利用が認められますし、その地域の生活に慣れることができます。
コースが大学に併設されていても、他の大学へ出願することは可能です。
◉ 独自の教育機関が複数の大学と提携して運営するコース
ファウンデーションコースが大学に併設されていない場合や志望する大学が決まっていない人は、こちらのパターンを選ぶといいでしょう。
現地でコースを受講している間に、大学のオープンキャンパスに足を運んだり、大学生活をおくる街の様子を見に行ったりしながら、大学を選ぶことができます。
コース内容
多くの留学生が「英語力が心配」「大学の学部でやっていけるか不安」という悩みを持つでしょう。
コース内容はもちろん、そんな悩みを解消するためのカリキュラムとなっています。

◆ 英語力の向上
英語の基礎を固め、学部の講義やセミナーについていけるだけの英語力の取得を目指します。
さらに、エッセイ(小論文)で使うアカデミック英語も学んでいきます。
◆ スタディースキルの習得
学部にもよりますが、大学では相当な量のエッセイ(小論文)やレポートを書くことになります。
脚注や参考文献の書き方やリサーチ方法などの知識、講義でのノートの取り方、セミナーでのプレゼンテーションの仕方などのスキルも身につけます。
◆ 専門分野・選択科目の履修
イギリスの高校生はAレベルで3〜5科目の勉強します。ファウンデーションコースの生徒も、科目を選択し、専門分野の基礎知識を学びます。
専攻が決まっていない人は、この機会に自分の興味ある分野を見つけられるかもしれません。
また、自分の専攻分野のために開設されたファウンデーションコースの場合、選択科目ではなく、その科目の基礎知識を学ぶことに主眼をおくカリキュラムとなるようです。
その他にも、イギリスの生活に早く馴染めるようにするための工夫された授業や現地の文化を学ぶ機会、スタディーツアーなどもあります。
コース開始月とコース期間
イギリス大学の新学期は9月ですが、世界各国から留学生が集まるファウンデーションコースは1月や4月など、開始期間に柔軟に対応しています。
日本の高校を3月に卒業することを考えると、4月の開始は都合がいいですよね。
高校卒業から9月までは英語の勉強に集中し、9月からコースを開始する人もいます。
コース期間は一般的に1年です。日本の大学で1、2年次に履修する一般教養と同じような位置づけと考えると、分かりやすいかもしれません。
【日本の大学】 | 4年間:一般教養+専門知識 |
【イギリスの大学留学】 | 1年間:ファウンデーションコースで一般教養 + 3年間:大学での専門知識 |

イギリス大学の進学に必要な資格
留学生の大学進学には、IELTSのスコアを提出し、英語力(スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの4技能)を証明する必要があります。
必要なスコアは大学によって違いますが、多くの大学で6.0以上が求められます。
ファウンデーションコースではもちろん、IELTS試験対策の授業もあり、進学の手助けをしてくれます。
大学併設のコースだと、ファウンデーションコース修了試験で合格すれば、IELTS 6.0と同程度の英語力と認められ、IELTSの試験を免除される場合もあります。

プリ・セッショナルコース(大学準備集中コース)

ファウンデーションコース修了。大学進学も決定。とは言っても、英語や大学生活の不安は残るもの。
プリ・セッショナルコース(pre-sessional course)は大学の新学期が始まる前の留学生のための集中コースです。あと一歩で始まる学部での勉強へ向けて、最終調整をすることができます。
大学から進学のオファーを受けている生徒のためのコースなので、英語力が求められます。
コース内容は、ファウンデーションコースをさらに高度にして凝縮させたもの。スタディースキルの習得がメインです。新学期が始まる前の大体2〜3週間開設されます。
ドイツやスウェーデンなど、ヨーロッパからの留学生は、高校生でも高い英語力を取得しています。そのような生徒でも、海外大学への留学には不安を持っているものです。
海外の大学での新学期に向けて、夏休みを一足先に切り上げ、準備を始めます。このコースのいい点は、たくさんの海外留学生との友達作りができること。
コースを修了して新学期が始まってからも、「留学生」という絆できっと交流が続いていくはずです。
その他にも、夏休み中に大学で開講されるサマースクール・サマーコース・サマープログラムなどもあり、まだまだ英語に自信を持てないという人は更なる英語力アップを目指しましょう!


大学1年生(9月ごろ)
イギリス留学の準備事項&アドバイス

というわけで、イギリスの大学進学には、ファウンデーションコースが足がかりとなってきます。
それでは、具体的にどのように留学準備を進めたらいいのでしょうか。
ファウンデーションコース出願のための必要書類・英語力
◆ 必要な英語力
英語のスキルアップを目指してファウンデーションコースに入るのですが、コースを始めるにあたって、基礎的な英語力が求められます。
一般的な基準はIELTS4.5です。英検とは試験の内容が違うので、比較の対象とするのは難しいですが、英検準2級〜2級と同程度と言われています。
◆ 必要書類
コースによって違いますが、基本的に必要な書類は以下のものです。
- 日本の高校の卒業証書
- 日本の高校の成績
- 高校の先生からの推薦状 (reference)
- 志望動機書 (personal statement)
高校の成績に関しては、入学基準を特定している大学もあります。
例えば、「日本からの留学生は、高校の成績で70%または五段階評価の3以上をおさめた生徒」などと国別に指定がある場合があります。
必要書類の中で一番頭を悩ませるのが、志望動機書(Personal Statement)でしょう。
自己紹介、大学で学びたいことなどを中・高での経験を織り交ぜながら、1ページ500文字程度にまとめましょう。大体4〜5段落構成が一般的です。

ファウンデーションコースのリサーチ

ファウンデーションコース出願の必要書類と英語力をクリアできるようだったら、実際にファウンデーションコースを調べてみましょう。
特定の大学に興味がある人は、その大学のウェブサイトに行って、ファウンデーションコースが併設されているか見てみるといいでしょう。機関によって入学条件やコース内容が違うので、リサーチは必須です。
イギリス人の高校生も、行きたい大学は自分でリサーチするんですよ!
自分の成績をふまえ、出願条件を調べて、進路指導の先生と相談します。
ただ、英語で書かれているウェブサイトの全部の内容を把握しようとするのはちょっと難しいかもしれません。
そこで、こちらのウェブサイトをご紹介します。
🔳 リサーチに役立つウェブサイト
SI-UK Study in the UK (日本語・英語)
日本語のウェブサイトには、ファウンデーションコースを提供している大学がリストアップされています。
英語の方のウェブサイトには、独自の教育機関が複数の大学と提携して運営するコースが載っています。
例)INTO
イギリス各地に12ヶ所のスタディーセンターがあり、ニューキャッスル大学、エクセター大学、シティ大学ロンドンなど11の大学と提携。
例)Study Group
1994年に開設され、生徒の88%が希望の大学へ進学。ダラム大学、シェフィールド大学、リーズ大学などと提携。
🔳リサーチする上で確認すること
entry requirements | コース入学に必要な条件・資格 |
academic requirements | コース入学に必要な学歴 |
English language requirements | コース入学に必要な英語の条件・資格 |
fees | 学費 |
application deadline | 応募締め切り |
start dates | コース開始日 |
🔳 リサーチする上でよく見かける単語
enquiry | 問い合わせ |
how to apply | 応募方法 |
term | 学期(3期制の場合に使われる) |
semester | 学期(2期制の場合に使われる) |
module | モジュール、専門科目を小科目のテーマごとのまとまりにし たもの |





最後に受験生へのメッセージ
ファウンデーションコースでしっかり準備ができて、専門性を突き詰めることができるイギリス大学留学。
様々な民族アイデンティティーと文化が複雑に入り混ざる多様性に満ちた社会で、さらに多くの学びを得ることができるでしょう。
ヨーロッパ大陸や北アフリカにも近く、夏休みなどの長い休みには足を伸ばすこともできます。
サッカー、ゴルフ、ラグビー、テニスなど様々なスポーツ発祥の地での試合を観戦したり、劇場文化を通して文学に触れたり、本当にピーターラビットやハリーポッターがいそうな世界観を味わったり。イギリスの魅力は尽きません。
デュア・リパやエド・シーランなどのコンサートに行けたら楽しいだろうし、音楽フェスも国内各地で行われます。
日本とは違う毎日の生活を通して、みなさんもきっと大きく成長できることでしょう!
将来、どんな自分になっているかを思い描いて、イギリス留学を選択肢の一つに入れてみてはどうでしょうか。




こんにちは。素敵な記事ありがとうございます。
Alevelを日本で取得(独学or塾)することは現実的ですか?